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Azure Maps Web SDK が更新、さまざまな新機能が追加されました

本日マイクロソフトは Azure Maps Web SDK を更新いたしました。今回の更新では、一般的な空間ファイル形式のサポート、ポップアップ表示用の新しいデータ ドリブン テンプレート フレームワーク、複数の OGC サービスへの対応など、新たなサポートや機能が数多く追加されています。

本日マイクロソフトは Azure Maps Web SDK を更新いたしました。今回の更新では、一般的な空間ファイル形式のサポート、ポップアップ表示用の新しいデータ ドリブン テンプレート フレームワーク、複数の OGC サービスへの対応など、新たなサポートや機能が数多く追加されています。

空間 IO モジュール

 

たった 3 行のコードだけで、空間 IO モジュールによる空間データと Azure Maps Web SDK の統合が簡単に実現されます。開発者は、空間 IO モジュールの強力な機能によって次のことが可能になります。

  • 一般的な空間データ ファイルの読み取りと書き込みを行う。これにより、ファイル タイプの違いによる変換を手作業で行わなくても、既存の強力な空間データを最大限に活用できるようになります。サポートされるファイル形式は、空間情報を含む列を持つ KML、KMZ、GPX、GeoRSS、GML、GeoJSON、および CSV です。
  • 新しいツールを利用して Well-Known Text (WKT) の読み取りと書き込みを行う。Well-Known Text は空間ジオメトリを文字列として表現するための標準的な手法で、大部分の GIS システムでサポートされています (Docs)。
  • Open Geospatial Consortium (OGC) の各種サービスに接続し、Azure Maps Web SDK と統合する。
    • Web Map Services (WMS) および Web Map Tile Services (WMTS) をマップにオーバーレイできます (Docs)。
    • Web Feature Service (WFS) でデータをクエリできます (Docs)。
  • スタイル情報を含む複雑なデータ セットをオーバーレイし、最小限のコードでそれらを自動的にレンダリングする。たとえば、GitHub GeoJSON スタイリング スキーマに準拠したデータの大部分は、図形のレンダリングのカスタマイズに自動的に使用されます (Docs)。
  • 高速 XML と区切りファイルの Reader クラスおよび Writer クラスを利用する (Docs)。

これらの機能は、サンプル ギャラリー (英語) でお試しいただけます。

世界地質調査の WMS オーバーレイ。

世界地質調査の WMS オーバーレイ。

ポップアップ テンプレート

ポップアップ テンプレートを使うと、ポップアップのデータ ドリブン レイアウトを簡単に作成できます。ポップアップのデータは、このテンプレートでの定義に従ってレンダリングされます。最もシンプルなやり方は、データの JSON オブジェクトをポップアップ テンプレートに渡し、オブジェクト内のプロパティのキー バリュー テーブルを生成する方法です。テンプレートには、プロパティのプレースホルダーが設定された文字列を使用できます。また、個々のプロパティの詳細を指定して、レンダリングの結果を変えることもできます。たとえば URL の表示は、文字列、画像、Web ページへのリンク、または mail-to リンクにすることができます (Docs | サンプル (英語))。

レイアウトが複数設定されたポップアップ テンプレートによるデータ表示。

レイアウトが複数設定されたポップアップ テンプレートによるデータ表示。

Web SDK における追加の機能強化

  • ポップアップの自動アンカー - マップ ビュー内に収まるような再配置を、ポップアップが自動的に試行するようになりました。以前は、すべてのポップアップがアンカー設定位置の上に中央揃えで表示されていましたが、現在は、上下左右の隅や端に近い位置にアンカーが設定されている場合に、マップ ビュー内に収まるようポップアップが表示方向を調整するようになりました。たとえば、マップの右上隅にアンカーが設定されている場合、ポップアップはアンカー位置の左下に表示されます。
  • 描画ツール モジュールによるイベントと編集 - 描画ツール モジュールが、イベントを公開し、図形の編集をサポートするようになりました。これは、描画した直後の領域で検索を実行するなど、描画後のシナリオを開始したい場合に便利です。また、図形全体を 1 回でドラッグできるようになりました。これによって、コピー アンド ペーストした図形を新しい場所にドラッグするなど、さまざまなシナリオが可能になります (Docs | サンプル (英語))。
  • スタイル選択コントロールのオプション - スタイル選択コントロールのレイアウト オプションが、アイコンがフライアウトされる標準の表示と、すべてのスタイルのリスト ビュー表示の 2 種類になりました (Docs | サンプル (英語))。

スタイル選択ツールのアイコン レイアウト。

スタイル選択ツールのアイコン レイアウト。

コード サンプル ギャラリー

Azure Maps のコード サンプル ギャラリーが拡充され、公開サンプル数が 200 種類を超えました。ほぼすべてのサンプルは、Azure Maps を活用している開発者 1 人の技術関連の問い合わせに対応した結果、作成されたものです。

さらに Azure Maps Government Cloud のサンプル ギャラリー (英語) も作成されています。このギャラリーに公開されているサンプルは、商用クラウド用サンプル ギャラリーのものと同じです (政府機関向けクラウド用に移植されています)。

これらの中から、ごく最近追加されたサンプルをいくつか紹介いたします。

Route along GeoJSON network サンプルは、経路のネットワークを表現する線データの GeoJSON を読み込み、2 点間の最短経路を計算します。マップ上のピンをドラッグすると新しい経路が計算されます。このネットワークは、輸送ネットワーク、海上貿易経路、伝送路ネットワークなど、LineString の機能コレクションを含むあらゆる GeoJSON ファイルを指定できます。この機能はこちらでお試しいただけます (英語)。

2 点間の最短航路を示すマップ。

2 点間の最短航路を示すマップ。

Census block group analysis サンプルは、米国の国勢調査細分区グループのデータを使用して、ユーザーが描画した領域の推定人口を表示します。この人口推計では、それぞれの国勢調査細分区グループの人口に加えて、描画された領域で発生する重複部分の人口も考慮されます。この機能はこちらでお試しいただけます (英語)。

描画領域の人口集計データを示すマップ。

描画領域の人口集計データを示すマップ。

Get current weather at a location サンプルは、マップ上で任意にクリックした場所の現在の天気を取得し、詳細情報を見やすく整理して、天気アイコンと一緒にポップアップで表示します。この機能はこちらでお試しいただけます (英語)。

パリの天気情報を示すマップ。

パリの天気情報を示すマップ。

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コミュニティの皆様によるフィードバックを常にお待ちしております。本記事のコメント欄への投稿、Stack Overflow (英語) への質問の投稿、UserVoice の Azure Maps フィードバック ページ (英語) への機能リクエスト投稿など、ご都合のよい方法でお気軽にご意見をお寄せください。