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当社が「コスト管理」についてお話しする場合、主に次の 3 つの原則に重点を置いています。

  1. コストの可視性を確保して、ソリューションがもたらす財務上の効果を全員が認識できるようにする
  2. 組織全体で説明責任を推進して、不適切な支出パターンを防ぐ
  3. 使用状況の変化に応じて継続的にコストを最適化し、少ないコストでより多くの成果を達成できるようにする

これらの原則こそが、当社が全種類のアカウントのコストを一元化して、組織内の全従業員にコストをレポート、管理、最適化できる手段を提供するための強力な基盤を築くにあたり、2019 年の原動力となりました。当社の最終的な目標は、お客様が組織の正常性と財務上の責任を強化できるよう支援することにあります。

一元化されたビューですべてのコストを管理

Azure Cost Management のプレビューに引き続き、2019 年は 2 月にマイクロソフト エンタープライズ契約 (EA) のお客様、4 月には従量課金制 (PAYG) のお客様向けに一般提供を開始して、力強いスタートを切りました。それと同時に、マイクロソフト全体としては、コマース プラットフォームを全面的に最新化する取り組みに乗り出し、新しい Microsoft Customer Agreement (MCA) を打ち出しました。MCA のロールアウトは、3 月のエンタープライズ向けを皮切りに、7 月には従量課金制サブスクリプション向け、11 月には Azure プランを使用するクラウド ソリューション プロバイダー (CSP) 様向けに開始されています。Azure の購入経路 (マイクロソフトの営業担当者を通じて、Azure.com から直接、あるいはマイクロソフト パートナーを介して) にかかわらず、お客様は Azure Cost Management をすぐにご利用いただけます。とはいえ、Azure の利用に対する基本的なサービスの適用は、この話の一部にすぎません。

コストを効果的に管理するには、すべてのコストを共通のリポジトリに一元化する必要があります。そのニーズに応えることができるのが、Azure Cost Management なのです。5 月に Azure potal 内で Amazon Web Services (AWS) のコストを監視できるかつてない機能を (クラウド プロバイダーで初めて) 発表した後、6 月には予約とマーケットプレースに関する購入を監視できる機能を追加した Azure Cost Management では、お客様が Azure と AWS のどちらを使用されている場合でも、すべてのコストを一元化されたビューから管理できます。

今後について

Azure プラン以外のスポンサーと CSP のサブスクリプションに対するサポートを最優先事項に掲げ、どの Azure サブスクリプションでも Azure Cost Management をご利用いただけるようにします。AWS のサポートの一般提供が開始された後は、Google Cloud Platform (GCP) のサポートが追加される予定です。

コストのレポートと分析が簡単に

すべてのコストの一元化は単なる始まりにすぎません。2019 年には、コストのレポートと分析に役立つ機能強化も多数行いました。2018 年のプレビュー版でもコストを掘り下げ、調べることはできましたが、本当の意味でコストを管理し、最適化するには、現在の支出パターンに対する認識を高めるほかありません。そこで 2019 年のレポート機能では、カスタマイズと共有を容易にすることに重点を置きました。

2019 年には、まずカスタム ビューを Azure portal のダッシュボードにピン留めする機能を 1 月に追加しました。その後、5 月にはリンクを共有する機能、8 月にはコスト分析から直接ビューを保存する機能、そして 9 月にはグラフをイメージとしてダウンロードする機能(英語)を加えました。また 10 月には、Power BI の重要な更新を行ったことで、従来の API キーが不要になったほか、予約の詳細情報や推奨事項を確認できるようになりました。各オプションによって、時間の短縮はもとより、全従業員に各自のコストに対する責任感を持たせることで、説明責任を推進する取り組みの第一歩を踏み出すことができます。

また、共有機能にとどまらず、6 月にはコストの予測機能、7 月には通貨を切り替えて表示する機能といった新機能を追加したほか、よりシンプルですぐに使用可能なオプションを提供するために、5 月には新しい日付選択機能を、9 月には請求書の詳細ビュー(英語)を導入しました。さらに、ユーザーの好みに合わせて作業を行えるように、Azure portal のダーク テーマのサポートなどの変更を加えると共に、年間を通してアクセシビリティの継続的向上に努めました。

API の自動化と統合の観点からも、2019 年は EA のコストと使用状況に関する API を Azure Resource Manager に移動させることで、重要なマイルストーンを達成しました。Resource Manager の API は将来を見据え、異なる種類のアカウント間で用語を標準化することによって、Microsoft Customer Agreement への移行における労力を最小限に抑えるために設計されています。Resource Manager の API への移行をまだ開始されていないお客様は、新年に最優先でこのソリューションへの移行をご検討ください。

今後について

2020 年も引き続きこの方向性で、より柔軟なレポート機能や電子メール通知のスケジュール機能、操作性の全面的な強化、Azure portal 全体の可視性の向上などを推進してまいります。Power BI では、Azure の予約や Azure ハイブリッド特典のレポートを導入するほか、課金アカウント全体へのアクセス権を持たないサブスクリプションやリソース グループのユーザーに対するサポートを導入する予定です。また、コスト データを業務システムや業務プロセスに取り入れる作業をこれまで以上に容易にするための API の継続的向上もご期待いただけます。

柔軟なコスト管理機能でコストを制御

現在の支出の内容と支出先を把握したら、次のステップとして不適切な支出パターンを防ぎ、コストを管理する方法を考えます。予算を設定することで、超過した場合に通知を受け、措置を講じることができる機能は既にご存じでしょう。ユーザーは、どのような措置を講じたいか、その措置は電子メール通知のような簡単なものにするのか、それとも請求を避けるためにすべてのリソースを削除するような徹底したものにするのかを決定します。2019 年のコスト管理では、お客様がコストを完全に把握できるようにすること、そして、お客様が適切だと思われる方法で支出を管理できるツールを提供することに重点を置きました。

