開発者である私たちは、組織のデジタル トランスフォーメーションを支援するアイデアを生み出し、コードを書くことで、時代を築いていく存在です。私たちは、数え切れないほどの破壊的な産業イノベーションを開拓し、ビジネスが困難な時代に耐えられるようにしています。あらゆる組織がビジネスを再考する中で、あらゆる組織の開発者がイノベーションを起こせるように Microsoft が支援することが、これまで以上に重要になっています。大企業から家族経営のビジネスまで、さまざまな規模の会社が、Microsoft Cloud 上に構築された革新的なソリューションを使用してビジネスの価値を引き出し、顧客のニーズに対応しています。
既存のアプリケーションの最新化、新しいインテリジェントなアプリケーションの構築、DevOps のベスト プラクティスを採用したクラウド向けの開発など、私たちのイノベーションの行程はそれぞれ異なります。Microsoft は、エンドツーエンドのクラウド プラットフォームにより、そのような独自の行程をサポートします。これにより、あらゆるアプリケーションに対応した構成要素や安全な基盤をすばやく簡単に構築することができます。Microsoft Ignite では、Microsoft Azure、Visual Studio ファミリ、GitHub、Power Apps を使用して、開発者がより効果的にイノベーションを進められるようにするための多くの新機能を紹介しています。
既存のアプリケーションを最新化する
パブリック クラウドの導入にあたっては、既存のアプリケーションを最新化することが共通の出発点となり、その将来性をどう見極めるかという点に話が集中します。特に、エンタープライズ アプリケーションを構築する開発者にとっては、ビジネスに支障をきたすことなく既存のソリューションを最新化することが重要です。そのために、多くのお客様はクラウドを利用して、最小限の変更でリファクタリングを行いながら回復性、スケーラビリティ、セキュリティ、運用コスト削減を実現したり、あるいは完全に再構築してアジリティとイノベーションの速度を向上させたりして、既存のアプリケーションを最新化しています。
Azure は、仮想マシン (VM) のリフトアンドシフトから、フル マネージドの PaaS サービスやデータベースを使用したアプリケーションの最新化、そして完全にコンテナー化されたマイクロサービスにいたるまで、アプリケーション最新化のためのさまざまなアプローチをサポートします。またお客様は、Microsoft のプラットフォーム サービスと完全に統合された Microsoft の包括的な DevOps ツールチェーンによって実現できる最新のアプリケーション開発プラクティスを利用して、最新化の前後およびその途中の運用を改善することができます。
Azure は、.NET アプリケーションの最新化に最適なクラウドであり、Windows と Linux の両方をネイティブにサポートする唯一のフル マネージド Web アプリ プラットフォームである Azure App Service には、何百万もの Web アプリがホストされています。先日、Windows コンテナー サポートの一般提供が開始されたことで、お客様は既存の幅広い .NET アプリケーションを Azure で実行できるようになりました。また、新しい App Service 上の Azure Reservations インスタンスを利用すると、これらのアプリケーションをオンプレミスで実行する場合と比較して、大幅にコストを削減することができます。この行程をさらに容易にするため、Microsoft は既存のアプリケーションを Azure に移行するための無料で使いやすいツールや、お客様の大規模で複雑な移行プロジェクトを支援する Azure 移行プログラムを通じたプログラム サポートも提供しています。
また Microsoftは、最新バージョンの .NET にアップグレードするためのステップバイステップの手順を提供する新しいコマンドライン ツール .NET Upgrade Assistant (現在プレビュー中) を導入することで、お客様のレガシ .NET コードベースの最新化を支援しています。Optimizely (Episerver) は、既にこのツールを利用して、ミッションクリティカルな .NET フレームワークベースの大規模な Windows アプリケーションを、クロスプラットフォームでハイパフォーマンスな最新の .NET 5 に移行しているお客様の一例です。
