Azure Maps の更新で新機能が追加、提供形態が拡張

2020年4月20日 に投稿済み

Senior Program Manager, Azure Maps

この記事は、Azure Maps 担当プリンシパル プログラム マネージャーの Chad Raynor と共同執筆したものです。

Azure Maps のサービスが更新され、新機能が追加されたほか、最近追加された機能にも新展開がありました。更新の一環として、Microsoft Azure Government クラウドにおける Azure Maps サービスの一般提供も開始されました。ここでは、Azure Maps のサービスの新機能や、最近追加された機能について、概要をご紹介します。

Azure Government クラウドにおける Azure Maps が一般提供開始

Azure Government 向けの Azure Maps の一般提供開始によって、Azure Government クラウドに展開したソリューションに、エンタープライズ グレードのアプリケーションに求められる品質、性能、信頼性を達成しながら、地理空間機能や位置情報インテリジェンス機能を容易に組み込めるようになりました。Microsoft Azure Government ではセキュリティ、プライバシー、コントロール、コンプライアンス、透明性という原則を基盤に構築したクラウド プラットフォームを提供しています。公共機関のお客様には、Microsoft Azure の物理的に分離されたインスタンスを取得していただけます。このインスタンスでは、そのアーキテクチャ上に構築されたシステムやアプリケーションすべてに対して、米国政府にとってクリティカルな、世界クラスのセキュリティ サービスやコンプライアンス サービスが使用されます。

Azure Maps のバッチ サービスが一般提供開始

検索およびルーティング サービスを通じて利用できる、Azure Maps のバッチ機能が一般提供開始されました。バッチ サービスを利用すると、お客様には単一の API リクエストを使用するだけで、多数のクエリを送信していただけます。

バッチ機能は以下の API でサポートされています。

Azure Maps のバッチ サービスの新要素

ユーザーは同期 (sync) リクエストを送信するオプションを利用できるようになりました。このオプションは軽量のバッチ リクエストを想定しています。このサービスはリクエストを受け取った際に、202 とリダイレクト URL を返すのではなく、バッチ アイテムが計算され次第、応答を行います。同期 API を使用する場合、結果を後から取得することはありません。同期リクエストを受け取ると、バッチ アイテムが計算され次第、Azure Maps はすぐに応答を行います。バッチが大規模なケースでは、今後も非同期 API を利用することが推奨されます。非同期 API は、比較的複雑な大量のルーティング リクエストを処理するのに適しています。

検索 API の場合、開発者は非同期 API で最大 10,000 クエリ、同期 API で最大 100 クエリをバッチ処理できます。ルーティング API の場合、開発者は非同期 API で最大 700 クエリ、同期 API で最大 100 クエリをバッチ処理できます。

Azure Maps のマトリックス ルーティング サービスが一般提供開始


マトリックス ルーティング API の一般提供が開始されました。このサービスを使用すると、出発地と目的地の位置で定義されるルートのセットに対して、ルート概要のマトリックスを計算できます。また、与えられた出発地ごとに、その出発地から与えられた各目的地までのルートの移動時間と距離も計算します。

例えば、20 名のドライバーを雇用している、とあるフード デリバリー企業が、配達する料理の受け取りに、レストランに最も近いドライバーを見つける必要があるとしましょう。このユース ケースを解決するために、同社はマトリックス ルーティング API を呼び出せます。

Azure Maps のマトリックス ルーティング サービスの新要素

開発チームはマトリックス ルーティングのパフォーマンス向上に取り組み、上記のバッチ サービスのような、同期リクエスト送信のサポートを追加しました。マトリックスの最大サイズは、非同期リクエストの場合は 700、同期リクエストの場合は 100 です (出発地の数と目的地の数を掛けた値)。

非同期 API の呼び出しに対しては、waitForResults という新しいパラメーターが追加されました。このパラメーターが true に設定されているとき、ユーザーはリクエストが 120 秒未満で完了する場合に 200 レスポンスを受け取ります。それ以外の場合、ユーザーはただちに 202 レスポンスを受け取り、非同期 API は、非同期リクエストの進行状況を確認できる URL をレスポンスのヘッダー部分に入れ、ユーザーに返します。

