HPC 向けの Azure VM サイズとして新たに HB および HC を追加

2018年9月24日 に投稿済み

Principal Program Manager, Azure HPC

ハイパフォーマンス コンピューティング (HPC) を対象とする H シリーズの Azure 仮想マシンに、新しく 2 つのサイズが追加されました。新しい H シリーズの VM は、実際に存在する多様な HPC ワークロードを想定し、リーダー クラスのパフォーマンス、MPI スケーラビリティ、コスト効率を発揮するように設計されています。

1 つ目は、HB シリーズ VM です。流体動力学、陽解法有限要素法解析、気象モデリングなど、メモリ帯域幅が要となるアプリケーション向けに最適化されています。HB VM は、AMD EPYC 7551 プロセッサ コア数が 60、CPU コアあたりの RAM が 4 GB で、ハイパースレッディングはありません。AMD EPYC プラットフォームは、260 GB/秒を超えるメモリ帯域幅を特徴としています。これは x86 の同等のプラットフォームに比べて 33% 高速であり、今日ほとんどの HPC ユーザーがそのデータセンターで利用しているものの 2.5 倍の速度となります。

2 つ目は、HC シリーズ VM です。陰解法有限要素法解析、貯留層シミュレーション、計算化学など、高密度計算が要となるアプリケーション向けに最適化されています。HC VM は Intel Xeon Platinum 8168 プロセッサ コア数が 44、CPU コアあたりの RAM が 8 GB で、ハイパースレッディングはありません。Intel Xeon Platinum プラットフォームは、Intel Math Kernel Library など、Intel が持つ豊富なソフトウェア ツールのエコシステムをサポートし、ほとんどのワークロードで、全コア クロック速度が 3 GHz を超えます。

サイズ CPU コア メモリ: GB CPU コアあたりのメモリ: GB ローカル SSD: GiB RDMA ネットワーク: Azure ネットワーク
Standard_HB60rs 60 240 4 700 100 Gbps 40 Gbps
Standard_HC44rs 44 352 8 700 100 Gbps 40 Gbps

"r" は RDMA のサポートを表します。"s" は Premium Storage のサポートを表します。

これらの新しい VM はどちらも、Message Passing Interface (MPI) の突出したスケーラビリティと I/O パフォーマンス機能を共有しています。

新しい H シリーズ VM サイズはどちらも、Microsoft のテクノロジ パートナーである Mellanox の 100 Gb/秒 EDR InfiniBand を特徴としています。これは世界最高性能のスーパーコンピューターで採用されている HPC 相互接続技術と同じものであり、パブリック クラウドへの導入は Azure が初となります。新しい H シリーズ VM を支える InfiniBand のファブリックは、ノンブロッキング Fat Tree 型で、Low-Diameter 設計によって一貫した短い待ち時間が実現されています。Microsoft では、InfiniBand 向けに SRIOV も導入しており、ユーザーは、標準的な Mellanox/OFED ドライバーをベア メタルの HPC クラスターと同じように使用することができます。したがって、新しい H シリーズ VM では、すべての MPI タイプとバージョン (OpenMPIMVAPICH2Platform MPIIntel MPI など) およびすべての RDMA verb が公式にサポートされています。また、新しい H シリーズでは、人気のある Spark 分析フレームワークのアクセラレーション用に SparkRDMA もサポートされています。

新しい H シリーズ VM はさらに、サーバー ホストのノイズが HPC アプリケーションのパフォーマンスやスケーラビリティを阻害しないようにすることを意図した、HPC 向けに最適化されたハイパーバイザーを備えます。しかも、この新しいハイパーバイザーは、基になるプロセッサのトポロジをシリコン レベルで公開しています。つまり、ユーザーとアプリケーションは、ソフトウェア スレッドを特定の CPU コアに割り当てることで、データ移動を最小限に抑え、パフォーマンスを最大化することができます。

最後に、この新しい H シリーズ VM の特徴をもう 1 つ紹介します。あらゆるファイル サイズと I/O パターンで超高速の一時記憶域を提供する NVMe SSD です。新しい H シリーズ VM は、最新のバースト バッファー テクノロジ (BeeGFS BeeOND など) を使うことで、200 GB/秒を超えるピーク インジェクション I/O パフォーマンスを単一の Azure VM スケール セット全体で発揮します。新しい H シリーズ VM では、Azure Premium Storage もサポートされます。

HB VM と HC VM はどちらも、Azure CycleCloud によって最適な形でサポートされます。Azure CycleCloud は、Azure 上で HPC クラスターを作成、調整、管理するための最もシンプルな手段です。既存のオンプレミス クラスターと組み合わせて、2 つの新しい H シリーズ VM を対にして利用したいと考えるお客様向けに、Azure CycleCloud はハイブリッド HPC デプロイにも対応しています。新しい H シリーズ VM は、Azure Batch によるクラウドネイティブのバッチ処理でもサポートされます。

HB シリーズ VM は今年中に米国中南部の Azure リージョンから、また HC シリーズ VM は今年中に米国西部 2 の Azure リージョンから提供開始となります。その他のリージョンについても、順次 HB VM と HC VM がロールアウトされる予定です。 Azure をご利用のお客様は、こちらのフォームに必要事項を記入して、HB シリーズ VM と HC シリーズ VM のパブリック プレビューにご登録いただけます。