マイクロソフトと Qualcomm、Vision AI Developer Kit で AI の活用を加速

2019年9月3日 に投稿済み

Principal PM Manager

人工知能 (AI) のワークロードは、メガバイト単位のデータから数百万件の計算処理に及びます。現在では、ハードウェアの技術革新により、時間的制約の厳しい AI ワークロードをエッジで実行、出力をクラウドに送信し、下流のアプリケーションで利用することも可能になりました。AI をエッジで処理することで、建設現場の作業員 1 人ひとりに対するヘルメット着用の確認、店舗商品の在庫切れ検知など、さまざまなビジネス シナリオが可能になります。

一方、こうしたシナリオをサポートするハードウェア、ソフトウェア、AI モデルの連携は、常に簡単とは言い難い状況が続いていました。マイクロソフトはこの壁を乗り越え、インテリジェント エッジにおける AI 推論を促進する開発者キットを Qualcomm と共に昨年発表 (英語) いたしました。本日は、この Vision AI Developer Kit (英語) の一般提供を正式に開始したことを発表いたします。この開発者キットには、Qualcomm の Vision Intelligence 300 Platform を使用するカメラに加え、Azure IoT EdgeAzure Machine Learning を使用したインテリジェント エッジ ソリューション開発に必要なソフトウェアが同梱されています。Vision AI Developer Kit は、エンドツーエンドの Azure 対応ソリューションをサポートし、リアルタイムの画像処理をエッジ デバイスのローカルで実行でき、モデルのトレーニングと管理を Azure 上で実行できます。マイクロソフト パートナー eInfochips が製造する Vision AI Developer Kit は、現在 Arrow Electronics (英語) よりご注文いただけます。

Vision AI Developer Kit を使用すれば、現在の機械学習のスキル レベルに関係なく、インテリジェント エッジにビジョン モデルを数分でデプロイできます。利用を開始するには 3 つの方法があります。コードを使用せず Azure Cognitive Services の Custom Vision を利用する方法、Azure Machine Learning でカスタム モデルを構築する方法、Visual Studio Code (英語) の完全統合型の開発環境を利用する方法です。ここからはこれら 3 つの選択肢について詳しく説明します。

Azure Cognitive Services が可能にするコード不要の開発

Azure Cognitive Services が提供するサービス Custom Vision を活用すれば、データ サイエンティストでなくてもコンピューター ビジョン モデルを独自に構築できます。データのアップロードから、画像のタグ付けといったカスタム ビジョン モデルのトレーニングやデプロイメントまで、わかりやすいインターフェイスで段階的に進めることができます。Vision AI Developer Kit と Custom Vision を統合すれば、Azure IoT Hub を使ってカスタム ビジョン モデルを Vision AI Developer Kit に直接デプロイできます。このカスタム ビジョン モデルに対し、カメラの Snapdragon Neural Processing Engine によるアクセラレーションを実行することで、オフラインでも画像分類を高速で実行できるようになります。 

Azure Machine Learning との統合 (データ サイエンティスト向け)

Azure Machine Learning は、コード主体の手法、ドラッグ アンド ドロップによる視覚的操作、機械学習の自動化など、ユーザーのニーズに対応したさまざまなツールで、機械学習モデルの構築、トレーニング、デプロイメントを効率化します。Vision AI Developer Kit では、データ サイエンティストが Azure Machine Learning を使用してカスタム モデルを構築し、同梱のカメラにデプロイできます。

Azure Machine Learning を使用する場合は、Jupyter ノートブックで提供される実装サンプル (英語) をご活用ください。Azure Blob Storage へのトレーニング データのアップロード、転移学習テストの実施、トレーニング済みモデルの変換と Vision AI Developer Kit プラットフォームとの互換性確保、Azure IoT Edge 経由のデプロイメントなど、このサンプルを参考にさまざまな手順を実行できます。

Visual Studio Code との統合 (開発者向け)

開発者は、Visual Studio Code (英語) が提供する統合開発環境でコードを管理し、Azure の各種サービスをプラグイン経由で利用できます。マイクロソフトは、Visual Studio Code を利用する開発者向けに GitHub リポジトリを用意しています。サンプルの Python モジュール、事前設定済みの Azure IoT デプロイメント構成、コンテナーの作成およびデプロイ用 Dockerfile などを、ここから利用できます。Visual Studio Code では、サンプル モジュールに変更を加えたり、モジュールを独自に作成してコンテナー化し、カメラにデプロイしたりすることができます。

Visual Studio Code 向けの Vision AI DevKit 拡張機能 (英語) をインストールすれば、クラウド管理デバイスとして Vision AI Developer Kit を最大限に活用できます。  この拡張機能により、モジュールのデプロイ、デバイスからのメッセージの確認、Azure IoT Hub の管理などを、すべて使い慣れた開発環境から実行できます。さらに Visual Studio Code では、独自の Azure ソリューションにビジネス ロジックを追加し、IoT Hub を使ってカメラからの情報を利用したり、Azure Stream Analytics を使ってカメラのデータを正規化したデータ ストリームに変換したりすることができます。

次のステップ

Arrow (英語) の製品ページにアクセスして、Vision AI Developer Kit をご注文ください。詳しくは、Vision AI DevKit のページ (英語) をご覧ください。