世界的な健康危機に直面し、私たちの働き方と暮らし方は様変わりしました。Microsoft は、お客様がこの危機に対応するとともに将来の成功に向けた計画を作るにあたって、そのお役に立てるように、私たちができることをしていくことをお約束します。
この 3 か月ほどの間に、私は IT 分野のリーダーたちから学び、そして刺激を受けてきました。世界各地で彼らは、IT の優先事項をすばやく入れ替えてリモート ワークを実現し、コストと効率を最適化する一方で、賢明な投資を行って復旧と将来の成長に備えています。これらの目標を達成するために、多くの IT リーダーはクラウド コンピューティングの導入を加速しています。
Azure インフラストラクチャで IT コストを最適化し、ビジネス価値を最大化する
ここでは、Azure インフラストラクチャをキャッシュ フローの改善、コスト削減の達成、オペレーション効率の向上、セキュリティと管理の一体化に今すぐ役立てる方法を 8 つ紹介します。
1.場所を問わないリモート ワークを実現し、生産性を確実に発揮させる
仕事に必要なデスクトップとアプリにユーザーが確実にアクセスできるようにするには、仮想デスクトップのすばやいスピンアップとスケーリングができる Windows Virtual Desktop を活用します。新しいハードウェアをプロビジョニングする必要はありません。Windows Virtual Desktop は、Windows 10 と Office 365 を仮想デスクトップで利用するのに最適な方法であり、マルチセッションがサポートされています。料金のお支払いは実際に使用したインフラストラクチャの分だけであるため、使用されていないマシンをオフにすれば支出を節約できます。こちらのブログで説明している、最近リリースされた Windows Virtual Desktop の新機能によって、デプロイに要する時間をさらに短縮し、セキュリティとコンプライアンスをさらに向上できます。Microsoft Teams についても、デスクトップと同様のユーザー エクスペリエンスを仮想デスクトップで実現できます。
仕事を進めるには、仮想デスクトップに加えてオンプレミスとクラウドの両方のリソースへのアクセスが必要になります。Azure ならば、オンプレミスでご利用の仮想プライベート ネットワーク (VPN) ソリューションを Azure VPN Gateway ですばやく拡張できます。短時間でプロビジョニングでき、スケールアップとダウンも簡単です。Azure ネットワークは、リソース使用量の急激な変化にも耐えるように設計されており、使用量がピークに達する期間の管理も簡単です。こちらのブログで、Azure VPN を組織のリモート ワークの拡大に役立てるためのベスト プラクティスとヒントを紹介しています。
2.ビジネス継続性を維持して、コストのかかる中断を避ける
多くの企業が、自社のバックアップとディザスター リカバリーの戦略に目を向けています。事業が中断されるような事態が起きても、データとアプリケーションが確実に保護されるようにするためです。Azure Backup と Azure Site Recovery では、数回クリックするだけでデータとアプリケーションを簡単にクラウドにバックアップすることができ、クラウドベースのレプリケーション、フェールオーバー、回復のプロセスもすばやくデプロイできます。
また、常に確実に接続するためのサービスとして Azure Virtual WAN があります。サポートされるパートナー各社からの SD-WAN デバイスとともに使用してリモートのブランチ オフィスを、アプリケーションとデータがホストされているオンプレミスやパブリック クラウドに接続するのに利用されています。Azure Virtual WAN は、ブランチ オフィスへのトラフィックを最も近いネットワークの場所からルーティングするときに、Microsoft の専用グローバル ネットワークを介して宛先まで届けるので、高速で信頼性の高い接続を大規模に実現できます。
3.オンプレミスとクラウドのワークロードを、増加傾向にあるサイバー攻撃から守る
リモート ワークを実現するためのデジタル インフラストラクチャへの依存度が高まるにつれて、サイバー犯罪も増加しています。Microsoft は、サイバーセキュリティに毎年 10 億米国ドルを越える投資を行うとともに、大規模な脅威インテリジェンス ソース処理も実施しており、処理するシグナルの数は 1 日あたり 8 兆件を超えています。
Azure Security Center では、お客様のクラウドとオンプレミスのすべてのワークロードのセキュリティ状態を一度に見ることができ、セキュリティに関する推奨事項も得られます。たとえば、多要素認証 (MFA) をオンにする、SSH (Secure Shell) ポートや RDP (Remote Desktop Protocol) ポートを確実に保護するといったことです。Azure Web アプリケーション ファイアウォールと Azure DDoS Protection は、Web ワークロードをゼロ トラスト セキュリティで保護します。たとえば、すべてのアクセスについて ID を確認します。また、ネットワークが確実に正しくセグメント化されている状態にします。Azure Sentinel も多くのお客様に活用されています。これはクラウド ネイティブの SIEM (セキュリティ情報イベント管理) であり、AI を活用した高度な脅威防止機能にアクセスできます。新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) 対策を続ける中でのセキュリティ オペレーションの強化と新しい脅威インテリジェンスのオープンソース化について詳しく説明している記事をご覧ください。
4.ハイブリッド環境のガバナンスと管理を効率的に行う
