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デスクトップ モニターを一緒に見ている 2 人の仕事仲間

アプリケーションのモダン化とは

ビジネス ニーズに合わせるために、現在のアプリとデータを更新してクラウドファースト モデルにするプロセスです。これにはクラウドへの移行が含まれる場合があります。

モダン化の意味とは

モダン化とは、組織のプロセス、システム、ツールを最も新しいバージョンまたはベスト プラクティスに更新することです。クラウド コンピューティングのコンテキストにおいては、モダン化とは組織のアプリケーション、プロセス、およびデータ管理をクラウドファーストのアプローチに移行するプロセスです。目標は、組織的および技術的なパフォーマンスを向上させ、顧客と従業員のエクスペリエンスの質を高め、新しいオファリングや更新プログラムの市場投入までの時間を短縮することです。

4 人の人が会議をしており、室内に表示されている Teams 通話を介して他の人々がリモートで参加しています
オフィスで仕事をしている人々と歩き回っている人々

アプリケーションのモダン化とは

アプリケーションのモダン化は、組織の既存のアプリを更新してクラウドファースト モデルにするプロセスであり、レガシ モダン化と呼ばれることもあります。組織がオンプレミスのアプリを使用している場合は、そのアプリをパブリック、プライベート、またはハイブリッドのクラウドに移行することもモダン化に含まれる可能性があります。一般的にモダン化されたアプリとデータには、次のものがあります。

  • .NET アプリ
  • Linux Web アプリ
  • Java アプリ
  • SAP アプリ
  • SQL データベース

組織の現在のソフトウェア システムとプログラムは、最初に実装されたときは問題なかったとしても、最新の (または将来の) テクノロジに歩調を合わせることができない場合があります。この課題に取り組むためのアプローチの 1 つは、一からやり直すこと、つまり現在入手可能な最新のテクノロジ スタックと共に動作する新しいアプリを構築するか購入することです (最も新しいスタックは常に進化していますが、近年のモダン化の推進要因としては、新しいセキュリティのベスト プラクティスやスケーラビリティの要件に加えて、AI、仮想化、IoT、コンテナーにおける進歩などがあります)。ただし、この方法はコストと時間の両方がかかる可能性があります。そして、課題が解消されるわけではありません。最も新しいアプリでも、そのテクノロジ エコシステムの速さに追いつけないこともあります。

まったく新しいアプリを構築して一からやり直す代わりに、組織が既に所有しているアプリをモダン化することができます。  ここでもう 1 つ指摘しておきたいのは、アプリのモダン化のアプローチをいくつかのステージに分けることが多くの場合は可能であり、そのほうが現実的であることです。たとえば、多くの組織は手始めとしてアプリをオンプレミスのデータセンターからクラウドに "リフト アンド シフト" 移行で移動していますが、これでクラウド コンピューティングの最も基本的な利点をすぐに手にすることができます。ここから、より高度なモダン化手法に進むことができます。たとえば、新しい機能やベスト プラクティスを採用するためにアプリの一部分または全体を再構築します。

アプリのモダン化の利点とは

  • イノベーションと市場投入までの時間の短縮。アプリとインフラストラクチャの保守に多くの時間とリソースをつぎ込む必要がなくなれば、より多くの時間をイノベーションに費やすことができます。クラウドベースのツールとサービスによって、開発プロセスがさらに効率化されるため、結果として市場投入までの時間が短縮されます。
  • セキュリティと信頼性。クラウドファーストのアプローチを取る組織は、組み込みの更新とセキュリティの機能を使用してワークロードを安全に守ることができます。その他の組み込み機能としてはタスクの自動化があり、高可用性、ディザスター リカバリー、バックアップ、パフォーマンス監視などの重要なタスクに利用できます。
  • 互換性とアジリティ。アプリのモダン化の利点は、アプリが現在の最新のテクノロジとの組み合わせで動作できるだけでなく、テクノロジが進化しても引き続き動作できるようになることです。このようなシームレス性があるため、現在そして将来のビジネス ニーズを満たすためのすばやい更新と変更が可能になります。また、自動スケーリングも可能になるため、アプリは需要が急激に増加したときでも正常に動作を続けることができ、需要が急激に減少したときは即座にコストを縮小することができます。
  • 効率。周到な計画を立てて行うと、既存のアプリのモダン化はまったく新規に作成するよりも簡単です。こうすることで、組織は新しいものに時間と資金をつぎ込む代わりに既存の投資を活用することができます。アプリのモダン化は、まったく新しいアプリを既存のオペレーションに加える場合と比較して、現在の多数のプロセスを保持するとともにビジネス継続性を維持するのにも役立ちます。

アプリケーションのモダン化のステップと戦略

モダン化の柱

アプリのモダン化を成功に導くためのステップと戦略は、組織のゴールのフレームワークをサポートするものでなければなりません。たとえば、Azure Well-Architected Framework には組織のゴールに向けた次の 5 つのアーキテクチャの柱がありますが、これらはアプリのモダン化にも使用できます。

