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Microsoft Azure、中国市場で新規リージョンを拡大

2022 年 3 月 1 日以降、中国北部の新しい Azure リージョンでお客様による無制限のアクセスが可能になりました。中国市場に 5 番目の Azure リージョンが加わり、中国における Microsoft のインテリジェント クラウド ポートフォリオの容量が 2 倍になります。

2022 年 3 月 1 日以降、中国北部の新しい Azure リージョンでお客様による無制限のアクセスが可能になりました。中国市場に 5 番目の Azure リージョンが加わり、中国における Microsoft のインテリジェント クラウド ポートフォリオの容量が 2 倍になります。

21 Vianet によって運用される Microsoft Azure は 2012 年に発表され、2014 年 3 月に初期の 2 リージョンで正式に開始された、中国市場で一般提供開始された最初の国際的なパブリック クラウド サービスです。Azure に続き、21 Vianet によって運用される Microsoft Office 365、Microsoft Dynamics 365、Microsoft Power Platform がそれぞれ 2014 年、2019 年、2020 年に相次いで中国での提供が開始されました。

「中国市場において、中国に進出する多国籍企業、グローバルなプレゼンスを求める中国企業の双方から、またビジネスやプロセスをクラウド上でデジタル化する中国企業から、グローバルなパブリック クラウド サービスへのニーズが急速に高まっています。これが、ここ中国で約 8 年間にわたりクラウド サービスの拡張とアップグレードが活発化している強い理由です。」と、Microsoft 中華圏リージョン (GCR) 担当副社長兼 CEO の Hou Yang は語っています。「Microsoft のインテリジェント クラウドは、世界で最も包括的なセキュリティのアプローチであり2、中国と世界の何十万もの開発者、パートナー、顧客に対して、技術的なイノベーションとビジネス トランスフォーメーションの実現に貢献してきました。新しい Azure リージョンは、ビジネス、エコシステム、持続可能性のある未来にわたって、イノベーション、成長、機会の発見を可能にし、それを後押しする Microsoft の能力をさらに強化することになるでしょう。」

イノベーションのためのクラウド

IDC のレポート 1 によると、中国は前年比成長率 49.7% で世界で最も急速に成長しているパブリック クラウド市場となり、中国市場の世界シェアは 2024 年までに 10.5% 以上に増加するとされています。中国のデジタル経済の急速な発展には、新興のデジタル イノベーションや産業のデジタル トランスフォーメーションをサポートするために、Microsoft Azure のような高度なテクノロジとサービスが必要です。

Microsoft はこの新しい Azure リージョンで、ハイブリッドおよびマルチクラウドのデプロイ、IoT、エッジ コンピューティング、データ インテリジェンスなどの機能を提供することにより、中国と世界の両方のお客様やパートナーが中国のデジタル発展の機会を活用できるよう、より一層支援してまいります。

新しい Azure リージョンの立ち上げに伴い、2022 年には中国で以下のような一連の新しいクラウド イノベーション機能が利用できるようになります。Azure 可用性ゾーンは、2 つ以上の可用性ゾーンで VM を実行した場合に、業界最高水準の 99.99% の SLA をお客様に提供します。また、別々のリージョンへのフェールオーバーにより、大規模なイベントから保護する最も包括的な回復性戦略を提供します。Azure Digital Twins は、お客様が物理オブジェクトの「デジタル ツイン」をクラウドで作成できる IoT 機能です。Azure Arc は、ハイブリッドおよびマルチクラウド環境におけるデータおよびアプリケーションの管理を支援します。Azure Database for MySQL 向けフレキシブル サーバーのデプロイ オプションを使用すると、組織のデータベースを最大限に制御できます。また、データ損失ゼロを保証する高可用性オプション、コスト最適化の組み込み機能、Azure エコシステムによって実現する生産性向上などがあります。Azure Purview は、オンプレミス、マルチクラウド、サービスとしてのソフトウェア (SaaS) のデータの管理と統制に役立つ統合データ ガバナンス ソリューションです。

「Microsoft のグローバル パートナーとして、当社は業界向けのデジタル ソリューションの開発とデプロイで密接に協力してきました。」と Accenture Greater China のマネージング ディレクター兼テクノロジ部門リードの Jin Jia 氏は語ります。「中国で立ち上げられる新しい Azure リージョンとサービスにより、当社はインフラストラクチャ、プラットフォーム、データ、IoT、コグニティブ コンピューティングにわたる幅広い Azure サービスを提供し、エンドツーエンドの変革をさらに実現していきます。」

持続可能性のためのクラウド

クラウド コンピューティングは、世界のコンピューティング ニーズをサポートするために必要な二酸化炭素排出量を削減する大規模な効率性を提供します。Microsoft のクラウド コンピューティングは、そのコンピューティング能力を拡大する一方で、データセンターの設計と運用に持続可能性を取り入れるための画期的な技術も追求しています。Microsoft クラウドの最新の主要な開発イニシアチブは次のとおりです。

