Microsoft Azure IoT Connector for FHIR のプレビューを開始

2020年7月16日 に投稿済み

General Manager, Microsoft Healthcare

このたび、マイクロソフトは、Azure API for FHIR のフル マネージド機能である Azure IoT Connector for FHIR のプレビューをリリースしました。このコネクタは、スケーラブルなエンドツーエンドのパイプラインを実現するテクノロジにより、FHIR® API のセキュリティに基づいて、デバイスの保護対象医療情報 (PHI) データの取り込み、変換、管理を医療チームが行えるようにします。

遠隔医療とリモート監視。医療提供で長く論じられてきたテーマです。ここ数年の間に、一部の医療分野では目標とするユース ケースが作られましたが、複数のデバイスとスキーマにまたがるスケーラブルな遠隔医療プラットフォームの利用可能性が障壁となっていました。さらに、この数か月で COVID-19 が議論を加速させました。医療チームのためにセキュアでスケーラブルな方法を見つけ出し、リモート監視プラットフォームを提供し、家庭で療養している患者に医療サービスを拡大することが急務となっています。

仮想設定の汎用ビデオ サービスとデータ転送を使用できる他のサービスとは異なり、遠隔医療による診察と医療のリモート監視では、保護対象医療情報 (PHI) を安全に管理できるデータ パイプラインを必要とします。真に効果的なものにするには、電子カルテ プラットフォームなどの既存の医療ソフトウェアとの相互運用性も考えて設計されたものでなければなりません。リモート監視のシナリオでは、プライバシー、セキュリティ、信頼できるデータ交換が必須条件です。医療分野のお客様が信頼できるエコシステムを確保できるように、マイクロソフトは Azure IoT Connector for FHIR などの FHIR ベースの医療テクノロジに積極的に投資しています。

医療のモノのインターネットを推進する FHIR

FHIR (高速ヘルスケア相互運用性リソース) は、セキュアでプライベートな医療データ交換における相互運用性の標準となっています。FHIR は、臨床データのオープン ソース フレームワークとして開始されました。しかし、採用が拡大したことで、増加する“医療のモノのインターネット” (IoMT) のデータを集約し、リモート監視シナリオで医療を展開するのに最適なテクノロジとなっています。

現在、リモートのデータ取り込みではデバイスに特化したプラットフォームを必要とすることが多く、新しいプロセスを追加するときや、患者が複数のデバイスを使用している場合は拡張が困難です。開発者は、独自のセキュアなパイプラインをゼロから構築する必要があります。マイクロソフトが提供するクラウド ベースの FHIR サービスの機能として Azure IoT Connector for FHIR が利用可能になったことで、医療分野の開発者は、IoT デバイスの PHI を安全に管理するように設計された取り込みパイプラインを迅速かつ容易に設定できるようになりました。Azure IoT Connector for FHIR は、取り込み層の生体認証データを中心に扱うため、デバイスからクラウドまたはクラウドからクラウドのワークストリームで接続することができます。Event Hub、Azure IoT Hub、Azure IoT Central のいずれかに医療データを送信可能で、 FHIR リソースに変換されます。医療チームは、IoT デバイスから取り込んだ患者データを FHIR のカルテという観点から見ることができます。

Azure IoT Connector for FHIR の主な特徴には、以下があります。

  • 接続しているデバイスから得た生体認証データ (血糖、心拍数、パルスオキシメトリなど) を FHIR リソースに変換
  • スケーラビリティとリアルタイムのデータ処理
  • Azure IoT ソリューションおよび Azure Stream Analytics とのシームレスな統合
  • ロールベースのアクセス制御 (RBAC) が可能にする Azure API for FHIR でのデバイス データの大規模なアクセス管理
  • データ フローを追跡する監査ログ
  • クラウドのコンプライアンスに関するヘルプ (ISO 27001:2013 認定、HIPAA および GDPR への対応、HITRUST 認定の Azure プラットフォーム上に構築)

 

Azure IoT Connector for FHIR を使用した、デバイスからの IoMT データの取り込み

マイクロソフトのお客様は次世代の医療をすでに導入

医療の提供は診察室の外へと変化を遂げており、新たな FHIR 対応テクノロジがマイクロソフトのお客様のエコシステムで IoT シナリオを推進しています。
すでに進行している優れたソリューションをいくつかご紹介します。