  • 信頼性: システムが障害から復旧して機能を継続する能力。
  • セキュリティ: アプリケーションとデータを脅威から保護すること。
  • コストの最適化: 得られる価値が最大となるようにコストを管理すること。
  • オペレーショナル エクセレンス: システムの本稼働を続けるための運用プロセス。
  • パフォーマンス効率: 負荷の変化に適応するシステムの能力。
会議室内に座っている人々と立っている人々

アプリのモダン化のステップ

組織のアプリをモダン化するプロセスは、大きく分けて 3 つのステップとして定義できます。

  1. 計画。この最初のステップでは、組織のアプリ モダン化のゴールについて慎重に考えて戦略を定義する必要があり、いかなるアクションもこれが終わるまでは実行されません。 このときに、変更に備えて既存のアプリと環境を検出して評価します。
  2. 実装。このステップでは、組織が新しいスキルを構築して反復方式でアプリのモダン化を開始します。反復型のモダン化アプローチを取る組織は、プロジェクトのスコープや戦略を必要に応じて柔軟に変更できます。
  3. 運用。アプリのモダン化は、一度やれば終わりというものではありません。クラウドファーストのアプローチに移行した組織は、クラウド プラットフォームのサービスとツールを利用してアプリのセキュリティ保護、ガバナンス、管理、最適化を行うことができます。

アプリのモダン化の戦略

これらの戦略はそれぞれ、組織のモダン化のゴールと、アプリ自体に対するコード変更の必要性が異なります。アプリのモダン化の戦略は、計画のステップで定義されて、実装のステップで実施されます。

タブレットでデータを見ている人々
リホスト。"リフト アンド シフト" と呼ばれることもある、このモダン化戦略は速度が特徴ですが、その理由は実質的にコードの変更を必要としないからです。組織の以前の環境にあるアプリをそのまま、現在の環境に移します。
リプラットフォーム。このアプローチは、リホストとリファクタリングの中間です。リプラットフォームの場合は、アプリをクラウド テクノロジと共に使用できるようにするためにコードに変更を加えます。
リファクター (または再パッケージ化)。リファクタリングでは、速度に加えて生産性が優先されます。この戦略では、アプリが簡単にクラウドファースト環境に接続してこの環境を最大限に活用できるようにするための、最小限のコード変更のみが必要になります。
リアーキテクト。クラウドのスケーラビリティを必要とする組織には、リアーキテクトが適切なアプローチとなる可能性があります。リアーキテクトでは、クラウドでのスケーリングをしやすいようにアプリの機能とコードに変更が加えられて拡張されます。
リビルド (またはリライト)。クラウド ソリューションを使用してアプリを作り直す場合は、リビルドが指摘な選択肢となることもあります。これは重い "リフト" ですが、既存のアプリの機能または寿命が限られている場合は不可欠となることがあります。
リプレース。アプリをリビルドしても現在または将来のビジネス ニーズを満たすことができない場合は、既製のソリューションでの置き換え (リプレース) が必要になる可能性があります。このアプローチはリビルドよりも速く、貴重な開発リソースを解放できます。ただし、アプリのリプレースによって課題が生じる可能性があります。たとえば、ビジネス プロセスが中断されることや、将来のモダン化イニシアティブが限定されることです。
机に向かい、ノート PC と 2 台のデスクトップ モニターを使って Azure での作業をしている人

アプリ開発プロセスのモダン化

アプリ自体のモダン化に加えて、どの組織においてもその長期的な戦略に欠かせない要素の 1 つがアプリ開発へのアプローチ ("開発者ベロシティ" とも呼ばれます) のモダン化です。これに含まれるのは開発者チームのツールとプロセスのモダン化であり、その目的は生産性、コラボレーション、作業品質を最大化することです。組織の開発者ベロシティを評価して向上させるのに役立つツール、アナリスト調査結果、その他のリソースをご覧ください。

ツールとサービス

組織のアプリケーションのモダン化には、さまざまな方法があります。組織の IT 資産の最適化をサポートするテクノロジは、次のようなものがあります。

クラウド コンピューティング

インターネット ベースのクラウド サービスを利用すると、アプリケーションのパフォーマンス、効率、スケールを向上させることができます。

コンテナー

アプリケーション コードをひとまとめにしたソフトウェア パッケージであり、これを利用すると複数の環境にわたるシームレスなデプロイが可能になります。

マイクロサービス

このアーキテクチャ アプローチでは、中核的機能のそれぞれ (サービスとも呼ばれます) を独立して開発できるため、アプリケーション開発のアジリティが向上します。

自動化

サードパーティのサービスを利用して一般的なタスクを自動的に実行することは、アプリケーションのデプロイ、管理、診断を最適化するのに役立ちます。

AI と機械学習

インテリジェントなサービスとソリューションは、会社のアプリケーションとデータからより豊富なインサイトを見つけ出すのに役立ちます。

アプリケーションのモダン化のサービス

企業がアプリケーション開発を加速し、顧客と従業員のエクスペリエンスを向上させ、アプリケーションのセキュリティと信頼性を高めるのに役立つフル マネージド サービスをご紹介します。