また Azure は、Java アプリケーションを最新化するためのさまざまなオプションを提供しています。Microsoft は、Java EE や Jakarta EE、Spring アプリを Azure で実行するための新しい機能を追加しています。これは、仮想マシンから、フル マネージドのコンテナー プラットフォームおよび Azure Spring Cloud のような PaaS サービスにいたるまで、多岐にわたります。
既存の Java EE アプリケーションを大幅に変更することなくデプロイできるように、Azure Marketplace では、Oracle WebLogic Server 用の自動化テンプレートが提供されています。また、Azure 上のマネージド ELK に集約されたログを分析する機能、アプリへのネットワーク アクセスを安全に管理する App Gateway、分散キャッシュを実現する Oracle Coherence などの新しい統合機能も間もなく提供される予定です。
ミッションクリティカルな Java アプリを Azure Kubernetes Service (AKS) に移行することでデジタル トランスフォーメーションを加速させた AIA Singapore のように、多くのお客様がコンテナーを利用して Java アプリを最新化しています。高度なカスタマイズを可能にしながら起動と実行を容易にするために、Microsoft は、AKS 上に WebLogic を、AKS または Azure Red Hat OpenShift 上に IBM WebSphere をデプロイするための新しいガイダンスと自動化スクリプトの提供を開始しました。さらに、新しい自動化ツールを使用して、Azure Migrate App Containerization で Apache Tomcat アプリを AKS に移行することができます。フル マネージド サービス エクスペリエンスを実現するため、Azure Spring Cloud により、Spring Boot アプリを構築および実行するための機能豊富なプラットフォームが提供されます。
ミッションクリティカルな Java アプリの管理を容易にするために、Azure Spring Cloud に 2 つの重要なエンタープライズ機能のサポート: マネージド仮想ネットワーク (VNET) でのインバウンドおよびアウトバウンドのネットワーク通信の完全な制御、および負荷やスケジュールに応じたアプリの自動スケールアップまたはスケールダウンによるコスト効率の向上が追加され、これらの一般提供が開始されました。
お客様がどのようにアプリケーションを最新化したとしても、Azure にはそれを支援するツールとサービスがあります。しかし、Microsoft はプラットフォーム上の技術的な機能やサポートだけがすべてではないことも理解しており、お客様に合わせて支援するための専門家によるサポートを継続的に提供し、改善しています。たとえば、Azure 移行プログラムは、アプリケーション最新化のサポートを拡大しており、.NET 以外のアプリ最新化シナリオの拡張セット (Java や LAMP スタックなど) を提供しています。さらに、Azure Migrate ツールでのコンテナー化が新たにサポートされるようになり、このプロセスを簡素化することができます。
新しいインテリジェントなアプリケーションを構築する
お客様は、クラウドネイティブ アーキテクチャを使用して、クラウド向けに設計されたアプリケーションを構築することで、ビジネスで新しい機能を利用できるようにし、顧客のエクスペリエンスを向上させることで、より速いペースでイノベーションを進めています。これらのアプリケーションのアーキテクチャは、コンテナー化、疎結合のマイクロサービス、統合された DevOps のベスト プラクティス、マネージド データベース、AI、および問題が発生する前に検出するための組み込みの監視をベースにしています。これらのアプリは一般的に、変化する負荷の量に適応し、ゼロダウンタイムのデプロイをサポートし、分散データへの低遅延でのアクセスを提供する、弾力性のあるインフラストラクチャによってサポートされています。
Azure は、クラウドネイティブ アプリケーションを構築するための幅広いサービスを提供しています。その中には、最も包括的なサーバーレス テクノロジのセットも含まれており、お客様はインフラストラクチャの管理ではなく価値の提供に集中しながら、最新のアプリケーションを構築することができます。Azure はユニークなエンドツーエンドのプラットフォームを提供しており、お客様は従来とは異なる開発者と連携してリッチなエクスペリエンスを構築することができ、組織は目の前のビジネス上の課題に最も近い人材を活用することができます。これらのサービスはすべて、Visual Studio ファミリから GitHub、Power Apps にいたるまで、開発者向けツールのポートフォリオと適切に統合されています。
