マイクロソフトが NVIDIA の GTC Digital Conference で変革を促進

2020年3月24日 に投稿済み

Sr Product Marketing Manager, Azure Marketing

スーパーコンピューティングの世界は進化しています。かつてはオンプレミスのハイパフォーマンス コンピューティング (HPC) クラスターや従来型の HPC シナリオに限定されていた作業が、今ではエッジ、オンプレミス、クラウド、それらの中間点といった、いたるところで実行されるようになっています。高度なシミュレーションを実行されている製造企業様、リアルタイムの油井監視で掘削を最適化されているエネルギー企業様、リモートで働く必要のある社員にプロフェッショナル用の仮想グラフィックス ワークステーションを支給されている建築会社様、市場リスクの舵取りに AI を利用されている金融サービス企業様といったお客様には、マイクロソフトと NVIDIA の協業により、NVIDIA のグラフィックス プロセッシング ユニット (GPU) プラットフォームへのアクセスがこれまで以上に容易になります。

こうした最新ニーズにおいて求められる高度なソリューションは、拡大させるのが難しく、実現に時間がかかっていたため、これまでは少数の組織でしか利用されていませんでした。このたび Microsoft Azure では、このような課題に直接対応する HPC 機能や、包括的な AI プラットフォーム、そしてハイブリッド & エッジ オファリングである Azure Stack ファミリを提供いたします。

今年の GTC Digital (英語) の会期中、マイクロソフトは NVIDIA GPU の支援を利用した極めて革新的なアプリケーションをいくつか取り上げ、それによってエッジ、オンプレミス、クラウド・コンピューティングに対する自社の取り組みをご紹介します。ご登録は無料ですので、ぜひお申し込みいただき、マイクロソフトがどのように変革を促進しているかをご確認ください。

視覚化と GPU ワークステーション

Azure はデスクトップ仮想化のほか、コンピューター支援設計やコンテンツ制作、インタラクティブ レンダリングといったプロフェッショナル グラフィックスに欠かせない、さまざまな視覚化ワークロードを実現します。Azure 上の視覚化ワークロードは、NVIDIA の世界クラスの GPU と、世界有数のビジュアル コンピューティング プラットフォームである Quadro テクノロジによって支えられています。Azure クラウド上のグラフィックス ワークステーションへのアクセスにより、アーティストやデザイナー、技術担当者は、場所を選ばず、あらゆるコネクテッド デバイスからのリモート ワークが可能となります。NV シリーズの Windows 用仮想マシン (VM) についてはこちらのページを、Linux 用についてはこちらをご参照ください。

人工知能

ONNX Runtime (英語) の最新版の実行プロバイダーがリリースされ、NVIDIA TensorRT 7 (英語) が統合されたことをお知らせします。この更新により、ONNX Runtime はオープン形式の Open Neural Network Exchange (ONNX) モデルを Azure クラウドや Azure Stack Edge を使ったエッジにおいて NVIDIA GPU 上で実行するとともに、TensorRT 7 の動的シェイプや混合精度最適化、INT8 実行といった新機能を活用できるようになりました。

動的シェイプのサポートによりユーザーは可変のバッチ サイズを実行できるようになりました。これは、ONNX Runtime が RNN (再帰型ニューラルネットワーク) モデルや BERT (Bidirectional Encoder Representations from Transformers) モデルを処理する際に利用されます。混合精度と INT8 実行は GPU 上の実行を高速化するために利用されます。これによって ONNX Runtime は CPU と GPU 全体のパフォーマンスをさらに最適化できます。ONNX Runtime に統合された TensorRT は、2019 年 3 月に初めてリリースされ、同一ハードウェア上で一般的な GPU 支援よりも優れた推論性能を実現しています。

以上に加え、Azure Machine Learning サービスが、NVIDIA の CUDA プラットフォーム (英語) を利用したデータ サイエンス フレームワーク用高性能 GPU 実行アクセラレータである RAPIDS (英語) に対応しました。Azure 開発者は現在利用している他の機械学習フレームワークと同じように RAPIDS を使うことができます。また RAPIDS を Pandas や Scikit-learn、PyTorch、TensorFlow と併用することもできます。これらの 2 つの機能強化は真の意味でオープンかつ相互運用可能な AI エコシステムの実現に対する大きなマイルストーンとなります。マイクロソフトはこのプラットフォームの追加機能に取り組むことが Azure 開発者のエクスペリエンスを簡素化、強化できると考えます。

エッジ

マイクロソフトはインテリジェント エッジ ポートフォリオ内のさまざまなソリューションを提供することで、お客様に機械学習をクラウド上だけでなくエッジでも実行していただけるよう支援しています。そうしたソリューションの例としては、Azure Stack Hub や Azure Stack Edge、IoT Edge があります。

エッジでセンサー データを記録し推論するケースであれ、エンドツーエンドの処理を実行し Azure でトレーニングしたモデルをエッジで活用するケースであれ、マイクロソフトはいかなる場所、いかなる方法を用いるニーズにも対応することが可能です。

