IoT Signals ヘルスケア レポート: IoT の可能性を解き放つ重要な機会

2020年3月6日 に投稿済み

Corporate Vice President, Azure IoT

ヘルスケア コストが全世界で上昇しています。この問題に対処するため、病院から地域の診療所に至るまで、さまざまな医療機関 IoT を用いたプロセスの合理化と、コストの最小化に期待を寄せています。ヘルスケア以上に最先端テクノロジの恩恵を享受できる業界はほとんどありません。また、ヘルスケア業界以上にリスクもリターンも大きい業界はほとんどありません。効率性を向上させるだけで生死を分ける程の大きな影響をもたらす可能性があるからです。

International Data Corporation (IDC) の予想では、2025 年までに、416 億台の IoT デバイスまたは "モノ" が接続され、79 ゼタバイト (ZB) を超えるデータが生成されますi。ヘルスケア業界で IoT は、品質を確保し、より優れた患者ケアにつながる有益なツールとして存在感を増しています。IoT は現在、デバイスのセキュリティに不具合があった場合に生死に関わる問題が発生するリスクがある状況において、慢性疾患から投薬量、医療機器に至るまで、すべてを管理する目的で利用されています。IoT を通じ、ヒューマン エラーの削減、安全条件の強化、スタッフの満足度向上、および組織の効率化を支援することで、結果的にヘルス アウトカムを改善することができます。

IoT Signals ヘルスケア レポートの洞察

本日、ヘルスケア業界に焦点を当てた IoT Signals レポート (英語)がリリースされました。内容は IoT の導入状況に関する動向についてです。この調査によりマイクロソフトは、パートナーや顧客に対してより素晴らしいサービスを提供できるとともに、業界リーダーが独自の IoT 戦略を策定できるよう支援することが可能になります。IoT の導入率や関連するテクノロジの動向、課題とメリットなど、IoT エコシステムに対する業界レベルの視点を伝えるために、マイクロソフトは、複数の国の大手ヘルスケア機関における意思決定者 152 人を対象に調査を実施しました。

この調査を通じて明らかになったことは、ヘルスケア業界における IoT の導入率が高い (89%) こと、そして IoT が成功に不可欠なものと評価されている一方で、ヘルスケア機関が依然としてスキル不足とともに、セキュリティ、コンプライアンス、そしてプライバシーの課題に直面しているという点です。以下に、調査結果を要約します。

  1. IoT は、ヘルスケア機関の安全性と効率性の向上に役立っている。センシティブで厳しい規制を受けるというヘルスケア業務の特性により、患者のモニタリングやクオリティの保証および後方支援での IoT の活用がかなり普及しています。IoT は、ヘルスケア機関が患者ケアを改善すると同時に、これらの領域でのクオリティを確保するのに役立っています。
  2. IoT の導入拡大に向け、ヘルスケア機関は規制やコンプライアンスの課題に対処しなければならない。ヘルスケア機関は、IoT 投資から高い費用対効果を求めると同時に、患者情報のプライバシー保護を継続し、進化し続ける規制標準に追いついていかなければなりません。変わり続けるデータ保護規制をめぐる課題を克服することは、ヘルスケア機関にとって重要です。現在、多くのヘルスケア機関が数えられないほど多くの標準を採用しています。相互運用性の標準については 8 割以上が HL7、DICOM、または CMS のいずれかを採用しており、HL7 FHIR と DICOM が最も広く採用されています。
  3. IoT 人材の不足。テクノロジの課題、長期的な取り組み、そして必要な投資を踏まえると、企業を問わず、IoT を軌道に乗せるのは容易なことではありません。人材やリソースの不足は、ヘルスケア機関の場合はなおさらです。実際に調査対象者の 43% が、成功を妨げる要因として予算と人材の不足を挙げました。また 34% がスキルを備えた人材と技術知識の不足について特に懸念を示していました。さらに 25% が、スケール能力や概念実証の失敗の主な要因がリソースと知識の不足であると回答しました。
  4. ヘルスケアにおける IoT の将来は、患者ケアを超えて利用対象が広がり、物流や業務の最適化で大きく成長していく。患者ケアを目的とした IoT の利用は拡大を続け、今後も一番のユース ケースとなる一方、意思決定者は、組織の物流や業務の側面をサポートできる強い可能性を IoT に感じています。今後、施設管理とスタッフの追跡で IoT の利用が大幅に伸びると予想されています。製造、物流、サプライ チェーン、品質などの従来の IoT のシナリオに患者ケアが新たに加わる中、意思決定者は、サプライ チェーン管理や在庫追跡、およびクオリティ保証におけるIoT の役割を強化することで、安全性とコンプライアンス、そして効率性が向上することを期待しています。

