Azure HPC Cache: Azure とオンプレミス ストレージの間の待機時間を短縮

2019年9月9日 に投稿済み

Principal Program Manager

Microsoft は本日、Azure の新しいサービスとして、Azure HPC Cache サービスのプレビュー提供を開始しました。Azure HPC Cache を使用すると、大規模かつ複雑なハイパフォーマンス コンピューティング (HPC) ワークロードを Azure でより簡単に実行できるようになります。データセットのサイズや運用規模に応じて、既存のデータ センター インフラストラクチャにデータをテザリングすることがあります。Azure HPC Cache では、そのようなアプリケーションで発生する待機時間を短縮します。

オンプレミスや Azure に保存されているデータを利用して、HPC のパイプラインをスケールしましょう。Azure HPC Cache は、最も要件の厳しいファイルベースの HPC ワークロードを Azure で実行するために必要な、高パフォーマンスのデータ アクセスを実現します。ペタバイト単位のデータを移動したり、新しいコードを書いたり、既存のアプリケーションを変更したりする必要はありません。

Microsoft Azure Marketplace で入手できる Avere vFXT for Azure アプリケーションを使い慣れたユーザーの場合は、Azure HPC Cache を導入することで、同じ機能をよりシームレスに利用することができます。具体的には、Azure Portal および API ツールを使用してより簡単にデータにアクセスしたり、よりシンプルにデータを管理したりできるようになります。このサービスでは Azure API が活用されており、Azure HPC Cache サポート チームによってバック エンドでプロアクティブに監視されます。また、メンテナンスは Azure のサービス エンジニアが実施します。さて、最終的にはどのようなメリットがあるのでしょうか? Azure HPC Cache サービスは、Avere vFXT キャッシング テクノロジーが持つパフォーマンスのあらゆるメリットを、より低い総保有コストで提供します。

Azure HPC Cache は、オンプレミスと Azure 内の両方で検出したアクティブなデータを Azure 内で自動的にキャッシングする、という仕組みで機能します。これにより、オンプレミスのネットワーク接続ストレージ (NAS)、Azure NetApp Files を使用する Azure ベースの NAS 環境、または Azure Blob Storage で発生する待機時間を効果的に隠蔽します。また、このキャッシュにより、Portable Operating System Interface (POSIX) に準拠したディレクトリ構造内のファイルに対する、ハイ パフォーマンスかつシームレスなネットワーク ファイル システム (NFSv3) アクセスが実現します。さらに、複数のデータ ソースを集約された名前空間へと統合することもできます。この名前空間は、クライアントに対して 1 つのディレクトリ構造として表現されます。Azure のコンピューティング クライアントは、これらのデータを 1 つの NAS ファイラーで作成されたものであるかのように利用できます。

クラウドバースティング アプリケーションやハイブリッド NAS 環境に最適な Azure HPC Cache を利用することにより、お客様は、データセンターに配置された既存の Azure NetApp アレイや Dell EMC Isilon アレイにデータを保持できます。セキュリティまたはコンプライアンス上の理由から、データをオンプレミスで保管する必要があるものの、クラウド戦略も同時に立案している場合、または単純に大量のデータがオンプレミスにあって移動したくない場合など、いずれの場合でも Azure のコンピューティング サービスを最大限に利用することで、すぐに目的を達成できます。Azure Storage リソースにデータを移行する準備ができている、あるいはデータを移行できる、というユーザーの方々にとっても、ファイルベースのワークロードを簡単に実行できるというメリットがあります。Azure HPC Cache は、パイプラインをリフト アンド シフトするのに必要なパフォーマンスを実現するのです。

