Azure Cost Management の更新 – 2019 年 5 月

2019年5月30日 に投稿済み

Program Manager, Azure Cost Management

入学したばかりの学生、業績好調なスタートアップ企業、大手企業といったいずれのユーザーも、財務的な制約とは無縁ではいられません。支出の対象や場所を把握し、今後の計画方針を立てる必要があります。請求額を見て驚くような事態はだれもが避けたいものです。そこで出番となるのが Azure Cost Management です。

マイクロソフトは、ユーザーの皆様が抱える課題を理解するよう努め、クラウドでコストが発生している状況や場所の把握、不適切な支出パターンの特定と防止、コストの最適化、少ないコストでより多くの成果を達成することをいかに Cost Management で支援できるか、常に模索しています。以下は、皆様のフィードバックに基づいて追加された最新の機能強化と更新です。

それでは、順に詳しくご説明しましょう。

 

一般提供 (GA) の拡大: 従量課金制と Azure Government

以下の種類のアカウントで Azure Cost Management の一般提供を開始しました。

パブリック クラウド

  • Enterprise Agreement (EA)
  • Microsoft Cloud 契約 (MCA)
  • 従量課金制 (PAYG) と Dev/Test のサブスクリプション

Azure Government

  • Enterprise Agreement

クラウド ソリューション プロバイダー (CSP) やスポンサー プランのサブスクリプションなど、その他の種類のアカウントやクラウドでのプレビュー サポートの詳細については、発表をお待ちください。マイクロソフトは、すべてのクラウド、すべてのアカウントに豊富なコスト管理ツールを提供することが重要と考え、鋭意取り組んでいます。

 

新しいプレビュー機能: AWS と Azure のコストを Azure Portal でまとめて管理

多くの組織がマルチ クラウド戦略を採用して柔軟性を確保していますが、柔軟性が増せば複雑さも増します。異なるコスト モデルや請求サイクルから、基盤となるクラウド アーキテクチャまで、クロス クラウド コスト管理ソリューションで一元管理することは、もはや贅沢なことではなく、コストを効率的かつ効果的に監視、管理、最適化するための基本要件となっています。そこで便利なのが Azure Cost Management です。

まず、新しい AWS クラウド コネクタを Azure Portal から作成するところから始めます。Azure Portal のホームページから [Cost Management] タイルを選択します。[Cloud connectors (Preview)] を選択し、[Add] をクリックします。名前を指定して AWS のコストを集計する管理グループを選択し、AWS 接続の詳細を設定するだけ済みます。

[Create an AWS connector] オプション画面の画像

AWS のコストと使用状況レポートが取得されしだい、Cost Management に AWS のコストが集約され始めます。コストと使用状況レポートを新規に作成すると、AWS からエクスポートが開始されるまでに最大 24 時間かかることがあります。クラウド コネクタの一覧から最新の状態を確認できます。

AWS のコスト レポートが Cost Management に表示されている画像

データが利用可能になったら、コスト分析画面を開き、コネクタの作成時に指定した管理グループにスコープを変更します。プロバイダーごとにグループ化して、AWS と Azure のコストの内訳を確認できます。複数の AWS アカウントを接続している場合、または Azure の請求アカウントが複数ある場合、請求アカウントでグループ化して、アカウントごとの内訳を確認することも可能です。

AWS と Azure のコストをまとめてチェックできるほか、AWS の一括請求アカウントやリンク アカウントにスコープを変更して AWS のコストを細かく掘り下げて調べることもできます。コストが重要な基準値に達したときに通知を受け取るには、AWS のスコープに対して予算を設定します。

AWS コストの管理は無料で利用でき、プレビュー中は課金されません。AWS のサポートが一般提供となったときに自動的にアップグレードする場合は、コネクタに移動し、[Automatically charge the 1% at general availability] オプションをオンにして、課金されるサブスクリプションを指定します。

AWS コストの管理の詳細については、ドキュメント「Azure での AWS のコストと使用状況の管理」をご覧ください。

 

新しい入門ビデオ

新しいサービスについて学習するには時間がかかります。ドキュメントに目を通すのも悪くありませんが、短いビデオをご覧になればすぐに始められます。お客様のご要望にお応えして8 つご用意しました。

さらに詳しい情報をお探しの場合は、こちらもご覧ください。

 

従量課金制の請求期間に基づいたコスト監視

ご存知のとおり、従量課金制 (PAYG) と Dev/Test のサブスクリプションは、Azure にサインアップした日に基づいて請求処理されます。EA や MCA の請求アカウントと違い、暦上の月に対応していません。そのため、各請求に関するレポート作成とコスト管理には多少の難しさがありましたが、現在はツールを利用すれば、特定の請求サイクルに基づいた効果的なコスト管理が可能です。

PAYG サブスクリプションのコスト分析画面を開くと、既定で現在の請求期間のデータが表示されます。1 つ前の請求期間に切り替えたり、複数の請求期間を選択したりできます。日付選択オプションの拡張については後述します。

