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"ヘルスケアにおけるデータ アジリティ" という言葉からは素晴らしいことが実現できる印象を受けますが、ヘルスケア業界ほどデータ エコシステムが高度で複雑な分野は他にほとんどありません。データ アジリティへの道筋が、はっきりしないこともあります。ヘルスケア業界のリーダーは、データ管理のあり方を変革するため、Fast Healthcare Interoperability Resources (FHIR) のようなオープン標準に対応したクラウド テクノロジを優先的に求めています。ヘルスケアの未来は、オープン標準によってけん引されることになります。マイクロソフトはこのたび、FHIR 対応ポートフォリオの拡張についてお知らせします。相互運用性の確保や保護された医療情報 (PHI) のセキュアな交換を推進されているお客様には、その取り組みのさまざまな段階で、以下の新しいオープンソース ソフトウェア (OSS) やコネクタをご活用いただけます。

ヘルス データをオープン形式である FHIR で活用できるようにすることで、ヘルスケアの未来に向けたイノベーションが可能となります。Microsoft Azure API for FHIR は 2019 年 11 月に一般提供が始まりました。Azure は、FHIR 形式のヘルス データに対応したフルマネージドのエンタープライズグレード サービスを提供する、初のクラウドとなりました。それ以降、FHIR API によってより一段とセキュリティを確保しながら、PHI に向けたエンドツーエンドのパイプラインをクラウドへ容易に展開できるよう、マイクロソフトは顧客と積極的に協力を続けてきました。在宅環境における患者のリモート モニタリングや臨床試験でも、そしてチームによる研究でも、常に求められるのは信頼できる環境下でのシームレスなデータ フローです。マイクロソフトは FHIR API というオープンかつセキュアなフレームワークを活かした、シームレスなデータ フローによって、データ アジリティを支援しています。

FHIR Converter でデータを FHIR に変換

今日のヘルス システムでは、さまざまな形式やシステムのデータが利用されています。FHIR Converter (英語) は HL7 V2 のようなレガシーな形式のデータをリアルタイムで FHIR に変換する、シンプルな API コールを顧客のデータ チームに提供します。現在のリリースでは、HL7 コミュニティ (英語) が定義したマッピングに基づいて一連の開始用テンプレートが生成されており、これを利用して HL7 V2 メッセージを変換することができます。さらに、シンプルな Web UI を使って、それぞれの組織における HL7 V2 標準の実装に合わせたカスタマイズも行えるようになっています。FHIR Converter はシンプルながらも強力なツールとして設計されており、データのマッピングや FHIR でのデータ交換に求められる時間および作業量を削減します。

FHIR の二次利用を実現

データが FHIR フレームワークに整理されていると、管理をより効率的に行うことができます。データを二次利用に対応させる必要がある場合は、その強みが特に活かされます。FHIR Tools for Anonymization (英語) を利用することで顧客のチームは、抽出のためのマスキングや日付シフトによる匿名化、または匿名化された形式でのデータ交換といった、さまざまな技術を活用することができます。FHIR Tools for Anonymization はオープンソースなので、ローカルで取り扱うことも、Azure API for FHIR のようなクラウドベースの FHIR サービスを通じて利用することもできます。

FHIR Tools for Anonymization は HIPAA のセーフ ハーバー (Safe Harbor) 方式 (英語) に沿った、18 種類の識別子の匿名化を実現します。顧客は、用意された構成ファイルを利用して、"専門家による決定 (Expert Determination)" 方式へのニーズを満たすカスタム テンプレートを作成することもできます。

FHIR、Internet of Medical Things (IoMT) を利用して PHI データを取り込む

今日のヘルスケア データは、カルテやドキュメントだけではありません。その幅は急速に広がっており、臨床医のオフィスの内外で記録されるデバイス データが含まれるようになってきています。顧客は、強力な Azure IoT プラットフォームを利用してデバイスや IoT ソリューションを管理することが既にできるようになっています。しかしヘルスケア業界においては、デバイスからの PHI データを管理する際に、特別な注意を払うことが必要です。

IoMT FHIR Connector (英語) for Azure は、ヘルスケア シナリオのデバイスに特化して設計されています。既成の Azure 機能に加えて Microsoft Azure Event Hubs、または Microsoft Azure IoT プラットフォームと円滑に連携できるように開発された、この IoMT コネクタは、1 秒あたり数百万イベントに上るストリーミング データをリアルタイムに取り込みます。開発者はカスタム設定を利用して、デバイス コンテンツやデータのサンプル レートを管理し、望ましい記録しきい値を設定することができます。取り込まれたデバイス データは正規化、グループ化され、FHIR にマッピングされます。こうすることで、このデータは FHIR API を介して電子健康記録 (EHR) やその他の FHIR サービスへ送信できるようになります。IoMT FHIR Connector は、オープン標準である FHIR をサポートしているため、大部分のデバイスに対応可能です。これによって、多数のデバイス シナリオに向けて個別の統合作業を行う必要が解消されています。

また、デバイス データを収集する一般的な患者向けプラットフォームとの接続性を向上させ、拡張性を強化するために、IoMT FHIR Connector は、Apple の HealthKit のデータを速やかにクラウドへ転送する FHIR HealthKit フレームワーク (英語) と併せて提供されます。 

実際のデータで Power BI でのデータ視覚化を促進

Power BI のリッチなデータ視覚化機能は、顧客から高い評価を受けています。すべての人が直観ではなく事実に即した意思決定を行えるようサポートします。Power BI Connector (英語) により、ヘルスケア顧客は、データ視覚化、分析、データ探索に向けた Power BI の強力なツールを FHIR 形式のデータに利用できるようになります。オープン標準を利用する FHIR エンドポイントから FHIR API をコントロールすると同時に、柔軟性は維持し、データ アクセスのコントロールによって、必要に応じてユーザー アクセスを定義することができます。FHIR と Power BI の接続によって、ヘルスケア機関に新しい強力なツールがもたらされ、ケア チームのための継続的なイベント追跡や患者管理レポーティング、臨床研究チームのための研究ツールやセルフサービス探索、運用チームのための予測分析やシステム効率性といった、広範なニーズがカバーされます。

新登場の FHIR テクノロジをチェック

マイクロソフトは FHIR を通じたデータ アジリティに注力しています。マイクロソフトは FHIR がヘルスケアとライフ サイエンスのイノベーションを推進する力になると考えています。顧客がそれを利用して何を構築するのか、楽しみにしています。ヘルスケアの未来は私たちの手で作り出されます。その道のりの先頭で、顧客と共にイノベーションに携われることは、私たちにとって喜びです。

新登場の FHIR プロダクトについて、ヘルスケア業界の開発担当者のご意見をお寄せいただければ幸いです。GitHub で OSS リリースをご確認ください。

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