Cost Management, Management and Governance
Azure Cost Management と Billing の更新 – 2020 年 8 月
By Michael Flanakin Program Manager, Azure Cost Management
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新入生であっても、業績好調なスタートアップ企業や大手企業であっても、財務的な制約と無縁ではいられません。このため、支出の品目や支出先を把握し、今後の支出計画を立てる必要があります。誰しも請求額を見て驚くような事態は避けたいはずです。ここで出番となるのが Azure Cost Management と Billing です。
マイクロソフトは常に、ユーザーの皆様の課題について理解するよう努めています。Azure Cost Management と Billing を通じて、クラウドでコストが発生している場所の的確な把握、不適切な支出パターンの特定と防止、コストの最適化を促進し、ユーザーの皆様が少ないコストでより多くの成果を達成できるよう支援する方法を模索しています。皆様からお寄せいただいたフィードバックに基づいて、今回は以下のような最新の機能強化、更新を実施しました。
- エクスポートの詳細なスケジュール オプションの提供を開始
- 予約に関する推奨事項の詳細
- クイック修正による修復を利用したより迅速な推奨事項への対応
- Azure でコストを削減する新しい方法
- Azure の使用量データに対する今後の変更
- 新しいビデオと学習の機会
- ドキュメントの更新
それでは、順に詳しくご説明しましょう。
エクスポートの詳細なスケジュール オプションの提供を開始
多くの組織がコスト データを社内のツールやプロセスに統合しています。Cost Management には、その作業を Azure portal、Power BI、API、およびエクスポート機能を使って行うための手段がいくつか用意されています。使用状況に関する大規模なファイルを手動でダウンロードするか、UsageDetails API で今すぐ直接統合するのであれば、Cost Management のエクスポート機能の使用を検討してみてはいかがでしょうか。この機能を使えば、コストと使用状況のデータがストレージ アカウントに自動的に繰り返し送信されます。そしてこのたび、より詳細なスケジュール オプションによって、エクスポートがますます便利になりました。
以下は Cost Management のエクスポートの新機能です。
- 実際のコストと分散コストのいずれかを選択して、毎日の予約購入に関する情報や、それらの予約購入を利用する個々のリソースへの割り当て状況を確認できるようになりました。
- 過去 7 日間を対象とする週単位のエクスポート オプションが強化されました。
- 請求書の確定後の、過去 1 か月間を対象とする月単位のエクスポート オプションが強化されました。
- 毎日または毎週のエクスポートを実行するときに、希望の開始日を指定できるようになりました。これにより、ストレージ アカウント内でデータが利用可能になるタイミングをより細かく制御できます。
- 最大 3 か月分のデータを上限とする任意の日付範囲に対して、1 回限りのエクスポートをスケジュールできるようになりました。
詳細は、Cost Management のエクスポート機能についての Web ページを参照してください。
予約に関する推奨事項の詳細
Azure Advisor から Azure の予約に関する推奨事項が提示されることは既にご存じのことと思います。では、推奨される予約について購入エクスペリエンス内から直接確認できることはご存じだったでしょうか。
Azure ホーム ページから、[ツール] に移動すると、画面下部に [Cost Management] が表示されます。[予約]、[+ 追加] の順に選択し、購入エクスペリエンスを開きます。希望するサービスを選択すると、過去の利用状況に基づいて利用可能な予約と推奨数量のリストが表示されます。推奨数量列の [See Details] (詳細の表示) リンクをクリックすると、その数量が推奨される詳しい理由を確認できます。
詳細は、予約に関する推奨事項についての Web ページを参照してください。
クイック修正による修復を利用したより迅速な推奨事項への対応
コストの削減と最適化の方法をお探しであれば、まずは Azure Advisor をご利用になることをお勧めします。ワンクリックするだけで、収集された推奨アクションのリストを確認できます。そしてこのたび、Advisor の "クイック修正" による修復により、それらの推奨事項を非常に簡単に適用できるようになりました。
詳細は、Azure Advisor のクイック修正による修復についての Web ページを参照してください。
Azure でコストを削減する新しい方法
今月、以下の 2 種類の予約が新たに利用できるようになりました。
Azure の使用量データに対する今後の変更
多くの組織が詳細な Azure の使用状況と料金に基づいて、何が使用されているかを把握したり、どの料金をどのチームに内部的に請求すべきかを判断したり、Azure の予約や Azure ハイブリッド特典を利用してコストを最適化できる機会を検討したりといったことを行っています。使用量データの製品詳細に基づいて分析やセットアップの統合を行っている場合には、以下のサービスのロジックを更新してください。
以下の変更が 2020 年 9 月に有効になります。
また、キーベースのエンタープライズ契約 (EA) Billing API が新しい Azure Resource Manager API に置き換えられたことにも留意してください。キーベースの API は加入契約の終了まで有効ですが、Microsoft 顧客契約への更新および移行をもって利用できなくなります。次回更新時の Microsoft 顧客契約への移行を容易にするために、最新バージョンの UsageDetails API への切り替えも計画してください。
新しいビデオと学習の機会
映像を見て理解したいという方は、仮想マシンのコスト削減に役立つこちらの新しいビデオをご覧ください。
Azure Cost Management と Billing の YouTube チャンネル (英語) をフォローしていただくと、新しいビデオの公開時にそのビデオを視聴して最新情報を入手することが可能になります。ご希望のトピックなどがありましたら、ぜひコメントをお寄せください。
ガイダンス的なリソースをご希望の場合は、Azure Cost Management と Billing を使用した Azure の支出の制御および請求の管理からご覧ください。
ドキュメントの更新
ここでは更新されたドキュメントのうち、皆様の参考になると思われるものをいくつかご紹介します。
- 無料試用版サブスクリプションの削除方法について詳細を追加しました。
- クラウド ソリューション プロバイダー (CSP) パートナーとして Azure の予約を表示する方法について文書化しました。
- Azure Advisor で提供される新しい予約に関する推奨事項を追加しました。
すべてのドキュメントの更新状況を確認する場合は、GitHub の azure-docs リポジトリで、Cost Management と Billing のドキュメントの変更履歴 (英語) をご覧ください。不足している情報を見つけた場合は、ドキュメント最上部の [Edit] を選択し、クイック プル リクエストを送信していただくようお願いいたします。
今後について
今回ご紹介したのは、先月から大きく更新された機能のほんの一部です。過去の Azure Cost Management と Billing の更新も忘れずにご確認ください。マイクロソフトは常に皆様からのフィードバックに耳を傾け、改善に取り組んでいます。ぜひ今後もフィードバックをお寄せください。
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現在は皆様にとりまして大変な時期をお過ごしのことと思います。Azure Cost Management チーム一同、皆様のご安全とご健康を心よりお祈り申し上げます。