Azure Maps Creator のプレビュー版が利用可能に

2020年6月1日 に投稿済み

Senior Program Manager, Azure Maps

企業がデジタル変革を推し進めるにつれ、Azure Maps のコンテンツに、場所に関するプロジェクト特有の情報やプライベートな業務上の情報を補う必要が生じています。Microsoft は本日、場所に関するインテリジェンスを屋内空間にまで拡張する、Azure Maps Creator プレビュー版を発表します。

企業は、Azure Maps の機能を使用して業務を最適化し、位置情報サービスや地図サービスを活用して事業戦略を変革できます。IoT を原動力とするシステムによって、これまでになかったような新しくより正確なデータが提供されるため、位置情報に関するデータから得られる知見を活用するための新しい手法を定義することが必要不可欠になっています。企業は Creator に含まれる一連の新しい機能を活用することで、屋内マップを安全に作成して使用することができるようになります。この屋内マップは、空間内で新しいイベントが発生するたびに動的に変化します。データは Azure Maps を改善するために使用されることはなく、お客様は作成されたマップ コンテンツを所有し、完全に管理できます。これには、Azure Maps の認証および認可のオプションを使用して、アクセスをセキュリティで保護する方法を定義することも含まれます。施設管理、居住者やゲストのためのエクスペリエンス、業務効率化ツールなどのために、オフィス、店、工場、病院など、事実上あらゆる屋内空間を対象に一般向けまたは認証されたユーザー向けのソリューションを構築することができます。

Azrure Maps が提供する SDK を使用すると、位置情報サービスや地図サービスを含む Web アプリケーションやモバイル アプリケーションを簡単に構築できます。Creator は、既存の Azure Maps の機能と十分に統合されています。同じスキル セットや開発ツールを使用することで、ソリューションでは屋内のマップや分析情報と、道、交通情報、モビリティ、天気などの屋外の Azure Maps サービスと組み合わせることができます。

屋内マップを作成する

屋内マップの作成とメンテナンスには、既存のデータを活用することができます。建設や改装の段階における設計やエンジニアリングの作業には、コンピュータ支援設計 (CAD) ツールで作成された間取り図が使用されます。Creator は変換サービスを提供しているため、開発者はこれらの CAD ベースの間取り図をアップロードしてマップ データに変換し、さらに他の詳細を追加してデータを強化することができます。たとえば、カメラや Wi-Fi の信号が届くエリアを示す論理的な空間を作成したり、プリンターや消火器を見つけられるように備品の場所を追加したりできます。企業の敷地や病院のように複数の建物を含むマップを作成して、地理的な情報を使用して建物同士の位置関係を示したり、ある建物から他の建物までのルート指定などの役立つ機能を簡単に追加したりできます。

いくつかの家具などを含む、詳細な屋内マップ。

Microsoft は、専門的なサービスや補完的なテクノロジを提供するパートナーのエコシステムを構築して、役立つ屋内マップ データを簡単に収集して処理できるようにすることを目指しています。Creator の機能をいち早く取り入れたパートナーの 1 例は、Archidata です。Archidata には、建築関連ドキュメントをアップグレードするためのツールやプロセスの開発に関する 25 年の経験があり、不動産業界の顧客が、容易にかつ低費用でテクノロジの進歩と同じペースで成長できるように助けています。Archidata は、顧客の建築計画を、AutoCAD 図面、PDF、スキャンされた紙の計画書、Revit モデルなどを含む任意のドキュメント フォーマットから変換し、Azure Maps Drawing パッケージ要件を満たせるようにするための機能を開発しました。

屋内マップの実例

屋内マップは、マップの視覚化、IoT、位置情報分析を活用して、多くのシナリオで使用することができます。Azure Maps SDK は専用の Indoor モジュールで強化されており、SDK が提供する多数の高度な機能により、屋内のエクスペリエンスを提供するアプリケーションを簡単に拡張できます。

屋内マップの視覚化は、意思決定を行うための直感的な方法を提供します。空港内の店やゲート、工場の製造ラインの警報機を探したり、会議室を予約したり、スペースの利用傾向や状況を表示したりするためなどに使用できます。屋内マップの視覚化は Azure Maps Render サービスによって実現され、最適化されたベクトル タイルセットを活用します。マップ上の空間や要素それぞれにはスタイルが適用されるため、魅力的なマップをすばやく提供することができます。ライブ データによって定義されるマップ スタイルを反映するアプリケーションが必要な場合、たとえば、Azure Digital Twins を使用して様々なエリアの温度や人数を IoT デバイスで追跡しているなら、Feature State サービスを使用してアプリケーションで最新の測定結果を視覚化し、動的なマップ スタイル設定を行うことができます。