マイクロソフトが先頭に立って立ち向かう IoT の課題

Azure IoT プラットフォームを活用し、デバイスを接続そして制御することで、ヘルスケア機関はさまざまな形でメリットを享受できます。

  1. ヘルスケア コストの削減と、患者のモニタリングの簡素化。バッテリーの寿命やデバイスの全体的な正常性を含めて、ヘルスケア アプリケーションに接続された資産を継続的にモニタリングすることで、ヘルスケア プロバイダーは、時間や場所を問わずパーソナライズされた患者ケアを提供できるようになり、医療チームは患者の健康状態や行動をほぼリアルタイムに把握できるようになります。
  2. 医療機器の利用の最適化。医療スタッフは、クラウドで機器や備品、その他の資産を接続・追跡し、使用状況をモニタリングし配置を最適化することで、機器のダウンタイムや配置ミスを回避し、患者により多くの時間を割り当てることができます。
  3. 備品の事前補充。ヘルスケア施設は、デバイスをクラウドに接続し、在庫を事前に補充することにより、命を救うワクチンの保管や分配を監視、維持管理、自動化するためのコールド チェーンの追跡を通じて、安全性や有効性を一段と確保できるようになります。

クラウド コンピューティングは、これらすべてのアプリケーションに共通のメリットをもたらします。その例として以下のようなメリットが挙げられます。

  • ヘルス データのセキュリティに関する信頼性の向上
  • 大量のデータの保存と処理を実現するほぼ無限大のスケール
  • 新しいツール、より大容量のストレージ領域、またはより大規模なコンピューティング能力の利用におけるスピードの向上
  • リソースの経済的な利用
  • 自然災害によるものなど、需要の変動に応じたスケール アップとスケール ダウン

マイクロソフトの取り組み

マイクロソフトは、ヘルスケア顧客が IoT を用いて自らのビジョンを実現できるよう支援することに力を入れています。この取り組みは、IoT を簡素化し、安心できるものにするところから始まります。マイクロソフトの顧客は、患者アウトカムの改善につなげるための中核的戦略として IoT を採用しています。マイクロソフトは、この領域に多大な投資を行っており、2022 年までに IoT およびインテリジェント エッジのイノベーションに 50 億ドルの資金 (英語) を投入する予定です。また、IoT およびインテリジェント エッジにおけるパートナー エコシステムを 1 万社を超える規模に拡大させています。

マイクロソフトは、IoT を簡素化させ、世界のすべての企業が恩恵を受けられるようにするというビジョンを掲げています。マイクロソフトは最も包括的な IoT プラットフォーム サービスのポートフォリオを保有し、完全管理型のスケーラブルな IoT アプリ プラットフォーム Azure IoT Central で IoT ソリューションの開発をさらに簡素化する取り組みを押し進めています。IoT Central のアプリケーション テンプレート (患者の継続的なモニタリングを実現するヘルスケア テンプレートなど) を使用することで、ソリューション ビルダーは概念実証から実稼働までのプロセスを加速できます。マイクロソフトは、IoT School (英語)AI School (英語) を通じて、一般的なアプリケーションのパターンや展開に関する無料のトレーニングを提供し、ヘルスケア機関が IoT 開発者の堅牢な人材プールを確保できるように懸命に取り組んでいます。

ヘルスケア顧客にとってセキュリティは非常に重要です。Azure Sphere は、シリコンからクラウドまで網羅する包括的なセキュリティ アプローチを採用し、コネクテッド ホーム デバイスから医療・産業用機器に至るまで幅広いデバイスに組み込まれるコネクテッド マイクロコントローラー ユニット (MCU) 向けに安全性の非常に高いソリューションを提供します。Azure Security Center は、クラウドおよびエッジで実行されるシステム向けにセキュリティ管理と高度な脅威防止の統合機能を提供します。リアルタイム オペレーティング システム (英語) (RTOS) と統合された Azure Sphere は、データの規制要件を確実に満たすことで、リアルタイムの医療アプリが医療画像システムなどの IoT 医療デバイスのパフォーマンス向上につながるよう支援する、より優れたソリューションを提供します。

最後にマイクロソフトは、ヘルスケア顧客が IoT への投資を、インテリジェント エッジで AI によって さらに活用できるよう支援しています。Azure IoT Edge を利用することで、顧客はクラウド インテリジェンスを IoT デバイスに展開し、IoT デバイスで直接、単独でそれを実行することが可能になります。Azure Stack Edge は、Azure IoT Edge に基づいて構築されており、仮想マシンと大容量ストレージのサポートを追加します。

ヘルスケア機関の変革戦略の基盤として IoT を活用することで、患者ケア、安全性、そして財務面にも多大な好影響を与えることができます。マイクロソフトは、パートナーや顧客、そして幅広い業界がそれぞれ、成功や目的のある創作を妨げる障害に直面した際に必要な措置を講じて対処できるよう支援する取り組みに力を入れています。

IoT Signals ヘルスケア レポートの全文はこちら (英語) からご覧ください。ヘルスケア プロバイダーが未来に向けて、IoT で新たな機会を切り開けるようにするために、マイクロソフトがどのような支援を行っているかが分かります。


i Worldwide Global DataSphere IoT Device and Data Forecast, 2019–2023 (文書番号: US45066919)、2019 年 5 月