Azure で実行される HPC ワークロード向けに、ハイ パフォーマンスなファイル キャッシングを提供する Azure HPC Cache の図。 

クラウドへの移行を数か月ではなく数日で実現

HPC 向けの Azure HB シリーズおよび HC シリーズの HPC 向け仮想マシン (VM)Azure CycleCloud HPC ワークロード マネージャーなど、ほかの Azure サービスとAzure HPC Cache を組み合わせることで、大規模な移行を実施することなく、オンプレミス環境をクラウド内で迅速に再現し、オンプレミスのデータにアクセスできるようになります。また、Azure では HPC ワークロードを、オンプレミスのインフラストラクチャと同等のパフォーマンス水準で実行することも期待できます。

Azure HPC Cache サービスは、Azure Portal から簡単に開始し、管理できます。ネットワークの設定が完了し、オンプレミス環境で Azure に IP 接続できるようになれば、一般的に 10 分程度で Azure HPC Cache サービスを起動できます。数日間で HPC のジョブができるようになるとしたらどうでしょう? IT チームがデータ移行戦略を細かく調整したり、必要なデータをすべて移動したり、同期プロセスを完了したりするのを数か月待つ必要はないのです。

バースティングから完全移行まで、お客様の選択とペースに対応

ハイ パフォーマンスな Azure HPC Cache は、金融、政府機関、生命科学、製造、メディア、石油およびガスなどのさまざまな業界で、HPC アプリケーションに必要とされる大規模なファイル アクセスを実現します。このサービスは、1,000 から 50,000 のコンピューティング コアで実行される、膨大な読み出し処理が必要なワークロードに最適です。Azure HPC Cache は使用量に応じた従量課金方式のサービスであり、料金は Azure の請求書に加算されます。すべての処理が完了したら、無効化して課金を停止することもできます。

要件の厳しいワークロードにおいて、オンプレミスまたは Azure Blob で効率的なファイル アクセスを実現する Azure HPC Cache の図。クラウド オーケストレーション テクノロジーを併用した管理も可能。

Azure HPC Cache を導入することで、HPC ユーザーはよりシンプルに、そしてより経済的に Azure のリソースを利用できます。また、コンピューティング負荷の高いワークロードに対して、求められるパフォーマンスを過不足なくすばやく提供し、需要に応えることができます。まずは短期間の需要に対して Azure の性能を活用することから始めて、ハイブリッド NAS 環境を構築したり、完全なクラウド化を実現したり、Azure を永続的な IT インフラストラクチャとして利用したりしてはいかがでしょうか? Azure HPC Cache を利用することで、クラウド リソースを利用するのに求められる、シームレスなデータ アクセスを、お客様独自のビジネス ニーズやユース ケースに適した方法やペースで実現することができます。

Azure のエキスパートがメンテナンスを行う、実証済みのテクノロジー

Azure HPC Cache サービスは、一連のハイ パフォーマンス キャッシング ソリューションにおける最新のイノベーションであり、Avere Systems FXT Edge Filer の基盤テクノロジーに基づいて構築されています。このテクノロジーには、さまざまなユーザーがいて、グローバルなコミュニティがあります。英国のポストプロダクション スタジオのアーティスト、ポーランドの気象研究者、トロントのアニメーター、ニューヨークの投資銀行家、ケンブリッジとスイスの生命情報科学者など、世界でも最も要求が厳しい HPC を扱う多数のユーザーが利用しています。Azure HPC Cache は、最も需要が高いテクノロジーと、技術的な専門知識、そして Microsoft Azure チームによる卓越したサポートを組み合わせて成り立っています。

今すぐお試しください

Azure で HPC ワークロードを実行しませんか? Azure HPC Cache をプレビューする機会をお客様にご用意しています。簡単なアンケートにご回答いただければ、本サービスがお客様に合っているかどうか確認いたします。

Azure HPC Cache チームは、Microsoftのミッション「Cloud for all (すべての人へクラウドを)」の達成を支援すべく尽力しており、お客様と協力して、アイデアをソリューションへとすばやく転換するためのクラウドを設計します。ご質問がある場合は、AzureHPCCache@microsoft.com までメールでご連絡ください。