スーパーコンピューティングのスケール

絶えず変動する世界経済の中で、意思決定にかかる時間は非常に重要な要素となります。変化のペースの早まりを受け、企業はクラウド上およびエッジでの膨大なデータの収集、モデルのトレーニング、リアルタイムの推論に向けた新しい方法を探し求めています。Azure の HPC ポートフォリオは、専用に構築されたコンピューティング サービス、ネットワーキング サービス、ストレージ サービス、アプリケーション サービスから構成されており、データや処理に関するニーズをシームレスにつなぎ合わせるために役立ちます。また、さまざまなワークロード特性に向けて最適化されたインフラストラクチャ オプションも提供しています。

Azure Stack Hub のプレビューの発表

マイクロソフトは NVIDIA の協力の下、Azure NC シリーズの仮想マシン (VM) をサポートする Azure Stack Hub のプレビュー提供開始を発表いたします。Azure NC シリーズの VM は、エッジで利用できる GPU 搭載 Azure 仮想マシンです。Azure Stack Hub の GPU サポートによって、さまざまな新しいソリューションの機会が解き放たれます。Azure Stack Hub のハードウェア パートナーにより、お客様にはご自身のワークロードに適した GPU を選択して、人工知能やトレーニング、推論、視覚化などのシナリオを実現していただけるようになっています。

Azure Stack Hub はクラウドの機能全体を 1 つにまとめ、さまざまなワークロードを効果的に展開および管理します。こうしたワークロードを単一のソリューションにまとめ上げることは、Azure Stack Hub で初めて可能となります。プレビュー期間中には、2 種類の NVIDIA GPU 搭載モデルが提供されます。NVIDIA V100 Tensor コア GPU と NVIDIA T4 Tensor コア GPU の両モデルが利用可能です。これらの物理的 GPU は、Azure N シリーズ VM と以下のように対応します。

  • NCv3 (NVIDIA V100 Tensor コア GPU): 学習、推論、視覚化のシナリオを実現します。類似の構成例としては Standard_NC6s_v3 (英語) があります。
  • TBD (NVIDIA T4 Tensor コア GPU): この新しいサイズの VM (Azure Stack Hub のみで利用可能) は軽量の学習、推論、視覚化のシナリオを実現します。

Hewlett Packard Enterprise は同社の HPE ProLiant for Microsoft Azure Stack Hub ソリューションの一環として、マイクロソフトの GPU プレビュー プログラムをサポートします。HPE の HPE ProLiant for Microsoft Azure Stack Hub 担当 WW プロダクト マネージャーである Mark Evans 氏は次のように述べています。「HPE ProLiant DL380 サーバー ノードを使った HPE ProLiant for Microsoft Azure Stack Hub ソリューションは、GPU に対応し、GPU ワークロードに向けた最大限の CPU、RAM、オールフラッシュ ストレージ構成をサポートします。当社ではお客様にこの協業成果を利用して、GPU 能力を活かした新しいワークロードを探求していただけることを楽しみにしています。」 

世界トップのクラウド インフラストラクチャ プロバイダー1 である Dell Technologies は、組織がクラウドの複雑性を解消し、クラウド全体で一貫性のある運用モデルを展開できるように支援しています。マイクロソフトとの緊密な協力の下、Dell EMC Integrated System for Azure Stack Hub は、NVIDIA V100 Tensor コア GPU を搭載した 2U 筐体など、追加的な GPU 構成もサポートします。これによりお客様には、成長著しい予測分析および人工知能/機械学習市場に対応できる、高い性能密度と柔軟なワークロードを実現していただけます。これらの新しい構成には、自動化されたライフサイクル管理機能と、優れたサポートも付帯しています。

Azure Stack Hub の GPU プレビューへの参加をご希望の方は、すぐにこちらまでメールをお送りください。 

Azure Stack Edge のプレビュー

Azure Stack Edge Hi-Res

マイクロソフトはさらに、NVIDIA T4 Tensor コア GPU を利用した Microsoft Azure Stack Edge のプレビューの拡張も発表いたしました。Azure Stack Edge はクラウドで管理されるアプライアンスであり、高速なローカル分析とデータ洞察のための処理能力を提供します。NVIDIA GPU が追加されたことで、お客様にはクラウドでモデルを構築し、エッジで実行していただけるようになりました。この注目のリリースについては、こちらの詳細記事をご覧ください。

GTC Digital

マイクロソフトのセッションの録画は、GTC Digital (英語) のサイトで 3 月 26 日より視聴可能となります。マイクロソフトのデジタル セッションの一覧と、それに対応するリンクは、Microsoft Tech Community のこちらのブログ記事 (英語) よりご確認いただけます。


1 IDC WW Quarterly Cloud IT Infrastructure Tracker, Q3 2019, January 2020, Vendor Revenue