レンダリング サービスの更新

Get Map Tile API バージョン 2 のプレビューのご紹介

Azure Maps の Get Map Tile API バージョン 1 のときと同様、プレビュー版の新しい Get Map Tile API バージョン 2 を使用することで、ユーザーはベクター形式またはラスター形式のマップ タイルをリクエストできます。これは基本的に、マップ コントロールすなわち SDK に組み込まれることになります。このサービスを使用すると、Azure Maps の道路タイルやリアルタイムの気象レーダー タイルなど、さまざまなマップ タイルをリクエストできます。既定では、Azure Maps はベクター形式のマップ タイルを SDK に対して使用します。

この新バージョンでは、データのリクエストに向けた、より一貫性の高い方法がユーザーに提供されます。新バージョンでは、タイルセットという概念が導入されます。タイルセットはラスター形式またはベクター形式のデータの集まりです。これはさらに、プリセット・ズーム レベルにおける、正方形タイルの均一なグリッドに分けられます。どのタイルセットにも、特定のタイルセットをリクエストするための tilesetId が設定されています。その例として、microsoft.base が挙げられます。

また Get Map Tile バージョン 2 では、これまで Get Map Imagery Tile API のみを通じて提供されていた画像データを呼び出すオプションがサポートされています。さらに、Azure Maps Weather Service のレーダーおよび赤外線のマップ タイルは、バージョン 2 のみを通じて提供されます。

ダーク グレー マップ スタイルが Get Map Tile API と Get Map Image API を通じて利用可能に

お客様には、Azure Maps のダーク グレー マップ スタイルを SDK を通じてご利用になるだけでなく、Get Map Tile API (バージョン 1 およびバージョン 2) と Get Map Image API を通じ、このマップ スタイルにベクター形式およびラスター形式でアクセスしていただけるようになりました。これは、Web ページにマップ画像を埋め込むといった、リッチなマップの視覚化をお客様に実現していただくための支援となります。

Azure Maps のダーク グレー マップ スタイル

Azure Maps のダーク グレー マップ スタイル

ルーティング サービス: 境界線の横断の回避と避けるべきカスタム エリアの受け渡し

Azure Maps チームはルーティング API の強化を継続してきました。国/地域の境界線の横断を避け、経路を一国内に保つことが車両に求められるルーティング シナリオをサポートするため、チームは新しいパラメーター値 avoid=borderCrossings を追加しました。

さらに高度な車両ルーティング機能を提供するために、お客様には避けるべきエリアを POST Route Directions API リクエストに含めていただけるようになりました。例えば、お客様の中には、現地当局の許可なしに特定のエリアで営業を行うことが認められていないため、そのエリアに車両を派遣することは避けたいという方がいらっしゃるかもしれません。お客様には解決策として、GeoJSON 形式のポリゴンを、避けるべきエリアのリストとしてルーティング リクエストの POST ボディに渡していただけるようになりました。

地図とスタイルの更新

建物モデルの表示

Azure Maps のマップ コントロールを通じて、ユーザーは 2.5 次元の建物モデルをマップ上にレンダリングできるようになりました。既定では、すべての建物が単に平面図としてレンダリングされます。showBuildingModels (英語)true に設定することで、建物を 2.5 次元モデルでレンダリングできます。この機能はこちらから、すぐにお試しいただけます (英語)。

建物モデルの表示

建物モデルの表示

島、国境、国/地域のポリゴン

ユーザー エクスペリエンスを強化し、より詳細なビューを提供するため、私たちは境界データの簡略化を抑制し、高いズーム レベルにおいて一層優れたビジュアル エクスペリエンスを提供できるようにしました。ユーザーはより詳細なポリゴンの境界データを確認できるようになりました。

左: 境界データ簡略化の抑制前右: 境界データ簡略化の抑制後左: 境界データ簡略化の抑制前右: 境界データ簡略化の抑制後

国立公園のラベルとデータのレンダリング

ユーザーからのフィードバックを基に、私たちはラベルの数を減らすことで、分布ポリゴン用のラベルを簡素化しました。また、国立公園と国有林のラベルがズーム レベル 6 から表示されるようにしました。

ズーム レベル 6 で表示されている国立公園と国有林のラベル

ズーム レベル 6 で表示されている国立公園と国有林のラベル

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コミュニティの皆様によるフィードバックを常にお待ちしております。本記事のコメント欄への投稿、Stack Overflow (英語) への質問の投稿、UserVoice の Azure Maps フィードバック ページ (英語) への機能リクエスト投稿など、ご都合のよい方法でお気軽にご意見をお寄せください。