お客様の IT 環境は進化を続けており、アプリケーションの種類もさまざまで、多くの場合は多様なハードウェアを組み合わせて実行されており、その場所も分散しています。開発者によるイノベーションのスピードを落とすことなく、いかに効率的に IT リソースを管理するかという課題は、今日の IT リーダーの誰もが直面しています。Azure Arc は、Windows と Linux のサーバーや Kubernetes のクラスターとアプリケーションのガバナンス、管理、セキュリティ保護をシームレスに行うためのソリューションであり、オンプレミス、マルチクラウド、エッジのすべてを 1 つのコントロール プレーンから制御できます。また、Azure Arc を利用すると Azure のサービス、たとえば Azure データ サービスをどのインフラストラクチャでも利用できるようになります。つまり、Azure のさまざまなイノベーション (最新のクラウド機能、スケーラビリティ、迅速なデプロイ、クラウド課金など) をどのクラウドでも、どの Kubernetes クラスターでも活用できます。
5.クラウドに移行してコストを削減する
組織がクラウドへの移行を加速する目的は、資本的支出を減らし、コスト削減を達成し、価値実現までの時間を短縮することです。Azure ハイブリッド特典や無料延長セキュリティ更新プログラムなどが提供されている Azure は AWS の 5 分の 1 の費用で Windows Server と SQL Server のワークロードを移行できます。Linux のワークロードを Azure に移行すると、ご利用のディストリビューションのパフォーマンスと効率を Microsoft からの統合サポートでさらに高めることができます。加えて、お客様の移行コスト削減と移行の行程のスピードアップに役立つように、無料の移行ツール、ガイダンス、ベスト プラクティスを Azure 移行プログラムで提供しています。
6.Azure 上で SAP ソリューションを実行することで、分析情報を強化し俊敏性を高める
SAP ソリューションを Azure 上で実行することで、お客様はリアルタイムで分析情報と柔軟性を得ることができ、市場の変化するニーズに迅速に対応しながら、回復性がある未来への道を切り開くことができます。Azure は、ミッション クリティカルな SAP ワークロードを実行するために最適化された実績のあるクラウド プラットフォームであり、現在はパブリック クラウドで最大規模の運用環境 SAP ランドスケープのいくつかをサポートしています。
Embrace イニシアチブにより、SAP と Microsoft はパートナーシップを深め、業界特有のベスト プラクティス、参照アーキテクチャ、共同パートナー エコシステムを通じて、クラウドへのパスを簡素化して共同開発し、お客様に提供することで、価値を生み出すまでの時間を短縮しています。SAP ワークロードを Azure に移行することで、お客様は SAP と SAP 以外のデータをプールしてインテリジェントな分析を適用したり、100 以上の Azure サービスを活用してアプリのイノベーションを生み出したり、SAP Cloud Platform を使用して Microsoft 365、Microsoft Teams、Microsoft Power Apps、Microsoft Power BI などの既存の生産性およびコラボレーション ツールと統合したりすることが可能になります。
7.オンプレミスのインフラストラクチャを最新化させる
多くのお客様は、ワークロードのうち特定のものをオンプレミスに残しています。その目的は、規制要件を満たす、待ち時間の問題に対処する、あるいは既存の投資の効果を最大化することです。このような場合にクラウドのイノベーションを活用するには、オンプレミスのインフラストラクチャをモダン化して効率を向上します。
たとえば Azure Stack HCI を使用すると、オンプレミスの仮想化されたアプリケーションを、クラウドに接続されたハイパーコンバージド インフラストラクチャ上で集約することによって、ストレージとコンピューティングに関して最高の価格性能比を達成することができます。Azure Stack Hub は、60 を超える国のお客様に利用されており、クラウドネイティブのアプリケーションをビルドしてオンプレミスでデプロイし、お客様専用のプライベートな自律クラウドを、Azure に接続する形でもそうでない形でも運用することができます。
8.ワークロードのコスト最適化を継続的に行う
Azure では、さまざまな方法でお客様のコストを最適化できます。Azure Cost Management と課金の無料ツールを利用すると、お客様のクラウド支出を監視して分析し、予算と支出額アラートを設定し、クラウド コストを各チームに配賦することができます。Azure Advisor は、組織のクラウド リソース使用量を最適化するのに役立つ推奨事項を、その組織に合わせて提示します。Azure スポット仮想マシンを Azure Reservations と組み合わせると、Azure サービスの使用料を予約価格で前払いする、または未使用の Azure コンピューティング キャパシティを大幅な割引価格で利用するという方法で、従量課金制の価格と比較して最大 90% 節約できます。Azure の費用を最適化する方法の詳しい説明をご覧ください。
Azure インフラストラクチャ サービスの使用を今すぐ開始しましょう
上記のトピックについて、さらに掘り下げるブログ記事を今後も投稿していきます。これからもぜひ、Azure ブログにアクセスして新しい投稿をご覧ください。また、Azure IaaS (サービスとしてのインフラストラクチャ) のページもご覧ください。ここでは、Azure インフラストラクチャのサービスとソリューションがどのようにお客様に役立つかについて詳しい情報をご用意しています。