まず初めに、ユーザーが請求書、クレジット、予算の超過アラートを 1 か所で確認できる、統合アラート エクスペリエンスを 2 月に発表。そして、予算機能を拡張して前述のとおり新しいアカウントの種類をサポートすると共に、6 月には管理グループをサポートすることで、複数のサブスクリプションにわたるすべてのコストを監視できるようにしました。8 月には、フィルターを活用した目標予算の作成機能を加え、その対象がサービス全体か、特定のリソースか、複数のサブスクリプションにまたがるアプリケーションかにかかわらず (タグを使用して)、支出をきめ細かく追跡できるようにしました。 また、この機能強化に伴い予算作成時のエクスペリエンスも向上し、これまでの傾向と予測に基づきより現実的な予算の予測が容易になりました。

今後について

2020 年は、コスト管理を次のレベルに引き上げることを目指し、お客様が共有コストをコストの配賦ルールに基づいて配分できる機能のほか、経費を維持する、あるいは組織に値引きの事実を隠そうとすることの多い主要チームに追加の利幅を設定できる機能を追加する予定です。また、組織のためにお客様が必要な方法でコストを管理できる柔軟性の向上を目指して、管理グループやタグに関する機能強化を行うことも視野に入れています。

より少ないコストでより多くの成果を達成できる新たな手段

クラウド コンピューティングには、柔軟性、スピード、スケーラビリティ、セキュリティと、多くの効果が期待できます。コスト削減効果については、クラウドへの移行を推進する要因となることも多い反面、他に比べて達成がわかりにくい効果の 1 つでもあります。幸い、Azure では毎月のようにコストを最適化できる新たな可能性を提供しています。これは、Azure Advisor が一番に提案する推奨事項であり、特に展開済みのリソースのコスト削減につながるものです。2019 年には、コスト削減の新たな可能性を 20 以上ご提案しましたが、以下はその一部です。

今後について

2020 年も引き続き 1 年を通してこれらの領域に対する機能更新にご期待ください。また、それぞれのサービス チームと連携して、データベース、ストレージ、PaaS をはじめ、幅広いサービスに対して組み込みの推奨事項をさらに提供してまいります。

アカウントとサブスクリプションの管理を簡略化

2019 年を通して、Azure portal の [コストの管理と請求] に対して多くの変更が行われたことにお気付きの方もおられるでしょう。2018 年初めには PAYG サブスクリプションに対してのみ重点を置いていたことが、2019 年には課金管理者にとって中心的なものとなり、3 月に MCA アカウントの完全な管理、7 月に新しい EA アカウント管理機能、そして 8 月にはサブスクリプションのプロビジョニングと譲渡に関する更新プログラムを発表しました。これらの機能によって、アカウントのあらゆる側面を管理できる単一ポータルの獲得に一歩近づくことができます。

今後について

2020 年は、[コストの管理と請求] のエクスペリエンスを収束および統合する年になるでしょう。そのためにはまず、Azure portal 内の [コストの管理と請求] のエクスペリエンスから取り掛かり、その後、お客様が現在 EA、Account、Cloudyn の各ポータルで使用されている機能を加えて拡大してまいります。どのポータルを使用されていても、これらはすべて、異なる種類のアカウント間でより一貫性の高い、単一の統合エクスペリエンスに集約される予定です。その効果は特に、従来の EA、PAYG、および CSP のプログラムから、Azure portal 内で完全に管理され、よりきめ細かなアクセス制御や異なる請求書へのサブスクリプションのグループ化などの重要な新しい請求機能を提供する Microsoft Customer Agreement (および Azure プラン) にアカウントを移行する際に明らかとなります。

新たな年への展望

この 12 か月間、さまざまな機能強化を相次いで行ってきましたが、この取り組みはまだ始まったばかりです。ここですべて挙げきることはできませんでしたが、変更点と今後の予定に関する最新情報については、何よりもまず Azure Cost Management の毎月の更新情報を定期的にご確認ください。また、既に領域ごとに 2020 年の予定についてお伝えしましたが、ポイントをまとめると以下のとおりです。

2020 年は、Azure、AWS、および GCP のコストをすべて Azure portal から管理できる共通のエクスペリエンスを実現するために、コストのレポート、管理、最適化を目的とした各種ツールの簡略化と強化を並行して進め、お客様がそれぞれのミッションにより集中して取り組めるようにします。

これらの新機能および更新機能の提供が開始された際には、皆様からのご意見をお待ちしております。また、最新機能を一般提供前に試してみたいとお考えのお客様は、Azure Cost Management ラボ (7 月に発表済み) をご確認いただき、ぜひ忌憚のないご意見をお願いいたします。Cost Management ラボにお寄せいただいたご意見は、Azure Cost Management のエンジニアリング チームが直接確認しますので、お客様にとって開発中の機能に直接ご意向を反映し、ご希望に沿ったものにする一番の方法といえます。

最新情報、ヒントやテクニックを入手するには、Twitter アカウント @AzureCostMgmt (英語) のフォローや、YouTube チャンネル (英語) へのご登録をお願いいたします。Cost Management のフィードバック フォーラム (英語) では、アイデアの投稿や他のユーザーの意見への投票をお待ちしています。それでは 2020 年にまたお会いしましょう。

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