このようなリモートファーストの世界では、企業は顧客のニーズに迅速に対応し、魅力的なエクスペリエンスを通じて顧客とつながり続ける必要があります。開発者は Azure Communication Services を使用すれば、モバイル アプリ、デスクトップ アプリケーション、および Web サイト内で、通話やメッセージングのエクスペリエンスを通じて、人々がさらに簡単につながれるようにすることができます。このフル マネージドの安全なコミュニケーション プラットフォームは Microsoft Teams でも利用されており、一般的な言語やプラットフォームに対応した柔軟な SDK や API にを使用することで、企業はわずか数日で安全かつグローバルなプラットフォーム上でリッチなコミュニケーション エクスペリエンスの構築を開始することができます。
今週初めに発表された、Azure Communication Services と Microsoft Teams (プレビュー版) の間の相互運用性を実現することで、Microsoft は企業が顧客とより緊密に関係を保つことができるよう支援しています。これにより、組織内のユーザーは、Microsoft Teams を使用して、カスタム アプリや Web サイトを使ってメッセージングや通話で顧客とコミュニケーションを取ることができます。また、Azure Communication Services を使用すると、カスタマー サポートや同様の応答シナリオを迅速に実現することができます。これは、Azure Bot Service (プレビュー中) を通じた新しいテレフォニー チャネルによって、従来の電話回線を介した会話型 AI エクスペリエンスが強化されるためです。今月末に一般提供が開始される予定の Azure Communication Services についての詳細をご確認ください。
クラウドに向けた開発
今日のグローバルな環境におけるデジタル トランスフォーメーションと組織の回復性は、開発者がイノベーションを推進するだけでなく、どこからでも革新的なアプリケーションを安全にコーディングし、コラボレーションし、出荷できるツールを提供できるかどうかにかかっています。Microsoft のエンドツーエンドの開発者エクスペリエンスと完全に統合されたツールにより、開発者は信頼性の高い、グローバルで安全なアプリケーションを迅速に作成することができます。Microsoft はスキルレベルを問わず、すべての開発者のために、最新の開発手法や新興のトレンドをツールに取り入れることに真剣に取り組んでいます。このプラットフォームは、クラス最高のツール、あらゆる言語に対応した SDK、継続的コラボレーションとデリバリーをサポートするプラットフォーム、そしてローコード ソリューションを通じた迅速なアプリケーション開発を可能にする Power Platform を提供します。プロの開発者も市民開発者も、それぞれの仕事のやり方をサポートする最新のテクノロジと最先端のツールチェーンにアクセスでき、それらすべての人々が好みのツールを使ってアプリケーションを作成することができます。
Microsoft Azure、Visual Studio ファミリ、GitHub のすべてがシームレスに連携し、あらゆる組織の開発チームがより生産的に構築できるようになります。開発者は、クラウド型の開発環境を利用することで、どこにいても柔軟に作業を行うことができ、あらゆるデバイスが開発マシンになります。また、分散したチームでも摩擦なく共同作業を行ったり、自然な方法でオープンソース コミュニティとコラボレーションしたりすることができます。また、パフォーマンスを監視できるサービスやツールを利用することで、自信を持ってコードを安全に出荷および保守することができます。
