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4 人の人がノート PC でプレゼンテーションを見ながら対面で話し合っています

データ ウェアハウスとは

データ ウェアハウスとは何で、その使用にはどのような利点があるか、設計フェーズではどのベスト プラクティスを考慮すべきか、および実際に構築するときにどのツールを採用すべきかを学びましょう。

データ ウェアハウスとは

まず、データ ウェアハウスとは何で、なぜ組織でこれが使用されるかを定義しましょう。

データ ウェアハウスとは、レポートと分析を目的として構造化データ (データベース テーブル、Excel シート) や半構造化データ (XML ファイル、Web ページ) を格納する一元的なリポジトリです。データはさまざまなソースから、たとえば販売時点管理システム、ビジネス アプリケーション、リレーショナル データベースから取り込まれ、通常はクリーニングと標準化の後にウェアハウスに到達します。データ ウェアハウスには大量の情報を格納できるため、豊富な履歴データにユーザーがアクセスするのが簡単になり、データ マイニングや、データの視覚化、およびその他の形のビジネス インテリジェンス レポートに使用できます。

2 人の人がテーブル形式のレポート データを調べています

データ ウェアハウスの利点

信頼性の高いデータは、特にそれが長年にわたって蓄積されていれば、ユーザーが組織の運営に関してより多くの情報に基づくスマートな意思決定を行うのに役立ちます。そして、データ ウェアハウスによってこのことが実現します。エンタープライズ データ ウェアハウスの利点は無数にありますが、特にインパクトの大きい利点を次に示します。

データ ウェアハウスとデータ レイクの比較

データ ウェアハウスは、どの組織の分析オペレーションにも不可欠であることは明らかです。しかし、データ ウェアハウスと他の種類のデータ リポジトリ、たとえばデータ レイクとは、何が異なるのでしょうか? それぞれを、どのようなときに使用すべきでしょうか?

リポジトリとして、データ ウェアハウスと データ レイク のどちらもデータの保存と処理に使用されます。機能は同じように見えるかもしれませんが、それぞれに特有のユース ケースがあります。このような理由から、組織は一般的に両方のシステムを採用して完全なエンドツーエンドのソリューションを形成し、幅広い目的に対応できるようにしています。

データ ウェアハウスは本質的にリレーショナルです。つまり、データの構造またはスキーマは、事前定義されたビジネスおよび製品の要件によって決定し、これらの要件は SQL クエリ操作に合わせてキュレーション、適合化、最適化されます。したがって、データ ウェアハウスの最適な用途は、特定の目的 (たとえば BI 分析用のデータ マイニング) を念頭に置いて処理されたデータを格納することや、既に特定されているビジネス ユース ケースのソースとすることです。

データ ウェアハウスと同様に、データ レイクでは構造化と半構造化のデータが保持されます。その他にも、さまざまな非リレーショナルのソース (たとえばモバイル アプリ、IoT デバイス、ソーシャル メディア、ストリーミング) からの生の、未処理データにも対応できます。この理由は、データ レイク内の構造またはスキーマがデータの読み取りの時点で定義されるからです。柔軟でスケーラブルな性質を持つことから、データ レイクはインテリジェントな形式のデータ分析 (たとえば機械学習) の実行によく利用されます。

組織全体を対象とするサポート プラン
データ レイク データ ウェアハウス
種類

構造化、半構造化、非構造化
リレーショナル、非リレーショナル

構造化
リレーショナル

スキーマ

スキーマ オン リード

スキーマ オン ライト

形式

生、フィルター処理なし

処理済み、審査済み

ソース

ビッグ データ、IoT、ソーシャル メディア、ストリーミング データ

アプリケーション、ビジネス、トランザクション データ、バッチ レポート

スケーラビリティ

スケーリングは簡単で低コスト

スケーリングは難しくコストがかかる

ユーザー

データ科学者、データ エンジニア

データ ウェアハウス プロフェッショナル、ビジネス アナリスト

ユース ケース

機械学習、予測分析、リアルタイム分析

コア レポート、BI

1 人の人が椅子に座ってデスクトップで作業しています

データ ウェアハウスのアーキテクチャと設計

ここまで、データ ウェアハウスを使用する理由と、いつ使用すべきかを学びました。次にデータ ウェアハウスの設計に注目して、そのしくみを詳しく見てみましょう。データ ウェアハウスは、単独で運用される単一のサイロというだけのものではありません。高度に構造化され、入念に設計されたアーキテクチャを持つシステムであり、複数の層で構成されています。これらの層がユーザーのデータと、および他の層と相互作用しますが、その方法は層ごとに異なります。一般的には、次の層があります。

