エンジニアリングエクセレンスを促進するために、Microsoft が文化的変革を指導する専任チームを設立

Microsoft のチームが高いパフォーマンスを発揮できるよう支援するために、One Engineering System (1ES) チームが行っている実験的な取り組みを見ていきましょう。

課題:高いパフォーマンスを引き出す方法を理解する

Microsoft One Engineering System (1ES) チームは、利用可能な最善のツールを標準化して社内のすべてのエンジニアを支援するために、指導的役割を果たすことを任務として 2014 年に設立されました。その後数年間で、チームはエンジニアリングチーム間の標準のツールキットの確立で大きな成功を収めました。ソース管理の問題が減り、ビルド時間が短縮され、信頼性が向上しました。しかし、1ES チームはこれらの成果を達成したものの、効率をさらに向上させる機会が残されていることに気付きました。望ましい結果を得るには、ツールの範囲を超えて焦点を広げ、取り組みを拡大して人とプロセスを含める必要があることが明らかになりました。チームの任務は、Microsoft と同様に大規模で多様性を持つ企業において、文化の変革をどのように推進すればよいかという新たな課題へと発展しました。

"物事を変えたい場合は、「内部顧客に動機を与えるものは何か?」から始めることをおすすめします。ユーザーはなぜこれにサインオンするのですか? どこから始めたのか、どのようにして最適に満たすことができるでしょうか?」"

1ES、プリンシパル PM マネージャー、1ES

実験的な取り組みとしての変革へのアプローチ

1ES チームは、まず、内部顧客に動機を与えるものについて傾聴することを学び、それらの目標に向けた取り組みを具体化しました。次に、最大規模のチームから始めてできるだけ迅速に大規模な変革を試みるのではなく、意欲的な中規模のチームで速やかに成果を上げることを重視することによって、より大きな成功を収めることができるということを学びました。これらのチームの改善を目にすることで、特にバイラル効果が生まれ、全社的に着実で持続可能な進歩がもたらされます。最後に、実験と継続的な学習の文化を取り入れることで、より優れたプロセスとより強力なパフォーマンスにつながる方法で、新しいことに挑戦し、率直な意見を述べ、貢献するために必要な心理的安全性が生まれます。

"規模ではなく … 迅速な成功と、一度にできるだけ多くの実質的な変革を展開することへの大きな影響に焦点を当てます。今日、私たちは継続的な学習と、急務のスケーリングにおける確実な前進を大切にしています。"

1ES、プリンシパル PM マネージャー、1ES

成功に基づく多面的なアプローチの採用

さまざまなチームの多様なニーズに対応し、何が有効かを理解するために、1ES では複数のエンゲージメントモデルを使用しています。あるイニシアチブでは、文化的変革を内部から推進するために、エンジニアを最大 9 か月間チームに配属しています。他のアプローチでは、ベストプラクティスを作成するか、コーチング、メンタリング、その他のサービスを通じて「良好な」状態を示す、改善のためのフレームワークを確立することで、1 週間または 2 週間のエンゲージメントで速やかに成果を上げることに重点を置いています。別のイニシアチブでは、Microsoft 全体でのエンジニアリングの才能の可能性を生かして、社内プロジェクトをオープンソースのように機能させることに取り組んでいます。

現在、1ES はツールの標準化 (作業項目を追跡する Azure Boards や、ビルドとデプロイを調整する Azure Pipelines など) と他の最新のツールの導入に引き続き注力しています。これらと共に文化の変革の促進にも注力することで、チームの取り組みは大きな成功を収めています。1ES チームが協力したチームでは、コラボレーションが向上し、出荷が迅速化されています。最も重要と考えられるのは、従業員の満足度が向上していることです。ある優れたチームの場合、満足度が 93% 向上しました。1ES チームは前進していく中で、より協力的で持続可能なエンジニアリング文化に向けて、厳しい試行錯誤と成功の積み重ねを強調し続けています。