  • データセンターの水使用量の削減: データセンターの温度管理に対する新しいアプローチにより、蒸発冷却式のデータセンターで使用される水の量をさらに削減することができます。
  • 液浸冷却の研究、水なし冷却オプションに向けて: Microsoft は、クラウド プロバイダーとして初めて、運用環境での二相液浸冷却の運用を実現しました。液冷は電力と冷却の両面で効率的であるため、データセンターのラック設計に新たな可能性をもたらしています。
  • 地域のエコシステムをサポートするデータセンター設計: Microsoft は、12 のデータセンター地域の水、空気、炭素、気候、生物多様性などの生態系パフォーマンスをベンチマークし、周辺地域を一新して活性化することで、地域社会や環境に再生価値を提供する道筋を回復し、創出できるようにしました。
  • データセンターの設計および建設におけるカーボン フットプリントの削減: 建物やインフラストラクチャのライフサイクル全体を通して、材料や建設プロセスに関連する排出量をカウントする「エンボディド カーボン」。Microsoft は、Embodied Carbon in Construction Calculator (EC3) と呼ばれるツールを使って建築資材を特定し、コンクリートや鉄の体積炭素を 30 から 60% 削減しています。すべての取り組みの一部は、中国の新しい Azure リージョンで段階的に適用される予定です。

クラウド インフラストラクチャへの投資に加え、Microsoft 持続可能性のためのクラウドがグローバルでプレビュー提供開始されており、組織はネットゼロへの道筋をより効果的に記録、報告し、炭素排出量を削減できるようになります。これは、炭素排出量を正確かつ一貫した信頼性の高い方法でグローバルに測定するための共通の基盤を提供します。現在、多国籍企業と中国企業の両方が、グローバルな Azure でこのサービスを利用して、持続可能性の取り組みを測定することができます。

2021 年中国国際輸入博覧会 (CIIE) において、SGS China は Microsoft Azure をベースとした初のグローバルと中国のデュアルスタンダードな炭素管理プラットフォーム「S-Carbon」を発表しました。Dr. Sandy Hao 氏 (SGS China のマネージング ディレクター) は、「炭素排出における SG の専門知識を Microsoft の世界最先端のクラウド プラットフォームと組み合わせることで、より多くの中国企業が、持続可能な開発戦略の実装を加速することができます。」

「当社は Microsoft のネットゼロ テクノロジ パートナーとして、お客様のグリーン移行と野心をサポートするエンドツーエンドのカーボン ニュートラル ソリューションの完全なスイートを共同で実現できることを嬉しく思っています。」と、Microsoft のグローバル ネットゼロ パートナー Envision Group のグローバル エグゼクティブ ディレクターである Michael Ding は語っています。

「当社は Microsoft と提携し、中国および世界でスマートで持続可能なビルの構想、建設、管理に取り組んでいます。」と Johnson Controls のビルディング ソリューションズ中国担当副社長兼ゼネラル マネジャーの Michael Zhu 氏は語ります。「当社の OpenBlue デジタル プラットフォームは、Microsoft のクラウド プラットフォームやワークプレース技術と密接に連携しており、当社のお客様が現代空間をより安全で俊敏、かつ持続可能なものにするのに役立つ、またとない機会となっています。」

「DELTA のエネルギー管理システム (EMS) は、IoT、機械学習、Power BI からのデータ分析情報が備わった Microsoft Azure プラットフォーム上に構築されています。」と Delta GreenTech (China) Co., Ltd. のゼネラル マネージャー Kevin Tan 氏は語ります。「Microsoft と協力することで、当社はお客様にエネルギー消費を効果的に監視、管理、節約し、グリーンな工場を実現する力を提供しています。」

信頼とコンプライアンスを備えたクラウド

Microsoft のクラウドは、34 以上の市場にある 200 以上の物理データセンターで構成されています。全世界で 10 億人以上のお客様と 2,000 万社以上の企業にサービスを提供しています。また、Fortune 500 企業の 95% が Microsoft のクラウド サービスを利用しています。Microsoft のクラウド プラットフォームは、全世界で 90 以上のコンプライアンス認証を取得しており、中国、ヨーロッパ、米国、その他多くのグローバル市場における幅広い業界基準や規制基準に適合しています。中国については、21Vianet によって運用されている Microsoft Azure も、現地のコンプライアンスに関する認証を多数取得しています。詳細については、Trust Center のコンプライアンスに関するドキュメントをご覧ください。

Microsoft Azure は、中国市場で初めてコンプライアンスに準拠した国際的なパブリック クラウド サービスとして開始されました。中国の規制要件に従い、21Vianet によって中国で運営されている Azure リージョンは、Microsoft のグローバル クラウドから物理的に分離されたインスタンスですが、Microsoft がグローバルで運営する他のリージョンと同じクラウド テクノロジをベースに構築されています。

中国とグローバル市場で一貫したアーキテクチャを採用しているため、多国籍企業が自社の IT システムやビジネス アプリケーションを中国に展開したり、逆に中国から展開したりすることが容易、効率的、かつ安全になります。

中国での Microsoft クラウド サービスの詳細

中国での Microsoft クラウド サービスの詳細については、21Vianet が運用する Microsoft Azure の公式サイトをご覧ください。


参考資料

1IDC: 中国のパブリック クラウド サービス市場は、世界の成長をリードしています。

2Microsoft Security