AI と Azure サービスで言語にまつわる課題を克服
アメリカ合衆国の往年のお笑いコンビAbbott and Costello のネタ「Who's on first (一塁手はだれ)」をご存じでしょうか。 アメリカ英語のユーモアの傑作です。しかし、これを別の言語に翻訳したらどうなるでしょうか。英語圏の人々なら笑ってしまう箇所の大半は、逐語訳では意味が通じなくなってしまいます。これが機械翻訳 (コンピューター アルゴリズムによる翻訳) の問題点です。 企業が言葉によってユーザーにインパクトを与えようとするなら、翻訳サービスを真剣に評価して、その正確性と効果を検討する必要があります。ローカリゼーション業界大手の Lionbridge は、これを実行して言語翻訳の世界全体にアプローチしています。現在は人工知能 (AI) の機能を活用し、結果としてさらに高品質の翻訳サービスを実現しています。 Azure プラットフォームは、業界ソリューションを強化、拡張、構築しようとしているパートナー様に幅広いサービスを提供しています。今回は、Azure を活用して独自の問題を解決している Microsoft パートナーの事例をご紹介します。 ライフ サイエンス業界のコミュニケーションを支える有能なパートナー 医療やライフ サイエンスに携わる人々にとって、適切な情報を探すうえで言語が障壁となってはいけません。研究やレポートの世界は少数の言語に限られているわけではないため、世界中からデータを見つけられるようにする必要があります。そこで求められるのが、述べられている事実だけでなく、オリジナル データの要点も押さえられた翻訳サービスです。これを実現することが、効率的な翻訳を専門とする Microsoft パートナー Lionbridge の目標です。 ローカライズに加えて、Lionbridge は文書の取り扱いに関連するその他のリスクを防止するサービスも提供しています。たとえば、情報が少なすぎて患者のインフォームド コンセントを得るには不十分な場合もあれば、逆に、患者のデータが誤って開示されてしまうこともあります。プライバシー侵害に対する罰則は厳しいため、医療機関などは文書の管理に特化したサードパーティに委任することで、データ取り扱いの不備が発生しないように対策を強化しています。 Lionbridge はこの業務に単独で対応することはできず、必要な成果を達成するために協力的なパートナーシップのアプローチを重視しています。それには、まず言語にも技術分野にも精通する必要があります。以下は、同社の資料からの引用です。 “当社のチームはお客様のチームと提携して、機密性の高い複雑で頻繁に変更されるコンテンツを翻訳し、規制委員会から医療従事者や患者まで、世界中のすべてのエンド ユーザーにきちんと伝わる言葉へと変えています。当社のクライアントには、製薬会社、医療機器メーカー、医療出版社、ヘルスケア企業、医薬品開発業務受託機関 (CRO) が名を連ねており、それぞれのクライアントからは、細部への厳密な注意、要件の微妙なニュアンスに対する専門的な理解、エンド ユーザーへの最大限の配慮を求められています。” Lionbridge が、350 の言語に対応する 10,000 人の有能なプロの翻訳者の力を借りていることは想像に難くありません。