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Azure 共有イメージ ギャラリーの一般提供を開始
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Microsoft Build 2019 で Azure 共有イメージ ギャラリーの一般提供を発表しましたが、これは Azure のカスタム仮想マシン (VM) イメージの管理、共有、配信を容易にするサービスです。
共有イメージ ギャラリーを使用すると、同一の Azure Active Directory (AD) テナントやリージョン内で、または複数のテナントやリージョンをまたいで、アプリケーションを組織内の他のユーザーと簡単に共有できます。これにより、リージョン内の拡張や DevOps プロセスを促進したり、リージョン間の HA/DR 設定を簡素化したりできます。
共有イメージ ギャラリーでは、サポートするデプロイメント数が増え、スケール セット内で最大 1,000 個の VM インスタンスがデプロイ可能となっています (従来のマネージド イメージでは最大 600 個)。
以下に、この機能に関するお客様のご意見を紹介します。
「共有イメージ ギャラリーを使用すると、すべての VM イメージを 1 つの Azure DevOps パイプラインから作成して、それを基にした IaaS VM をリージョン、テナント、サブスクリプションを問わずデプロイできます。しかも、複数のサブスクリプションやリージョン間でマネージド イメージや VHD のコピーを管理、配信するという複雑な作業が生じることはありません」
– オランダの保険会社 VIVAT のインフラストラクチャ エンジニア、Stanley Merkx 氏
リージョン別の提供状況
共有イメージ ギャラリーは、ターゲット リージョンとしてすべての Azure パブリック クラウド リージョンをサポートし、ソース リージョンとして南アフリカを除く一般提供中の Azure パブリック クラウド リージョンをサポートしています。ソース リージョンとターゲット リージョンの一覧をご確認ください。
今後数か月のうちに、ソブリン クラウドでもこの機能を提供する予定です。
クォータ
共有イメージ ギャラリーの各リソースでサポートされる既定のクォータは以下のとおりです。
- 各リージョンのサブスクリプションあたり 100 個の共有イメージ ギャラリー
- 各リージョンのサブスクリプションあたり 1,000 個のイメージ定義
- 各リージョンのサブスクリプションあたり 10,000 個のイメージ バージョン
ユーザーは要件に応じてクォータの引き上げを申請できます。サブスクリプション内の使用量をチェックする方法をご参照ください。
価格
共有イメージ ギャラリー サービスを使用するにあたり追加料金はかかりません。以下の料金のみが請求されます。
- ソース リージョンとターゲット リージョンのイメージ バージョンとレプリカに対するストレージ料金
- リージョン間のレプリケーションに対するネットワーク送信料金
使用方法
次に、共有イメージ ギャラリーで可能なことを簡単にご説明します。
イメージを適切に管理する
この機能の一部として、ギャラリー、イメージ定義、イメージ バージョンという 3 種類の新しい Azure Resource Manager リソースを導入しました。これにより、イメージを論理グループにまとめることができます。また、アプリケーションを更新したり、修正プログラムを適用したりする場合に、複数のバージョンのイメージを発行することもできます。
サブスクリプションや Azure Active Directory テナントをまたいでイメージを共有する
共有イメージ ギャラリーの主な機能の 1 つは、サブスクリプション間でイメージを共有する手段を提供することです。新たに導入した 3 種類の構成要素はいずれも Azure Resource Manager リソースであるため、Azure のロールベースのアクセス制御 (RBAC) を利用することで、Azure Active Directory テナントが異なっていても、ギャラリーやイメージ定義を他のユーザーと共有し、ユーザーそれぞれのサブスクリプションに VM をデプロイできます。
テナント間でイメージを共有することが有用である一般的なシナリオとして、以下のようなものが考えられます。
- ある企業が別の企業を買収し、Azure インフラストラクチャが複数の Azure AD テナントに分散した場合
- ある企業の複数の子会社が Azure を使用しており、複数の Azure AD のテナントが存在する場合
詳細は、テナント間でイメージを共有する方法をご覧ください。
イメージをグローバルに配信する
ビジネスはグローバル規模で行われており、お客様はプラットフォームによって組織が制限されることを望んでいません。そこで、共有イメージ ギャラリーでは、組織のニーズに基づいてイメージをグローバルに配信する手段を提供します。ターゲット リージョンを指定するだけで、そのリージョンにイメージ バージョンがレプリケートされます。
デプロイメントをスケーリングする
共有イメージ ギャラリーでは、VM スケール セット内で最大 1,000 個の VM インスタンスをデプロイできます (従来のマネージド イメージでは最大 600 個)。また、デプロイメントのパフォーマンス、信頼性、一貫性を向上させるために、イメージ レプリカという概念を導入しました。リージョン内のスケーリングのニーズに応じて、ターゲット リージョンごとに異なるレプリカ数を設定できます。各レプリカはイメージのディープ コピーであるため、マネージド イメージの場合と比べて、レプリカを追加するごとに線形的にデプロイメントを拡大できます。
詳細は、レプリカの使用方法をご覧ください。
イメージの高可用性を確保する
共有イメージ ギャラリーの一般提供開始に伴い、可用性ゾーンが提供されているリージョンのゾーン冗長ストレージ (ZRS) アカウントにイメージを保存できるようになりました。また、ターゲット リージョンごとにストレージ アカウントの種類を指定することもできます。ゾーン冗長ストレージのリージョン別の提供状況をご確認ください。