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デジタル ツイン、Mixed Reality、メタバース アプリによる物理とデジタルの融合

2021年5月26日 に投稿済み

Corporate Vice President, Azure IoT

クラウドとエッジ コンピューティングはかつてないほど融合し、世界中の開発者や組織に大きなチャンスをもたらしています。デジタル ツイン、Mixed Reality、自律システムは、大規模なイノベーションの中核であり、Microsoft のお客様は既にその恩恵を受けています。

このテクノロジがどのように融合するのか、これらの機能を組み合わせることでどんな恩恵を受けられるのかは、外部から見て常に明らかとは限りません。そのため、Microsoft Build では、この融合が生み出す可能性や、お客様が既にどのような恩恵を受けているか、また、このテクノロジを使いやすくし、すべての開発者や組織の手に届くようにするための Microsoft の取り組みについて説明しています。

接続された環境の可能性

複雑な環境にテクノロジの力を適用することで、驚くような体験を生み出したり、これまでは想像すらできなかったような新しい事業の目標を達成したりすることを想像してみてください。可能性には限りがありません。ショッピングの体験がリアルタイムで最適化され、棚には必ず在庫がある小売店。炭素排出量を追跡し、低減するサプライ チェーン。天然の原料のばらつきに合わせて調整を行い、運用上のボトルネックを自動的に検出して修正するプロセス製造ライン。さまざまな成長のための提案をシミュレーションし、エネルギー源を最大限活用できるようにする都市計画。

これらのことは既に実現しています。Anheuser-Busch (AB) InBev、Paris Saclay 大学、ICA、Total、Brookfield Properties などのお客様は、こうしたシナリオを現実のものとするソリューションを既に実装しています。ここで重要なことは、データに結び付けられた、物理環境のライブ デジタル レプリカを作成することで、分析、シミュレーション、自律制御、相互作用などといった最新のソフトウェアの手法を Mixed Reality で適用することが可能になり、以前は不可能だったことを実現できるということです。

この変化が意味するものは、物理とデジタルの世界の融合です。これらの空間を組み合わせることで新しい機会と革新的なソリューションが生み出され、すべてが変化します。Microsoft では、メタバース アプリこそこのようなソリューションであると考えています。

デジタル ツインで基盤を作る

メタバース アプリはインテリジェント クラウドとインテリジェント エッジの協働の成果であり、その基盤にはデジタル ツインがあります。デジタル ツインによって、単純な資産や製品から複雑な環境まで、物理的なものであれ論理的なものであれ、情報量に富んだデジタル モデルを作成できるようになります。そのような環境の例には、エネルギー分配網、倉庫、工場など、お客様にとって大切なあらゆるものが含まれます。一度モデル化すれば、それに命を吹き込み、双方向の IoT 接続を使用して物理世界と同期させることができます。まず物理とデジタルを結合することが、メタバース アプリを可能にするための基盤となります。

この基盤が整えば、ソフトウェアの手法をモデルに適用することができ、世界はいわばデジタル キャンバスへと変化します。分析を行うことで、環境に生じた変化の履歴から分析情報が得られます。設備に修理が必要になるのはいつか、どのくらいの稼働率が必要になるかなどを事前に予測することができ、環境の将来の状態を予測できます。

それに続く一連の利点は、シミュレーションによって実現されます。まずデジタル ツインのコピーを作成し、それに対してシミュレーションを実行します。このようなシミュレーションでは "What-If" シナリオを評価したり、クラウドの力を利用して非常に複雑な環境から分析情報や最適化を引き出したりできます。これは、単に物理環境を監視するだけでは実現できないことです。シミュレーションが完了したら、シミュレーションを実行したコピーから得られた分析情報を実際のデジタル ツインに適用して、これらの変更を元の物理環境と同期し、利点を実現します。さらに自律システムを作成してデジタル ツインに適用することでルーチン タスクを自動化したり、時間と共に学習して改善するシステムにより、それらを強化したりすることもできます。

最後に、最も強力な機能の 1 つとして、Mixed Reality を使用して物理環境に重ねたデジタル モデルを操作することもできます。このデジタル コピーから、何であれ物理世界で行おうとしていることに、豊富なメタデータと分析情報を反映させることができます。世界中の遠くのどこかにいる同僚やエキスパートと、純粋な仮想空間でやり取りすることさえできます。 

これらすべてを組み合わせる Microsoft クラウド

この新しい種類のアプリケーションに必要なさまざまな機能という観点から、Microsoft クラウドにはそれぞれの機能に必要なサービスが含まれています。実際のところ、このスタック全体を組み合わせることができる企業という意味で、Microsoft は特異な立場にいます。私たちの大胆な目標は、時間をかけてこのスタックをより繋がったもの、よりシームレスなものにして、メタバース アプリケーションを可能にするレイヤーを容易に上下移動できるようにすることです。

