企業はますます AI でビジネスの変革を目指しており、Microsoft は、開発者やデータ サイエンティストが容易にアプリケーションへ AI 機能を直接デプロイ、管理し、保護できるよう、Azure AI を継続的に強化しています。重点を置いているソリューション領域は次のとおりです。
- 予測モデルの構築およびトレーニングのための機械学習の活用。Azure Machine Learning によってビジネスの生産性を高めます。
- AI による検索エクスペリエンスおよびインデックス作成テクノロジの適用。Azure Search によって迅速に情報を見つけ、分析情報を収集します。
- ビジョン、音声、言語、検索、ナレッジなどの構築済みおよびカスタムの AI 機能を統合するアプリケーションの構築。Azure Cognitive Services と Azure Bot Service によって、より魅力的でパーソナル化されたエクスペリエンスを実現します。
Azure Cognitive Services の複数の更新についてお知らせします。引き続き、Azure は AI の構築に最適です。新しい Anomaly Detector サービスのプレビューを紹介します。このサービスは、AI を使用して問題を特定し、企業が損失や顧客への影響を最小限に抑えられるようにします。イメージ内のオブジェクトをより正確に識別するための Custom Vision の一般公開についても発表します。
音声認識から翻訳、テキスト読み上げ、イメージとオブジェクトの検出まで、Azure Cognitive Services を使用すると、開発者はどのようなシナリオでもアプリケーションにインテリジェントな機能を容易に追加できます。これまでに、100 万人以上の開発者が既に Cognitive Services を見つけて試し、アプリケーションでの画期的なエクスペリエンスを加速させています。
AI サービスを使用した異常検出
Anomaly Detector は新しい Cognitive Service です。クレジット カード詐欺などの問題の特定につながる可能性がある、データ内の異常なパターンや極めてまれなイベントを検出することができます。
現在、Azure およびその他の主要 Microsoft 製品で 200 以上のチームが Anomaly Detector を使用し、リアルタイムで異常を検出し、トラブルシューティングを迅速化することでシステムの生産性を高めています。開発者は単一の API を使用して異常検出機能をアプリケーションに容易に埋め込んで、高いデータ精度を確保し、発生後すぐにインシデントを自動的に明らかにすることができます。
一般的なユース ケース シナリオには、ビジネス上のインシデントとテキスト エラーの識別、IoT デバイス トラフィックの監視、不正行為の検出、変化する市場への対応などがあります。たとえば、コンテンツ プロバイダーは、Anomaly Detector を使用して、顧客の KPI に固有のビデオ パフォーマンス データを自動的にスキャンして、問題をすぐに特定することができます。または、ビデオ ストリーミング プラットフォームで Anomaly Detector を数百万のビデオ データ セットに適用すれば、メトリックを追跡できます。ビデオ パフォーマンスが 1 秒低下すると、プラットフォームで収益を得ているコンテンツ プロバイダーにとって大きな収益損失となる場合があります。
Custom Vision: イメージに対する自動機械学習
Custom Vision の一般公開により、企業はビジネス運用を変革して迅速かつ正確にイメージ内のオブジェクトを識別できるようになります。
機械学習を行う Custom Vision により、開発者は独自の画像分類器を容易かつ迅速に構築、デプロイ、改善し、画像内のコンテンツをすばやく認識できます。開発者は、シナリオで最も重要なものを認識するように独自の分類器をトレーニングする、またはこれらの独自の分類器をエクスポートして、エッジ上の iOS (CoreML 内)、Android (TensorFlow 内)、その他の多くのデバイスでオフラインおよびリアルタイムでその分類器を実行することができます。エクスポートされたモデルは、モバイル デバイスの制約に従って最適化され、高い精度を維持しつつ優れたスループットを実現します。
現在、Custom Vision をさまざまなビジネス シナリオに使用することができます。Minsur はペルーに拠点を置き、スズ鉱山の採掘などを行う西半球最大の会社であり、Custom Vision を導入して採掘活動を持続可能なものにしています。処理における泡のレベルを検出することで、採掘に使用された水が適切に処理され、農業や畜産で再利用されるようにしています。Minsur は、Cognitive Services の Custom Vision と Azure ビデオ分析を組み合わせて使用して、手作業が大半であったプロセスを置き換えました。これにより、従業員は業務内のより戦略的なプロジェクトに集中できるようになります。
Custom Vision プラットフォームのスクリーンショット。イメージ内の固有のオブジェクト (ブランドのロゴなど) を検出するようにモデルをトレーニングできます。
本日から、Custom Vision では次の機能強化が提供されます。
- 高品質モデル – Custom Vision には、新しい機械学習バックエンドによって、特に高度な処理が必要になるデータセットや詳細に設定された分類でのパフォーマンスを高める、高度なトレーニングが搭載されています。高度なトレーニングにより、コンピューティング時間予算を指定することができます。Custom Vision は、最適なトレーニングおよび拡張設定を試験的に特定します。
- 容易な反復 – Custom Vision では、開発者は 3.0 REST API および SDK によってコンピュータのビジョン機能をアプリケーションに容易に統合できます。エンドツーエンドのパイプラインは、モデルの反復改善をサポートするように設計されています。このため、モデルを迅速にトレーニングし、実際の状況でのプロトタイプを作成し、得られたデータを使用してモデルを改善でき、モデルをより迅速に実稼働品質にすることができます。
- クラウド内でのトレーニング、任意の場所での実行 – エクスポートされたモデルは、モバイル デバイスの制約に従って最適化され、高い精度を維持しつつ優れたスループットを実現します。また、分類器をエクスポートして、Raspberry Pi 3 向けの Azure Resource Manager (ARM) および Vision AI Dev Kit をサポートすることもできます。
詳細については、Custom Vision Service リリース ノートを参照してください。
今すぐ使用を開始する
本日のマイルストーンは、アプリケーション開発を簡素化するエンタープライズ グレードのツールや、顧客データの保護に関する業界トップクラスのセキュリティとコンプライアンスによって、Azure AI プラットフォームをあらゆるビジネス シナリオに適したものにするという Microsoft のコミットメントを示すものです。
視覚サービスや検索サービスのインテリジェント アプリの構築を開始するには、Cognitive Services サイトをご覧ください。