表示する請求期間の選択方法を示している画像

請求額が特定の金額に到達する前に通知を受け取るには、請求月に対して予算を設定します。請求期間ごとに四半期または年間の予算を追跡するかどうかも設定できます。

予算作成画面の画像

データをエクスポートして独自のデータセットと統合することが必要になる場合もあるでしょう。Cost Management には、日、週、月に 1 回ストレージ アカウントにデータを自動的にプッシュする機能があります。今回、暦上の月ではなく請求期間に合わせてデータをエクスポートできるようになりました。

データ エクスポート ページの画像

ユーザーに合った請求期間でのコスト管理をさらに改善するうえで何かご提案がございましたら、ぜひお知らせください。

 

より包括的な定期エクスポート

エクスポートをスケジュール設定すると、一定期間ごとに最新データを収集することなく、ユーザーにプッシュされる新しいデータを扱えます。たとえば、過去 1 か月間のデータを毎日エクスポートすると、1 月 1 日から 31 日まで毎日新しい CSV ファイルがプッシュされます。このエクスポートの処理が改善され、期間の全データセットが揃うまで、設定されたスケジュールでデータが継続してプッシュされるようになりました。たとえば、同じように過去 1 か月間のデータを毎日エクスポートすると、データが遅れる可能性を考慮して、2 月 1 日と 2 日にも 1 月のデータがプッシュされます。この更新により、2019 年 4 月以降すべての期間について、完全なエクスポート データの取得が保証されます。

コスト データの処理の詳細については、ドキュメント「Cost Management のデータを理解する」をご覧ください。

 

コスト分析の日付選択の拡張

お客様からは、コストの傾向を分析したり異常な支出を調査したりする際に、さまざまな期間のデータが必要になることがあるというご意見が寄せられていました。現在の請求期間で調査して次の請求に備えたいという場合や、月次の報告会議で過去 30 日間を分析する必要があるという場合もあるでしょう。変則的な支出を特定しできるだけ早く対処するために、毎週または毎日、過去 7 日間の使用状況を注視しているユーザーもいます。長期的な傾向分析と財務計画の必要性は言うまでもありません。

ワンクリックでの豊富な日付指定オプションへのニーズを中心とした皆様からの貴重なフィードバックに基づいて、コスト分析の日付選択を拡張し、これまで以上に簡単かつ迅速に必要なデータを取得できるようオプションを増やしました。

また、期間を切り替える操作に傾向があることを踏まえ、ユーザーの操作を簡素化するために、日付選択オプションの上部にある [< PREVIOUS] リンクと [NEXT >] リンクで期間の前後をすばやく切り替えられるようにしました。ぜひお試しいただき、ご意見をお聞かせください。

データ選択オプションの画像

 

カスタマイズしたビューの共有

今回、コスト分析でカスタマイズしたビューの保存や共有に関する強いご要望にお応えしました。既にお気付きかもしれませんが、カスタマイズしたビューを Azure Portal のダッシュボードにピン留めしたり、ダッシュボードを他のユーザーと共有したりできるようになりました。また、カスタマイズしたビューへの直接リンクも共有できます。そのスコープにアクセスできないユーザーの場合、リンクを開くとアクセス拒否のメッセージが表示されますが、カスタマイズを維持したまま自分がアクセスできるスコープを適用するよう変更できます。

カスタマイズしたビューの共有リンクを作成する機能の画像

スコープをカスタマイズしてターゲット URL を共有することもできます。URL の形式は以下のとおりです。

https://portal.azure.com# [@#{ドメイン}] /blade/Microsoft_Azure_CostManagement/Menu/open/CostAnalysis [/scope/{URL エンコードされたスコープ}] /view/{ビュー構成}

ドメインは任意です。削除すると、ユーザーの優先ドメインが使用されます。

スコープも任意です。これを削除すると、スコープは既定で、最初に見つかったアカウント、管理グループ、サブスクリプションとなります。カスタムのスコープを指定する場合は、忘れずにスコープを URL エンコード (例: "/" → "%2F") してください。そうしないと、コスト分析が正しく開けません。

