Azure ワークロードの最適化は、手間がかかると思われがちです。Azure サービスの多くは継続的に進化しているため、最新のベスト プラクティスを把握し実施することはもちろん、コスト効率の高い方法で運用し、高いセキュリティ、パフォーマンス、信頼性を維持させることは確かに簡単ではありません。
Azure サービスの多くでは、ベスト プラクティスとアドバイスを提供しています。Azure Security Center、Azure Cost Management、Azure SQL Database などがそうですが、そのベスト プラクティスを 1 つのソースにまとめ、最適化のための推奨事項を簡単に確認し、実施できる一元的な場所があったらいいと思いませんか? これに対応するために開発したのが、Microsoft Azure Advisor です。Azure Advisor は、高可用性、セキュリティ、パフォーマンス、コスト関連のリソースの最適化に役立つ推奨事項を Azure 全体から取り込み、独自のベスト プラクティスを提供するサービスです。
この記事では、Azure Advisor をリソース最適化のための単一の場所として活用し、Azure のメリットをさらに引き出す方法をご紹介します。
Azure Advisor とは?
Azure Advisor は、Azure のベスト プラクティスをパーソナライズし、それを各お客様にガイダンスとして提供するものです。お客様の実際の使用状況と構成を分析し、そこから推奨事項を導き出して、お客様の Azure リソースを可用性、セキュリティ、パフォーマンス、コストの面で最適化できるよう支援します。Azure Advisor の各推奨事項に含まれる提案のアクションと共有機能を利用すれば、すばやく簡単にその推奨事項を実施し、デプロイを最適化することができます。また、最も重要なサブスクリプションとリソース グループの推奨事項のみを表示するよう Azure Advisor を構成して、重要な最適化に集中的に取り組むこともできます。Azure Advisor には、Azure Portal、コマンド ライン、REST API のいずれかを使用してアクセスできます。お客様のニーズや好みに応じて選択してください。
Azure Advisor の最大の目標は、お客様が Azure を最大限に活用し、貴重な時間を節約できるようにすることです。Azure Advisor を Azure Security Center のような複数の補完サービスからベスト プラクティスを取り込める、最適化のための 1 つの中核的な場所にしたのは、そのためです。
Azure Security Center との統合
Advisor と最も新しく統合したのが Azure Security Center です。Azure Security Center では、優れたハイブリッド セキュリティ管理と脅威からの保護を実現できます。マイクロソフトは、物理、インフラストラクチャ、運用上のさまざまなコントロールを使用して Azure の安全性を確保していますが、ワークロードの保護には、さらにユーザーからのアクションが不可欠となります。Azure Security Center を使用すれば、セキュリティ体制をすばやく強化し、脅威から保護することができます。
Azure Security Center と緊密に統合することで、Azure Advisor では、セキュリティの推奨事項の確認と実施のための新たな最適化エクスペリエンスが可能になります。この統合による強化によって可能になったことは次のとおりです。
- Azure Advisor で直接、Security Center からのセキュリティの推奨事項の詳細ビューを確認できる
- Azure Advisor の REST API、CLI、PowerShell を通じて、セキュリティの推奨事項をプログラムによって取得できる
- Azure Advisor の Security Center からセキュリティ アラートの要約を確認できる
Azure Advisor の新しい Security Center エクスペリエンスを利用すれば、セキュリティの推奨事項をさらにすばやく簡単に実施できるようになります。
Azure Cost Management との統合
ベストな推奨事項を提供してくれるもうひとつの Azure サービスが Azure Cost Management です。Azure Cost Management はクラウドの可能性を最大限に高めながらクラウドのコストの最適化を支援してくれるサービスであり、支出を監視したり、組織のアカウンタビリティを向上させたり、クラウドの効率を引き上げることが可能になります。
Azure Advisor は、Cost Management とも緊密に統合されています。Cost Management との統合により、どちらのサービスからもコストの推奨事項を確認できるようになったため、予約や適正サイズを有効活用したり、アイドル状態のリソースを削減するなどして、クラウドのコストをより簡単に最適化できるようになっています。
これも、最適化をスムーズに進めるうえでとても有効です。
Azure SQL DB、Azure App Service などに備わるアドバイザー ツール
Azure ではアドバイスを得ることが欠かせません。SQL Database や App Service といった他の多くの Azure サービスには、Advisor のようなツールが備わっています。これらは、お客様がそれぞれのサービスのベスト プラクティスに沿ってクラウドのメリットを活用できるようにするために設計されています。
Advisor は各サービスから推奨事項を取り込み、お客様にそれらを提示します。お客様はその中から選べばよいだけです。最適化の状態は、たとえば、Azure SQL Database の特定のインスタンスなどのコンテキストの中で、または一元化された場所である Azure Advisor の中で確認できます。
多くの場合は、Azure Advisor のアプローチをお勧めしています。Azure Advisor を使用するほうが、より広範なコンテキストであらゆる最適化の状態を確認できるため、何か見過ごしていないかと心配をすることなく、全体像を見ながら推奨事項を実施することができます。そのうえ、別のリソースへの切り替えも不要なため、時間も節約できます。
Advisor を使用して、すべての推奨事項をまとめて確認しましょう。
マイクロソフトからのおすすめAzure Advisor をぜひ皆様のメインのリソース最適化ツールとしてご利用ください。1 つの場所に必要なものがすべて揃うため、個別の場所にアクセスする手間を省くことができます。Advisor API を使用すれば、チケット発行アプリやダッシュボードのような社内システムとも簡単に統合できるため、ユーザーは 1 つの場所から必要なすべての情報を取得して、独自の最適化ワークフローに接続できるようになります。
Azure Portal で Advisor にアクセスし、推奨事項の確認、共有、実施を行うこともできます。詳しいガイダンスについては、Azure Advisor のドキュメントを確認してください。Advisor に関するご提案がある場合は、こちらの Advisor フォーラム (英語) にぜひ投稿してください。