Azure Digital Twins はあらゆる資産、システム、環境全体をモデル化し、Azure IoT を活用することにより、デジタル ツインを生きた最新のものに維持できます。Azure Synapse Analytics はデジタル ツインの履歴を追跡し、分析情報を引き出して将来の状態を予測します。Microsoft の AI と機械学習のプラットフォームを使用すれば、継続的に学習と改善を行う自律システムを構築できます。Microsoft Mesh を使用すれば、どこにいても、どんなデバイスでも、臨場感と共有体験を実現できます。Microsoft HoloLens 2 を使えば、最高の Mixed Reality デバイスと Microsoft Mesh の組み合わせを体験できます。これは、人間工学に基づくイマーシブな Mixed Reality デバイスのうち最高のものの 1 つです。Microsoft Power Platform を使用すると、各従業員はローコードまたはノーコード ソリューションにより、デジタル ツイン データを発展させたり、操作したりできます。このテクノロジ スタックの各レイヤーは単体でも大変強力ですが、組み合わせて使用すると、かつてなく革新的なコンピューティングの波に力が吹き込まれます。

Microsoft メタバース テクノロジ スタック

Anheuser-Busch InBev と共に、未来の醸造所を構築する

メタバース アプリケーションに使用されるこのテクノロジ スタックは既に利用可能で、プロセス製造、小売、サプライ チェーン、エネルギー、ヘルスケアなどさまざまな業界で既にブレークスルーとなる変革を実現しています。AB InBev は好例です。世界中に 200 を超える醸造所と 15 万人を超える従業員を擁する AB InBev は、世界最大の醸造企業です。最高基準の品質と一貫性を提供することに専念するプロセス製造のエキスパートであり、このスタックを活用してオペレーションを劇的に変革しています。

AB InBev は Azure Digital Twins を使用して、醸造所とサプライ チェーンの包括的なデジタル モデルを作成しました。物理環境と同期されたデジタル モデルでは、天然の原料と醸造工程の複雑な関係を反映する、生きた最新の情報を把握できるため、AB InBev の醸造責任者は変化する状況に合わせて調整を行うことができます。また、現場のオペレーターは品質や生産履歴の情報を総合的に捉えることができるため、梱包プロセスに必要な、機器の稼働時間を維持することができます。

さらに AB InBev では、包装ラインのオペレーターが複雑なオペレーションのボトルネックを検出して自動的に修正できるように、深層強化学習も使用しています。そしてデジタル ツイン上で Mixed Reality を活用してリモート アシスタンスを実現することで、距離の制約を超えて効率的に知識を共有しています。このテクノロジ スタックが提供する制御や最適化により、AB InBev はいつでも最高の 1 杯が顧客に届くようにしています。同時に、大胆な事業目標や持続可能性の目標も達成しています。

エンドツーエンドのソリューションを実現する

このスタックは Microsoft のグローバル パートナー エコシステムによって提供されるエンドツーエンドのソリューションの基盤です。これには、Microsoft のソリューションからサード パーティのものまでが含まれます。Microsoft が開発しているソリューションには次のものが含まれます。

  • Microsoft Dynamics 365 Connected Store:リアルタイムの監視データを使用して、ストア内のオペレーションを改善します。
  • Microsoft Dynamics 365 Guides:物理的な実物の上にホログラフィーによるステップバイステップの手順を重ね合わせることにより、現場作業員の仕事の質を向上させ、精度を高めます。 
  • Microsoft Dynamics 365 Remote Assist:世界中のどこからでも、従業員がエキスパートと接続して、Mixed Reality で物理環境のビューを共有できるようにします。これにより、物理的な障壁を取り払い、組織を超えた豊かな知識の共有やトレーニングを可能にします。
  • Connected Field Service:機器にヘルプが必要な場合に自動的に修理技術者を呼び出し、企業がメンテナンスの調整を行えるようにします。

メタバース アプリの開発をすぐに始める

このテクノロジ スタックの実装は一体的なものではなく、線形のプロセスでもありません。メタバース アプリケーションの構築に決まった開始地点はありませんし、レイヤーはどんどん追加されて行く可能性があります。メタバースで実現する変革に身を投じるにあたり、Microsoft はこのエクスペリエンスを簡単に構築して使用できるようにするという、大胆な目標を掲げています。それにより、世界中のあらゆる企業が、その可能性を最大限活用できるようになります。Microsoft は、お客様と協力できることを楽しみにしています。

メタバースのビジョン、それを実現するテクノロジ スタック、世界中の組織がどのように実際にそれを使用しているかに関しての詳細は、Microsoft Build のセッション「Building Digital Twins, Mixed Reality, and Metaverse Apps」(デジタル ツイン、Mixed Reality、メタバース アプリを構築する) をご覧ください。

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