ビューの構成は、gzip で圧縮されて URL エンコードされた JSON オブジェクトです。例として、カスタマイズしたビューのデコード方法を紹介します。

  1. ポータルから URL をコピーします。
    • https://portal.azure.com#@domain.onmicrosoft.com/blade/Microsoft_Azure_CostManagement/Menu/open/CostAnalysis/scope/%2Fsubscriptions%2F00000000-0000-0000-0000-000000000000/view/H4sIAAAAAAAA%2F41QS0sDMRD%2BL3Peha4oam%2FSgnhQilYvpYchOxuDu8k6mVRL2f%2FupC8FofSYL99zNrAiji54GMPFqLotR5flqCp7ppWjLyjgMxGv305zOhJ2Rn%2FvjCRsJyHKQQnjDci6J%2F18jWhJcXEdNYxdxiYpSuj24IzYhTorGlbwN6y6yYxwRK7K6hqGAmoUjCRZYRl9apGdaCRM0bVr1aC1TBZl212LBNm304ffNZgxzfF7X7lJ3uzI8JI6GDTDcki98xbGi%2BOSWsv67UGKg80zxZDY0H2mP2VsWKqfa4U4p6HXYYvlkC3NO7LkCEHzQfUktKnLVmhM6nSEkHKhwTbmc%2FVuFST%2BjZ%2F%2Bj3%2BknDMUpziHivPMOI%2F6UOuM4QcE8nHtJAIAAA%3D%3D
  2. "/view/" の後のビューの構成を抜き出します。
    • H4sIAAAAAAAA%2F41QS0sDMRD%2BL3Peha4oam%2FSgnhQilYvpYchOxuDu8k6mVRL2f%2FupC8FofSYL99zNrAiji54GMPFqLotR5flqCp7ppWjLyjgMxGv305zOhJ2Rn%2FvjCRsJyHKQQnjDci6J%2F18jWhJcXEdNYxdxiYpSuj24IzYhTorGlbwN6y6yYxwRK7K6hqGAmoUjCRZYRl9apGdaCRM0bVr1aC1TBZl212LBNm304ffNZgxzfF7X7lJ3uzI8JI6GDTDcki98xbGi%2BOSWsv67UGKg80zxZDY0H2mP2VsWKqfa4U4p6HXYYvlkC3NO7LkCEHzQfUktKnLVmhM6nSEkHKhwTbmc%2FVuFST%2BjZ%2F%2Bj3%2BknDMUpziHivPMOI%2F6UOuM4QcE8nHtJAIAAA%3D%3D
  3. ビューの構成を URL デコードします。
    • H4sIAAAAAAAA/41QS0sDMRD+L3Peha4oam/SgnhQilYvpYchOxuDu8k6mVRL2f/upC8FofSYL99zNrAiji54GMPFqLotR5flqCp7ppWjLyjgMxGv305zOhJ2Rn/vjCRsJyHKQQnjDci6J/18jWhJcXEdNYxdxiYpSuj24IzYhTorGlbwN6y6yYxwRK7K6hqGAmoUjCRZYRl9apGdaCRM0bVr1aC1TBZl212LBNm304ffNZgxzfF7X7lJ3uzI8JI6GDTDcki98xbGi+OSWsv67UGKg80zxZDY0H2mP2VsWKqfa4U4p6HXYYvlkC3NO7LkCEHzQfUktKnLVmhM6nSEkHKhwTbmc/VuFST+jZ/+j3+knDMUpziHivPMOI/6UOuM4QcE8nHtJAIAAA==
  4. デコードした文字列を gzip で展開し、カスタマイズしたビューを取得します (ツールによっては URL デコードした文字列を Base64 デコードする必要があります)。
    • { "version":"2019-04-01-preview", "queryVersion":"2019-04-01-preview", "metric":"ActualCost", "query":{ "type":"Usage", "timeframe":"Custom", "timePeriod":{"from":"2019-04-18","to":"2019-05-17"},    "dataset":{     "granularity":"Daily",     "aggregation":{"totalCost":{"name":"PreTaxCost","function":"Sum"}},     "grouping":[{"type":"dimension","name":"ResourceGroupName"}],     "filter":{"and":[]}   },   },  "chart":"StackedColumn",  "accumulated":false,  "pivots":[    {"type":"Dimension","name":"Meter"},    {"type":"Dimension","name":"ResourceType"},    {"type":"Dimension","name":"ResourceId"}   ] }

ビューの構成のしくみを理解すれば、以下が可能です。

  1. ユーザーが使用するアプリからコスト分析へリンク
  2. ARM デプロイメント テンプレートを使用したカスタム ダッシュボードを構築、作成を自動化
  3. クエリ プロパティをコピーして、メイン チャート (テーブル形式のビューの場合はテーブル) の表示に使用したデータと同じデータを取得

近日中にビューの構成について詳しくお伝えする予定ですので、最新情報にご注目ください。

 

ドキュメントの更新

多数のドキュメントを更新しました。ユーザーの関心の高そうなものをいくつかご案内します。

ドキュメントの更新をすべてチェックしたい場合は、GitHub の Azure ドキュメント リポジトリの Cost Management ドキュメントの変更履歴 (英語) をご確認ください。足りない情報がある場合は、ドキュメント上部の [編集] をクリックして、プル リクエストをお送りください。

今後について

今回ご紹介したものは、先月から大きく更新された機能のほんの一部です。マイクロソフトは常に皆様からのフィードバックに耳を傾け、改善を続けています。ぜひ今後もフィードバック フォーラム (英語) までお寄せください。

最新情報、ヒントやテクニックなどは、Twitter の @AzureCostMgmt をチェックしていください。