Visual Studio は、世界中のプロフェッショナルな開発者に愛用され続けているツールですが、一般提供が開始された Visual Studio 2019 バージョン16.9 の新機能により、その生産性がさらに向上しています。統合開発環境 (IDE) に組み込まれた Git ワークフロー エクスペリエンスが改善されたことで、開発者は Visual Studio 内から Git リポジトリを作成したり、クローンを作成したりできるようになりました。新しい Git エクスペリエンスには機能豊富な Git リポジトリ ウィンドウが用意されており、リポジトリの全履歴を簡単に視覚化することができます。また、マージ コンフリクトが発生した場合には、Git Changes ツールによりマージされていない変更点が明確に一覧表示されます。また、.NET Core アプリケーションを IDE から直接簡単に Azure にデプロイできるようになりました。Visual Studio では、コミットごとに自動的にアプリをビルドして Azure にデプロイする GitHub Actions のワークフロー ファイルが生成されるようになりました。Linux をターゲットにしている .NET Core 開発者のために、.NET Core Debugging with Windows Subsystem for Linux (WSL) 2 機能を使用して、Visual Studio を離れることなく WSL 2 で直接 .NET Core アプリをデバッグできるようになりました。今すぐ Visual Studio 2019 バージョン 16.9 をダウンロードするか、バージョン 16.10 のプレビューを開始してください。
Microsoft は世界中のお客様と緊密に連携し、クラス最高の開発者ツールの導入を検討している開発チームを支援しており、リモート開発者の生産性など、変化するソフトウェア開発のニーズをサポートしています。たとえば、Carhartt は、配送に関する意思決定や、電話やオンラインでの突然の大量注文に対応できるよう、リモートで作業できるようにしながら開発者を既存のツールにすばやくに移行する必要がありました。Microsoft は Carhartt と提携し、Visual Studio Code や Azure などの必要なすべてのツールを使用して、どこでも、どんなデバイスを使用しても安全に作業できるように開発チームをサポートしました。Carhartt の開発者は、自分たちがよく知っているツールや環境を使用して、シームレスかつ安全にどこからでも作業できるようになったことで、ビジネスの継続性を確保し、開発者の生産性を向上させることができました。
ソフトウェア開発は絶えず進化しており、開発ツールも最新の開発ワークフローの変化を反映する必要があります。アプリの中には、より多くの制御とカスタム コードを必要とするものがある一方で、ローコード アプローチによってより迅速に作成できるアプリケーション (基幹業務アプリなど) もあります。また、Power Apps を使用したローコード アプリケーション開発のおかげで、プロの開発者でなくても、ビジネス上の問題に最も近い人がこれまで以上に簡単に Azure でイノベーションを起こすことができるようになりました。また、お客様からのご意見にお応えして、Excel の数式を使用したローコードのプログラミング言語の開発も進めており、今年末には提供を開始する予定です。Power Platform については、コネクタやデータ統合の制御をさらに強化しています。たとえば、高度な Azure Security Center の機能を利用して、Azure API Management コネクタにデータ損失防止ポリシーを適用したり、Azure Policy を使用してコンプライアンス ポリシーを構成および適用したりすることができます。また、Power Platform との共有データ レイクを持つ Azure Synapse を使用することで、Power Apps からのデータを分析し、分析情報を得ることもできます。
すべての開発者に力を与える
今日の環境では、開発チームと優れたソフトウェア開発は、ビジネスの成功にとってこれまで以上に重要となっています。組織がソフトウェア エクセレンスによってビジネス パフォーマンスを加速させる方法を確認できるよう、Microsoft は新しい開発者のベロシティ レポートに加え、開発者のベロシティ評価ツールの更新版をリリースします。詳細については、最新の業界リサーチをご覧ください。
アプリケーションのイノベーションと最新のアプリケーション開発とは、これまでとは異なる方法でアプリケーションを構築し実行することです。開発者がアプリケーションを最新化し、新しいインテリジェントなアプリケーションを構築し、クラウドに向けて開発できるように、Microsoft はすべての開発者に最も包括的な開発者ツールキットとプラットフォームを提供し、どこにいてもそれを利用できるようにしています。Microsoft Ignite でのセッションでは、素晴らしいデモでそのすべての実際の動作をご覧いただけます。最新の情報は、Azure.com をご覧ください。
Azure。目的を持って創造する。