最新情報 第 3 回: Azure によるビジネス継続性

2020年4月23日 に投稿済み

クラウド サービスの継続性に関する記事に対し、反応を寄せてくださった皆様に感謝いたします。多くの方々から、この情報は参考になるという感想をいただくことができました。私たちは今後も、新しい情報が入り次第、追加の記事を投稿してまいります。

マイクロソフトでも、社内の大部分で仕事と私生活の方式に変更が加えられています。そうした状況の始まりから 7 週目を迎える中で、私たちは生活、仕事、学習、コミュニケーションの新しいあり方について学んでいます。また皆様、すなわちお客様やパートナー様からも学んでいます。私たちは一丸となってこの状況に適応すべく、皆様からのフィードバックや、マイクロソフトの広範なクラウド サービスにお客様からお寄せいただいているご信頼を、ありがたく受け止めております。

世界的な医療危機の中で奮闘中のファースト レスポンダー (消防、警察、救急など) に奉仕するテクノロジ界のファースト レスポンダーとして、また今後もテクノロジ投資から期待通りの価値を引き出せることを保証する信頼されるクラウド プロバイダーとして、またニーズの変化に適応しようとする組織の支援に取り組む企業として、マイクロソフトは、この変化の続く時期でも、働かれている方々に最大限円滑に業務を進めていただけるよう、必要なサポートの提供に妥協を許しません。

注力対象を最適化するため、マイクロソフトでは引き続き、次の 2 つの主要領域に重点を置いて取り組んでいます。

  1. お客様の最も差し迫ったニーズに対応する
  2. Microsoft Azure が今後も新しい需要に対してスケールし続けられることを保証する

マイクロソフトは世界中の組織、企業、およびそこで働く方々のために、上記の継続性に関する 2 領域をサポートしています。ここでは、マイクロソフトがそのために行った取り組みについて情報を共有いたします。

お客様の最も差し迫ったニーズに対応する

クラウド サービスのポートフォリオ全体を通して、マイクロソフトは世界中の様々なお客様や組織と協力しています。その業務分野や顧客ニーズはそれぞれ異なりますが、皆様がクラウド プロバイダーに求めているものには共通点があります。昨今の最も差し迫ったニーズを反映して共通テーマとなっているのは、リモート ワーク、遠隔学習、リアルタイム洞察、およびアナリティクスです。

以下に、現在進行中の取り組みをいくつかご紹介します。

世界中の企業と学校が、従業員や生徒の安全と健康を重要視している現在、Auzre 上で動作する Microsoft Teams はビデオ会議、通話、チャットを通じ、従業員や生徒のつながりの維持において重要な役割を担っています。マイクロソフトは 1 日あたりの会議時間が延べ 27 億分という新記録を確認しています。Teams を使用している組織の例として、St. Luke’s University Health Network (英語) があります。この組織は、ペンシルバニアおよびニュージャージー州にある 10 の郡に住む約 100 万人にサービスを提供しています。この組織では、Teams を通じてわずか数週間で働き方と患者ケアの提供方法を変革し、3 月中旬から 75,000 件以上のバーチャル診察を実施してきました。こうすることで、クリティカルな外来患者診療を継続すると同時に、COVID-19 の蔓延から患者と医師の両方を保護したり、マスクや手袋のような貴重な資源を維持することができました。また、医療従事者が感染患者と Teams を通じてやり取りできるよう、病室にタブレットが設置されました。こうすることで、患者とケア提供者が顔を合わせてつながり続ける一方で、蔓延も最小限に抑えることができています。

HoloLens 2Dynamics 365 Remote Assist は、最前線の看護師や (Thomas Gregory 博士 (英語) などの) 医師が利用しています。その目的は、支援スタッフのリモート参加や、有用な患者データおよび医療記録へのアクセスを通じ、患者に対する専門的サポートを確保するとともに、社会的距離の維持と接触の最小化も同時に達成することにあります。また今までにない試みとして、ケース ウェスタン リザーブ大学医学部 (英語) の新入生 185 名全員が、キャンパスに集まって演習する代わりに、HoloLens と同大学の手による複合現実ソフトウェア HoloAnatomy とを利用しています。これは、パンデミック中は物理的な距離を確保しなければならないことを意識した取り組みです。

数百の医療機関が病院に Power Platform 緊急対応ソリューション (英語) を導入しています。このソリューションは、病院管理者用のリソース追跡ツールや意思決定支援ツールを分析および改善することを目的として、シアトル地域の Swedish Health Services と共同開発したものです。

マイクロソフトの Nonprofit Data Warehouse Quickstart (英語) の取り組みは、Azure Synapse Analytics のような Azure の分析サービスを容易に展開できるよう、非営利団体を支援しています。また世界保健機関の水と衛生 (英語) に関するデータ リポジトリ、国際援助透明性イニシアチブ (IATI) (英語) のデータ標準に沿ったデータ、非営利団体用の共通データ モデル (英語) といったサンプル データセットを統合し、事前に構築済みの Power BI テンプレートを提供しています。