間取り図 (左) と、現在の室温データを反映したマップ (右)

Web Feature Service (WFS) を使用している場合は、屋内マップ データを使用して空間的なクエリを実行し、知りたい特定のエリアや場所の名称などの他の条件に基づいて、部屋や備品などを見つけることができます。取得した情報は、知りたい場所をマップ上で視覚化するためだけではなく、分析や他のシステムとの統合にも使用することができます。たとえば、屋内マップの空間データは、Azure Maps Geofence API などの他の機能からアクセスおよび使用することができます。WFS が提供する優れた機能的な価値に加えて、このサービスは フィーチャー向け Open Geospatial Consortium API 標準 に準拠しているため、自分のソリューションに、他の商用およびオープンソースの地理空間関連製品との高い相互運用性を持たせることができます。

屋内空間を表示する機能があるならば、マップ上のオブジェクトの移動をリアルタイムで確認したいと思うのは自然なことでしょう。建物の中では GPS の信号が弱まるため、多くのデバイスでは位置を把握できないことが挑戦となっていました。これを解決するために、次の Windows のリリースでは、新しい Wi-Fi ベースの屋内位置情報ソリューションが 位置情報 API に組み込まれます。それが展開されると、IT 部門がその機能を使用して、なくしたラップトップを探したり、従業員が建物内の屋内マップ上でライブ ナビゲーションを使用したりできるようになります。Azure Maps は、プロジェクトに適した位置特定テクノロジを開発者に選択させる方法は採用していません。Windows は屋内の位置特定機能を OS に組み込むために Wi-Fi 関連のエンタープライズ パートナーと協力していますが、開発者自身も、HoloLens、iOS、Android デバイスからアクセスできる Azure Spatial Anchors を使用してクロスプラットフォームの複合現実ソリューションを構築することができます。屋内での位置を追跡するアプリケーションは、Azure Maps を活用して、複合現実アプリケーションにさらに分析情報を加えたり (部屋の特性や狭い範囲内にある複数のデバイスなど)、Azure Maps Spatial サービスなどを使用して作成された自動処理をトリガーしたりできます。Azure Maps では、同じ IoT イベントや基になるサービスを活用して空間の分析を提供できるため、屋内にとどまらないユーザー エクスペリエンスを実現することができます。

革新的な屋内 GPS および分析プラットフォームである SIRL (Sirl.io) は、Azure Maps Creator が提供する精密な屋内オブジェクト マッピングにより、訪問者やスタッフが使用するモバイル デバイスの位置を 30 cm (12 インチ) の正確さで特定して通信することができます。SIRL は現在、ニューヨーク大都市圏の Fairway Market と協力して、Fariway の Mobile Checkout アプリにウェイファインディングや位置情報に基づくおすすめの機能を追加しています。さらに SIRL は、クラウドベースの分析ダッシュボードにより、販売に関する分析情報や最適化についての情報を、Fairway のカテゴリ マネージャーに提供しています。

Willow は、建物やインフラストラクチャなどの実物資産のデジタル ツインを作成するテクノロジ企業です。Willow のデジタル ツインは、地理空間データ、資産データ、メンテナンス データ、居住者データなどのサイロ化されたデータ セットを組み合わせて、実際の建築物のバーチャル レプリカを作成し、さらにそれにライブ情報を重ね合わせます。物理的な領域とデジタルの領域が融合していく中で、これは建築業界において新たに出現したテクノロジの分野です。Willow は Azure Maps を活用してユーザーに資産の正確な間取り図を提供しています。また、同社の地理情報システムにも Azure Maps を活用しています。

Willow の共同創設者で最高製品責任者を務める Dale Brett 氏は次のように語りました。「Azure Maps を Willow に統合することにより、オーナーやオペレーターにコンテキストについての分析情報を提供できます。Azure Maps は、空間的コンテキストを IoT に組み込む助けになっています。これにより、より効率的なメンテナンス活動を実施し、テナントの安全性やウェイファインディングを改善し、資産オーナーに複数拠点全体での透明性を提供することができています。」

Audax Labs は現在、Azure Maps チームと協力して、小売業界を対象に立体駐車場に関するソリューションを開発しています。同社は、Creator の機能を使用して、駐車のプロセスを合理化するためのプロトタイプを構築しました。顧客は到着予想時刻を計算して、駐車場の空きを見つけて予約することができます。
 

地図を活用する、ルートと駐車のエクスペリエンス

次のステップ

Azure Maps をさらに学び、モダンなソリューションを簡単に開発しましょう。