Azure Cosmos DB
Azure Monitor
Azure Virtual Desktop
Azure API Management
Azure DevOps
Azure Spring Apps
Azure VMware Solution
Azure App Service
Azure Kubernetes Service (AKS)
Azure SQL Database
Azure Web Application Firewall
Azure Arc
Azure Machine Learning
Azure SQL Managed Instance
Personalizer

アプリケーションのモダン化のツール

既存の IT システムのモダン化は、最初は難しく感じるかもしれません。しかし、組織のテクノロジへの投資を更新したいという場合に、それを自分たちだけで達成しようとする必要はありません。クラウド プロバイダーからは、エンタープライズ企業のシステム更新に役立つ多数の評価ツール、方法論、プログラムが提供されています。

ヘッドセットを装着し、微笑んでいる人

たとえば、Microsoft Azure ではエンタープライズ企業が自身のペースでモダン化を始めるのに役立つ次のようなリソースが提供されています。

電子書籍: Microsoft Azure を使用したクラウド移行およびモダン化

移行とモダン化に関する分析情報、戦略、および実際に始めるためのヒントの概要です。

Azure Migrate

Azure の移行ツールが集められており、ほぼどのようなモダン化シナリオにも対応できます。

Azure 移行およびモダン化プログラム

エキスパートの支援、技術トレーニング、リソースを利用してエンタープライズ企業が自信を持ってクラウド環境を設定することができます。

Azure 向けの Microsoft クラウド導入フレームワーク

クラウド導入を加速するように設計された、実績のあるドキュメント、ガイダンス、ベスト プラクティス、ツールのコレクションです。

Azure App Service 移行ツール

企業の Web アプリをすばやく評価して Azure に移行するのに役立つ無料の直感的なツールです。

ドキュメント: ASP.NET アプリのコンテナー化と Azure App Service への移行

Azure Migrate App Containerization ツールを使用して ASP.NET アプリをコンテナー化し、Azure に移行する方法をステップ バイ ステップで説明するガイダンスです。

戦略的な移行評価と準備ツール (SMART)

企業のアプリケーションを Azure に移行する準備がどの程度できているかを判断するのに役立つ評価ツールです。

アプリケーションとデータのモダン化準備ツール

企業のアプリとデータのモダン化に向けたビジネス戦略を評価するのに役立つツールです。

よくあるご質問

  • アプリケーションのモダン化を通じて、組織のアプリがクラウドファースト モデルに移行されます。オンプレミス アプリが使用されている場合は、その移行がこれに含まれることがあります。

  • "レガシ モダン化" は "アプリケーションのモダン化" の別の呼び方です。ただし、古いアプリと新しいアプリの両方をクラウド テクノロジでモダン化すると、より高いアジリティ、安定性、イノベーションを達成することができます。

  • アプリケーションのモダン化には、アプリ自体と、そのアプリをモダン化する組織の両方にとってさまざまな利点があります。主な利点としては、効率の向上、クラウド テクノロジとの互換性、セキュリティの向上、可用性の向上、市場投入までの時間の短縮があります。

  • アプリケーションのモダン化のステップは大きく分けて計画、実装、運用の 3 つです。 計画ではモダン化戦略を定義します。 実装ではスキルの構築とアプリのモダン化を行います。 運用では継続的なガバナンス、管理、最適化を行います。

  • アプリのモダン化の戦略は、組織のモダン化のゴールをサポートするように立てる必要があります。Azure Well-Architected フレームワークでは、このゴールに向けた 5 つの柱として信頼性、セキュリティ、コストの最適化、オペレーショナル エクセレンス、パフォーマンス効率が規定されています。

    4 つの広範なモダン化戦略があり、組織のアプリに対して加えるコード変更のレベルがそれぞれ異なります。 リホストでは、アプリをそのまま古い環境から新しい環境に移動します。 リプラットフォームでは、アプリをクラウドに接続するためにある程度のコード変更を行います。リファクタリングでも同様に、アプリがクラウドファースト環境を最大限に活用できるようにするためにある程度のコード変更が必要になります。 リアーキテクトでは、クラウドのスケーラビリティに対応できるようにアプリに大幅な変更を加えます。 リビルドでは、クラウドネイティブのソリューションを使用してアプリを作り直す必要があります。 リプレースでは、現在のビジネス ニーズを満たすために、組織のアプリをまったく別のものと入れ替えます。

  • 組織のニーズに応じて、さまざまなアプリケーション モダン化ツールとサービスを利用できます。たとえば、クラウドにアプリやデータを取り込むことで、組織がコストを最適化し、自信を持って運用し、機能をより迅速に出荷したいと考えている場合、Azure App Service のようなフル マネージド サービスが適している可能性があります。