機械学習 (ML) は、多くの企業がイノベーションの推進、業務の効率化、コストの削減を目指す中で、さまざまな業界やシナリオにおいて躍進を遂げています。Microsoft Azure Machine Learning は、ML のライフサイクルを加速させるエンタープライズグレードの機能によって、開発者やデータ サイエンティストを支援します。Microsoft Build 2020 では、Azure Machine Learning の最新機能をいくつか発表しました。その範囲は、"あらゆるスキルに対応する ML"、"エンタープライズグレードの MLOps"、"責任ある ML" の領域にわたります。
あらゆるスキルに対応する ML
以下のような新しい拡張機能によって、あらゆるスキルに対応する ML へのアクセスを提供します。
強化されたノートブック (プレビュー中)
データ サイエンティストや開発者は、Azure Machine Learning Studio 内で、強化されたノートブック エディターに直接アクセスできるようになります。作成、編集、コラボレーションを行うための新機能 (英語) により、データ サイエンス チームはより簡単にリモート ワークや共有を行うことができます。また、ノートブックは Jupyter との完全な互換性を備えています。
- IntelliSense (英語)、インライン エラーの強調表示、VSCode からのコード候補の表示といった、Jupyter ノートブックでクラス最高のコーディング エクスペリエンスを提供する機能により、開発の生産性を向上。
- シームレスなリモート コラボレーションやペア デバッグを可能にする、リアルタイムの共同編集機能へのアクセス (間もなく提供開始)。
- ノートブック内で GPU または CPU コンピューティング インスタンスを使用して、新しいコンピューティングの開始、停止、作成を行うためのインライン コントロール。
- ノートブック エディターへ新しいカーネルを追加し、Python や R など異なるカーネル間ですばやく切り替え。
3 人のユーザーと IntelliSense によるリアルタイムでのノートブックの共同編集
強化学習のサポート (プレビュー中)
Azure Machine Learning での新たな強化学習のサポート (英語) により、データ サイエンティストは、制御システムやゲーム キャラクターなど実際の環境で操作するエージェントにトレーニングを行うことができるようになります。Azure Machine Learning でのエージェントのトレーニングには、SDK、Studio の UI、またはコマンド ライン インターフェイス (CLI) を使用できます。Azure Machine Learning を使用すると、TensorBoard や Azure Machine Learning Studio の UI での実験結果の追跡など、リモート コンピューティング クラスターでの大規模な強化学習を簡単に実行できます。Azure Machine Learning を使用して Minecraft の溶岩迷路を進むエージェントにトレーニングを行うためのノートブックのサンプル (英語) をご覧ください。
Minecraft の迷路をうまく進むエージェント
データのラベル付け (プレビュー中)
画像分類や物体検出など、コンピュータービジョンの要素が含まれるプロジェクトには通常、何千枚という画像に対してラベルが必要になります。Azure Machine Learning のデータのラベル付け機能では、ユーザーがラベル付けプロジェクトの作成、管理、監視を一元的に行うことができます。この機能を使用すると、データとラベルを整合させ、ラベル付けタスクを効率的に管理できます。新しい ML 支援のラベル付け機能は、自動機械学習モデルをトリガーしてラベル付けタスクを加速するのに役立ち、画像分類 (複数クラスまたは複数ラベル) や物体検出タスクに利用できます。
エンタープライズグレードの MLOps
イノベーションの実現を加速するために設計された MLOps 用の新機能です。
Azure Private Link によるネットワークの分離 (プレビュー中)
モデルのセキュアなトレーニングと展開を可能にするため、Azure Machine Learning では、データおよびネットワークの保護に関する一連の強力な機能を提供しています。それらの機能には、Azure Virtual Networks、専用コンピューティング ホスト、転送中および保存中の暗号化のためのカスタマー マネージド キーのサポートが含まれます。さらに、Private Link によるネットワークの分離を有効にして、仮想ネットワーク上のプライベート エンドポイントから Azure Machine Learning にアクセスできるようにします。これにより、Azure Machine Learning ワークスペースにはインターネットからアクセスできなくなります。これは、金融サービス、保険、医療といった規制産業の多くのシナリオにとってきわめて重要な機能です。
Azure Cognitive Search の統合 (プレビュー中)
多くの企業が大規模なドキュメントのコーパスを保有していますが、それらの企業は、特定の語句を検索して関連性の高い結果を見つけるための Cognitive Search ソリューションを構築することで、生産性を向上させることができます。効果的なソリューションを構築するには、多くの場合、検索エクスペリエンスを充実させるためのカスタマイズ モデルが必要になります。Azure Machine Learning を使用すれば、開発者は、モデルのトレーニングと展開を行うことでカスタム検索ソリューションを提供できます。また、エンドポイントを Azure Cognitive Search スキルセットにシームレスに統合できるようになりました。
責任ある ML
Aether Committee とそのワーキング グループ (英語) とのコラボレーションにおいて、マイクロソフトは責任ある AI の最新の研究を Azure に取り入れようと取り組んでいます。Azure Machine Learning と当社のオープンソース ツールキットの新しい責任ある ML 機能により、データ サイエンティストと開発者は、ML モデルを理解し、人々やそのデータを保護し、エンドツーエンドの ML プロセスを制御できるようになります。詳細については、責任ある ML の構築に関する発表をご覧ください。
お客様とのイノベーションの取り組み
当社は引き続きお客様と手を取り合ってイノベーションを推進しています。たとえば Carhartt は、顧客の仕事と生活の場にふさわしい製品を届けられるように、Azure Machine Learning に定量的な洞察を求めました。
「当社が Azure Machine Learning に展開したモデルは、2019 年にオープンした 3 か所の小売拠点を選定するのに役立ちました。それらの店舗は、当社の書き入れ時である 12 月にそれぞれの収益計画を 200% 以上上回り、オープン後数か月以内にはそれぞれの地区の中で最高の業績を上げている店舗の仲間入りを果たしました。」 - Carhartt、BI および分析担当ディレクター、Jolie Vitale 氏
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