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クラウド移行とは

クラウド間移行やデータセンター移行をはじめとする、さまざまな種類の移行について学びましょう。クラウド移行に関するさまざまなトピックについての学習リソースもご紹介します。

クラウド移行の定義

クラウド移行とは、アプリケーションやデータをある場所 (多くの場合は企業のプライベートなオンサイト ("オンプレミス") のサーバー) からパブリック クラウド プロバイダーのサーバーに移行するプロセスですが、異なるクラウド間のこともあります。クラウド移行の主なメリットとしては、IT コストの縮小やパフォーマンスの向上がありますが、セキュリティや利便性などの点でも有利です。

ここでは、主な移行の種類、一般的なメリットと課題、アプリケーションとデータをクラウドに移行する方法、および 3 つの主要なマネージド サービス モデル IaaS、SaaS、PaaS について学ぶことができます。

クラウド移行の種類

ほとんどの移行での主要な技術的要素は次の 2 つです。
 

1. 移行されるリソース (つまり "ワークロード") の種類
 

2. 移行先の場所
 

このセクションでは、最も一般的な移行シナリオのいくつかを説明するとともに、さまざまな移行プロセス、ベスト プラクティス、ビジネス上の考慮事項の概要を紹介します。

データセンター移行

データセンター移行とは、データをオンプレミスのサーバーやメインフレーム (多くの場合は組織のオフィスのサーバー ルームに収容されています) からクラウド プロバイダーのサーバー (収容されている建物は一般的に非常に大きく、厳重に警備され、専門の担当者が管理しています) に移動するプロセスのことです。

大容量ネットワークは、データセンターのリソースをクラウドに移動するときの最も一般的な手段ですが、強力なネットワークが利用できない場合でもリソースの移行は可能です。具体的には、そのリソースを大容量のディスクや "データ ボックス" に移してから、物理的にクラウド プロバイダーまで運び、そのサーバーにアップロードします。

ハイブリッド クラウド移行

多くの組織が、保有するリソースをオンプレミスのデータセンターに残して、その一部だけをクラウドに移す "ハイブリッド クラウド" を選んでいます。ハイブリッド クラウドの利点としては、既存のオンプレミス データセンター設備の価値を最大化できることに加えて、特定の業種の組織が業種や政府のコンプライアンス要件を満たせることが挙げられます。

ハイブリッド クラウドは、クラウド間バックアップにも効果を発揮します。これはディザスター リカバリー ソリューションの 1 つとしてオンプレミスのデータをパブリック クラウド上でバックアップしておくことであり、オンプレミスのデータセンターが火災や水害、犯罪などで運用不可能になった場合に備えることができます。(この場合に "クラウド間" と呼ばれるのは、オンプレミスのデータセンターが "プライベート クラウド" とも呼ばれるからです。)

クラウド間移行

クラウド コンピューティングが一般的になった現在では、多くの組織が複数のクラウドを利用しており (多くの場合は合併と買収が理由です)、時にはリソースがパブリック クラウド間で移動されることもありますが、これに使用されるのがクラウド間移行です。この種類の移行は、組織がさまざまなクラウド プラットフォームの製品、サービス、価格を有効活用したい場合にも有益です。

複数のクラウドを横断するリソース管理は難しいと思われるかもしれませんが、一元管理ツールを使用すると、すべてを 1 つの場所から手軽に管理することができます。

アプリケーション、データベース、メインフレームの移行

Linux、 SAP、 SQL Server、 Windows Server は、移行されることが多いワークロードの代表的なものです。メインフレーム移行に関しては、IBM と Unisys の 2 つが最もよく使用されています。

このようなワークロードのクラウド移行の一般的なメリットとしては、コストの低下、パフォーマンスの高速化と信頼性の向上、クラウドベースの開発ツールや API へのアクセス、より強固なセキュリティに加えて、新たな機器の購入、設置、保守は不要で処理能力を増減できることが挙げられます。