マイクロソフトは先日、患者からの大量の要求により効率的に対処できるよう医療組織を支援するツール Dynamics 365 Healthcare Accelerator Patient Scheduling and Screening Template (英語) を発表しました。このテンプレートは COVID-19 関連の情報ポータルに向けたアクセスや、患者がリスク判断のために容易に利用できる自己評価ツール、診療予約および COVID-19 のスクリーニングのための自動化されたプロセスを提供します。

Emergency Medical Services Copenhagen (英語) は、デンマークの人口の約 3 分の 1 に対する緊急医療を提供しています。COVID-19 の流行が始まった直後に、同組織の緊急回線に対する通話は 2 倍近くに増え、COVID-19 の症状を心配した人々や、この感染症に質問がある人々から、3 月初旬時点で 1 日あたり約 2,000 件の通話が寄せられるようになりました。Emergency Medical Services Copenhagen は、多くの医療組織と同様に、ヨーロッパをはじめとする地域において、コロナウイルスの感染者発見や治療に向けたスクリーニングのためにマイクロソフトの医療ボット (英語) サービスを導入しました。

Azure が今後も新しい需要に対してスケールし続けられることを保証する

現在のパンデミックは、クラウド コンピューティングがいかにして新しい課題に迅速に対応できるかを証明する優れた例となっています。Teams やその他の Microsoft 365 製品、Dynamics 365、Azure といったマイクロソフトのクラウド サービスのすべてが、この前例のない不確実な時期を通じて試されることとなりました。私たちは、この時期を通じて先に言及したようなお客様へサービスを提供できることに、大きな誇りを感じていますが、また一方で、そうしたサービスにまったく問題がなかったわけではないことも認識しています。マイクロソフトではあらゆる状況に対応できるよう、これからも設計と運用の改善を続けてまいります。ここでは、実施中の機能強化をご紹介する前に、Azure の構築と運用にあり方に関する背景をいくつかご説明します。

Azure は、迅速なスケールによって需要の急増に対応できるように設計されています。この数年間、マイクロソフトは Azure のサービスに対する驚くほどの需要を目の当たりにしてきました。これに対応するため、私たちはデータセンターの規模の拡大を続け、世界全体で 58 のデータセンター リージョンを設置するに至りました。平常時の予測した高成長率に対処するため、私たちは独自のインフラストラクチャ コンポーネントを設計および調達する (また Open Compute Project を通じてその設計をコミュニティに還元する) とともに、需要およびサプライ チェーンの戦略的予測モデルを綿密に管理しています。基本的に、マイクロソフトはどの Azure リージョンでも、データセンター内でほぼ瞬時に利用できる予備のキャパシティを確保しているほか、需要の大きいリージョンに送れるよう準備された、追加的な予備のインフラストラクチャも保管しています。

先月には、リモート ワークやリモート教育のための Teams の利用がパンデミックをきっかけとして急増し、前例のないレベルにまで達しました。これまでも特定のデータセンター リージョンや、より広い地域において、自然災害などを受けて利用が急増したことはありましたが、今回 Teams への需要がアジアで、そしてすぐにヨーロッパで大幅に高まったことからは、私たちがこれまでと全く違った、次第にグローバル化する事態を目の当たりにしていることが示唆されていました。新たな需要の正確な規模が不明だったため、マイクロソフトでは万全を期したアプローチを取り、新規の Azure サブスクリプションに対して一時的なリソース制限を課しました (既存のお客様のサブスクリプションには、こうした制限は適用されていません。Azure のお客様の各アカウントには、アクセスできるサービスのクォータが定められているためです)。こうすることで、既存の Azure のお客様に約束されたクォータを提供し続けるとともに、パンデミック対応の最前線にある生命および安全関連組織の新たなニーズに優先的に対応できたほか、Teams でのリモート ワークやリモート教育に向けた劇的なシフトを支えることもできました。

今回の Teams への需要急増を受け、マイクロソフトはクラウド インフラストラクチャとネットワークの需要増加に対応することを目指し、速やかに以下のような処置を講じました。

  • Teams アーキテクチャの最適化と負荷分散を行い、カスタマー エクスペリエンスを妨げることなく、この機能強化を (Azure DevOps を利用して) 速やかに世界中に展開しました。この処置は永続的なものであり、Azure のお客様によるキャパシティのニーズを圧迫することなく、Teams の急成長を進めるようになっています。
  • データセンターのスタッフやサプライ チェーン パートナー様の安全と健康を確保しながら、制限に直面した特定地域において、サーバー キャパシティの追加を急いで進めました。
  • お客様のクォータ要求のバックログを承認しました。これについては日々迅速に進めており、ほぼすべてのリージョンで、今後数週間のうちに完了させる予定です。
  • 誰もが Azure の機能について学び、新たなスキルを開発できるよう、いくつかの地域で新規の無料および特典サブスクリプションに対する制限を撤廃しました。
  • Azure の需要モデルをさらに改良しました。マイクロソフトのデータ サイエンス モデルは、将来の需要をよりよく予測するために、今回のパンデミックからの教訓を利用しています。例えば、世界中での同時的な需要急増を引き起こす、パンデミックのような将来のグローバルな出来事に対処するためのサポートをさらに追加しています。

マイクロソフトは、オペレーショナル エクセレンスへの注力を続けています。これからも、この状況下の皆様をサポートするために学んでいることや実行していることについてお知らせしていく予定です。