慢性疾患の治療を IoT と FHIR で変革する Humana の Conviva Care Centers

Humana の子会社である Conviva Care Centers は、高齢者を中心にした初期診療に従事し、この秋には Azure IoT Connector for FHIR を使用する予定です。というのも、同社は慢性疾患を抱えた患者のリモート監視プログラムを促進しているからです。自宅で体重と血圧を測定している、うっ血性心不全の患者は、医療チームとの容易なデータ共有を可能にする、新しいプラットフォームを利用できるようになります。体重計、血圧計カフなどの自宅内のデバイスから得たデータを Azure IoT Connector for FHIR を介して転送できます。医師と看護師に、セキュリティとプライバシーに優れたパイプラインで管理されるリアルタイムのデータを提供し、事前対応型の仮想タッチポイントになっています。Humana の柔軟なリモート監視プラットフォームは、患者が外来診療の間に必要とするサポートを提供するだけでなく、患者中心の医療の未来も促進します。

「Azure IoT Connector for FHIR を使用すれば、慢性疾患を抱えた患者に遠隔医療の新たな道を拓くことができます。自宅のデバイスからリアルタイムに受信するデータに基づいて診断できるので、患者ケアの質と適時性を高める革新的な方法となるでしょう」—Marc Willard 氏、Humana のデジタル医療/分析担当シニア バイス プレジデント

Sensoria Health の Motus Smart, powered by Sensoria は、糖尿病のリハビリをリモート監視で可能にする新たな基準を確立

Motus Smart, powered by Sensoria は、定量化された患者の指示順守と活動データをリモートで監視する最先端のデバイスです。このデバイスを使用すると、糖尿病性足潰瘍の患者を管理して、足切断のリスクを減らすことができます。Sensoria は Azure IoT Connector for FHIR を展開して、Motus デバイスから患者、医師、その他の医療関係者への安全性の高いデータ交換を実現しました。Rancho Los Amigos National Rehabilitation Center の臨床医は、エンタープライズ クラスのアプリケーションを使用してリアルタイム データを確認し、先を見越した患者のケアを施し、適切な治療を妨げるおそれのある問題に対処しています。

慢性疾患の管理に役立つ、Centene の接続された医療データ プラットフォーム

Centene は Azure IoT Connector for FHIR を使用して、ウェアラブルなどの医療機器の急増で拡大を続ける、個人の生体認証データの管理強化に取り組んでいます。同社はこのコネクタを活用して、ほぼリアルタイムの監視とアラートを使用することを検討しています。これは、メンバーの健康を改善する、自分の体をもっと大切にする、ケア管理スタッフを実用的な洞察で支援し、Centene がサービスを提供するコミュニティの健康を改善するという全体的な優先事項の一環をなすものです。将来的には、Centene はこのコネクタを使用して、うっ血性心不全、糖尿病、高血圧などの慢性疾患を監視、管理したいと考えています。マイクロソフトのスケーラブルなオープン プラットフォームを利用することで、Centene は Centene Health Plan のメンバーが治療結果を改善できるようにさらに進展を遂げることができます。

詳細情報と利用開始

お客様が FHIR テクノロジを使用して、変革をもたらす医療を採用、提供していることをうれしく思います。新しい FHIR ベースのツールとの相互運用性の障壁がなくなったことで、医療をどのように発展させていくのかという将来のビジョンが明らかになりつつあります。この将来像は示唆に富んでいます。

マイクロソフトは、FHIR エコシステムのツールを拡張して IoT パイプラインを取り込んでいるため、お客様は使いやすい、相互接続されたツールで責任を持って患者の医療データを管理できます。臨床アプリケーションや分析エンジンを構築する場合でも、遠隔医療とリモート監視を備えた人工知能 (AI) を開発する場合でも、セキュリティを念頭に置いた PHI データのパイプラインを使用することが重要です。Azure IoT Connector for FHIR と Azure API for FHIR について確認し、今すぐ始めましょう。

Microsoft Cloud for Healthcare (英語) の詳細を確認してください。医療業界のお客様とパートナー様に固有の堅牢なクラウド機能を備えた FHIR ツールなど、マイクロソフトの統合機能がここに集結しています。Microsoft Cloud for Healthcare は患者エンゲージメントを強化し、医療チームをつないで、コラボレーション、意思決定、運用効率を高めます。

 

FHIR® は HL7 の登録商標であり、HL7 の許可を得て使用しています。