このようなワークロードは、変更を加えずに移行することも多くの場合は可能ですが ("リフト アンド シフト" 移行と呼ばれます)、クラウド上でのパフォーマンスと信頼性を最適化できるようにワークロードを更新すること ("リファクタリング" ともいいます) にはメリットがあります。

さまざまなワークロードの移行方法については、リソース セクションをご覧ください。  

マネージド サービス モデル

クラウド移行について調べていると、IaaS、PaaS、SaaS という用語を目にすることがあるでしょう。これらの用語は、多数の技術およびクラウド プロバイダーを通じて提供されている、それぞれ異なるレベルのマネージド サービスを指しています。

Different levels of managed services

IaaS (サービスとしてのインフラストラクチャ) では、需要の変化に応じて迅速にスケールアップまたはダウンすることができ、使用した分だけについて支払うことができます。所有する物理サーバーやその他のデータセンター インフラストラクチャの購入と管理の支出と複雑さを回避するのに役立ちます。

PaaS (サービスとしてのプラットフォーム) には、IaaS の利点に加えて、マネージド開発者ツール、データベース、ビジネス アナリティクス、オペレーティング システムが含まれます。開発コストを縮小して開発時間を短縮するのに最適です。

SaaS (サービスとしてのソフトウェア) には IaaS と PaaS が含まれ、さらにアプリのホスティングという利便性が加わっているため、ユーザーはクラウドベースのアプリ (メールやオフィス アプリなど) にインターネットを介して接続して利用することができます。

クラウド移行のステージ

ワークロードを移行してクラウド構成を作成するための技術的プロセスとベスト プラクティスはさまざまなものがありますが、すべてのクラウド移行が従う基本的なステージは同じであり、具体的には次の 6 つです。

戦略の定義

移行の業務上の正当な理由と、期待されるアウトカムを定義します。

計画

目指しているビジネス アウトカムに整合するようにクラウド移行計画 を作成します。 

準備

オンプレミスとクラウドの環境を移行に向けて準備します。

移行

ワークロードをクラウド環境に移動します。

ガバナンス

クラウド環境とワークロードのセキュリティとコスト ガバナンスのベスト プラクティスの基準を作成し、実施します。

管理

実証済みの手法を使用してクラウド ソリューションを継続的に管理します。

クラウド移行の利点と課題

クラウド移行の利点として最も一般的なものは次のとおりです。

コストの最適化

コスト面でワークロードを最適化できるだけでなく、機器やメンテナンス、不動産のコストも大幅に削減できます。

柔軟性とスケーラビリティ

必要なコンピューティング リソースだけを必要なときにオンデマンドで利用できるので、使用していない機器についての支払いは不要です。また、グローバルに展開しているクラウド プラットフォームを利用すると、ワークロードの顧客に近い場所でワークロードを実行してより良いパフォーマンスを実現することができます。

セキュリティの強化

パブリック クラウドでは、プラットフォーム レベルでセキュリティが組み込まれており、さまざまな専用セキュリティ ツールも提供されているため、データとアプリケーションをより簡単に保護することができます。多くの場合は、セキュリティ修正プログラムがクラウド プロバイダーによって自動的に適用されます。

コンプライアンス

金融、医療、政府機関などの規制が厳しい業種のために、クラウド プラットフォームの中にはコンプライアンス要件を満たすのに役立つ専用オファリングを提供しているものもあります。

バックアップ、復旧、フェールオーバー

ほとんどのクラウド プロバイダーは、組み込みかつワンクリックのバックアップ復元機能を提供しており、これにはバックアップを別の地理的リージョンに保管する機能も含まれています。  

シンプルな管理と監視

クラウド プロバイダーが中央管理ツールを提供している場合は、データセンターとクラウド リソースを 1 つの画面で簡単に管理および監視することができます。

移行に関する最も一般的な課題は次のとおりです。

計画

個々のワークロードの移動はきわめて簡単ですが、大規模な移行を計画するときは、組織全体にわたる広範な計画が必要です。

コスト

クラウドへの移動の投資効果は短期的にも長期的にも期待できますが、移行の計画と実施にかかるコストを計算に入れることが重要です。

セキュリティとコンプライアンス

セキュリティとコンプライアンスに関して、クラウド プロバイダーからさまざまなオファリングが提供されていますが、自社のニーズに適した正しいソリューションを導入することは利用者の責任です。

ビジネスのダウンタイム

大量のデータであっても、クラウドへの移動はきわめて短時間で行うことができますが、移動中のダウンタイムを最小限に抑えるためには慎重な計画が必要です。

組織的な導入とトレーニング

IT プロフェッショナルと開発者は、既に身につけたスキルのほとんどをクラウドに応用できますが、それでもトレーニングが必要なスキルはあります。

移行パートナー/ベンダーの選択

組織内の人材だけでは移行の計画と実施の専門知識または処理能力が不足している場合に、パートナーは非常に貴重な存在ですが、適切なパートナーを選ぶには慎重な検討が必要です。

よく寄せられる質問

  • お客様のオンプレミスとクラウドのリソースすべてのための、コスト効果と安全性が高く管理しやすいバックアップを実装する方法を Azure Backup のページでご覧ください。

  • ほとんどの組織では、その答えは移行プロジェクトの規模と複雑さ、および内部の IT の能力によって決まります。Azure のさまざまなリソース、ツール、トレーニング、ガイダンスは、移行を社内の人材だけで行う場合も、パートナーの支援を得て行う場合もご利用いただけます。

    • 何から始めればよいかわからないという場合は、無料の Azure 移行プログラムへの参加をおすすめします。カスタマイズされた推奨事項、Azure エキスパートとの電話相談、キュレーションされたリソース、パートナーからの推奨事項を利用できます。 
    • 移行全体またはその一部をお客様自身で実施したいという場合は、Azure のクラウド移行のリソースのページをご覧ください。一般的なシナリオとワークロードのための移行ビデオ、ウェビナー、シナリオ ガイド、学習リソースをご用意しています。 
  • クラウド移行を実施するときは、移行を成功させるために IT プロフェッショナルが新しいスキルを身につけることが必要になる可能性があります。そのようなスキルは、適切なトレーニング リソースを使用して短時間で簡単に得ることができます。Azure では、お客様の組織がクラウド テクノロジをスムーズに導入するのに役立つスキルと自信を得られるように、多数のトレーニング、コース、モジュール、認定資格をご用意しています。 詳細については、こちらをご覧ください

  • Azure の移行に関するリソース

Azure 移行およびモダン化プログラム

クラウドへの行程の各ステージについて、キュレーションされたリソースとエキスパートによるヘルプを利用できます。

Azure のイベントとウェビナー

デジタルまたは対面で、新しいスキルを習得し、新しいテクノロジを知り、コミュニティとつながることができます。

Azure Migrate

オンプレミスの VM を検出、評価、ライトサイジングして Azure に移行します。

アプリの移行

ミッションクリティカルな Web アプリをすばやく作成して大規模にデプロイします。

Windows Server の移行

Windows Server のワークロード移行を、既によく知っているツールを使って行うことができます。

SQL Server の移行

コードの変更はほぼ不要で SQL Server データベースを Azure に移動できます。

Linux 移行

実績のあるツールを使用して Linux のワークロードを Azure に移行します。

メインフレーム移行

メインフレームとミッドレンジのアプリケーションをクラウドに移動します。

Azure Backup

ワンクリックのクラウド間バックアップでデータ保護をシンプルにします。

Azure Arc

Azure のサービスと管理を、どのインフラストラクチャでも利用できるようになります。

Azure Data Box

Azure やエッジ コンピューティングにデータを転送するためのアプライアンスとソリューションです。

Microsoft Cost Management

クラウド支出の管理を、自信を持って行うことができます。

Azure SQL

常に最新の SQL をクラウドで実行でき、アプリケーション移行の選択肢も柔軟です。

Azure ハイブリッド特典

Windows と SQL Server のための最高のクラウドにワークロードを移行して、高いコスト効果を得ることができます。

Azure Expert Assessment

認定を受けた Azure エキスパートによる移行の評価を無料で行います。

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