最下位層

データが複数のソースから取り込まれ、このデータがクレンジングされて、他のアプリケーションで使用できるように変換されます。このプロセスを抽出、変換、読み込み (extract, transform, and load: ETL) といいます。最下位層では、データの格納と最適化も行われます。これによってクエリ時間が短縮され、全体的なパフォーマンスが向上します。

中間層

ここに分析エンジン (オンライン分析処理 (OLAP) サーバーとも呼ばれます) が存在します。OLAP サーバーは、データ ウェアハウスからの大量のデータに高速でアクセスできるので、結果が瞬時に得られます。

最上位層

最上位層では、処理済みのデータがフロントエンド インターフェイスによって視覚的に提示されます。アナリストはこれにアクセスして使用し、自分のレポート作成とセルフサービス BI のニーズを満たすことができます。

データ ウェアハウスを構築する方法

データ ウェアハウスを設計して構築するときは、組織の目標 (長期的とアドホックの両方) と、データの性質を考慮することが重要です。統合しようとしているデータ ソースの数はいくつですか? ワークフローの自動化を計画していますか? データの探索と分析はどのように行いますか? 実際の構築物は、ニーズの複雑さによって異なりますが、一般的なエンタープライズ データベース ウェアハウスを構成するコンポーネントは次のものが考えられます。

  1. データ ソース: これによって販売時点管理システム、ビジネス アプリケーション、およびその他のリレーショナル データベースからオペレーショナル データを抽出します。  
  2. ステージング領域: ここでデータがクリーニングされて、ウェアハウスまたは一元化リポジトリに合わせて変換されます。 
  3. ウェアハウスまたは一元化リポジトリ: 処理済みのオペレーショナル データ、メタデータ、要約データ、生データがここに格納され、ユーザーが簡単にアクセスできるようになります。 
  4. データ マートの追加: 一元化リポジトリからデータの一部を取り出して、特定のユーザー グループに提供することができます。
  5. サンドボックス: データ科学者が新しい形態のデータ探索を、保護された環境で試すのに使用できます。
  6. 統合、ストレージ、パフォーマンス、分析のためのさまざまなデータ ウェアハウス ツール、フレームワーク、API 
1 人の人がノート PC でグラフを分析しており、データ レポートが 2 つのモニターに表示されています
ノート PC の画面にグラフが表示されています

データ ウェアハウスのツール、ソフトウェア、リソース

今日のデータ中心の世界では、多数の大手ソフトウェア企業が無限とも思える広範なデータ ウェアハウス ソフトウェアを販売しており、それぞれに固有のユース ケースがあります。困難に思われるかもしれませんが、まとまりのある高パフォーマンスのソリューションを構築するには、適切なツールとテクノロジに投資する必要があります。組織ごとにニーズは異なりますが、注目すべき重要なデータ ウェアハウス製品を次に示します。

クラウドおよびハイブリッド クラウド データ ウェアハウス

統合された、クラウドベースのデータ ウェアハウス ソリューション、たとえば Azure Synapse Analytics を利用すると、スケーリング、コンピューティング、格納をより速く、より低コストでできるようになります。

データ統合ツール

ETL パイプラインを使用するとワークフローの作成、スケジューリング、オーケストレーションが可能になり、これでソース データを自動的に統合、クレンジング、標準化することができます。

オブジェクト ストレージ

オブジェクト ストレージ ソリューションは、大量の構造化、半構造化、非構造化のデータを保持できるため、ソース データをウェアハウスに読み込む前にステージングするのに理想的です。

ウェアハウス ツール

分散ストレージ ソリューションを利用すると、リレーショナル テーブル内の大量のデータ セットを列指向ストレージで保持することができます。これによって大幅にコストが低下し、クエリのパフォーマンスが向上し、インサイトを得るまでの時間が短縮されます。

パフォーマンス ツール

アプリケーションのパフォーマンスを向上させるには、Apache Spark を取り入れることをおすすめします。このオープンソースの並列処理フレームワークでは、メモリ内処理がサポートされます。

リソースとワークロードの管理

リソース マネージャーによってコンピューティング パワーがワークロードに割り当てられるので、それに応じてデータの読み込み、分析、管理、エクスポートを行うことができます。

データ モデリング

データ モデリングによって、複数のデータ ソースが結合されて 1 つのセマンティック モデルが作成されるため、構造化された状態で効率的にデータを見ることができます。

ビジネス インテリジェンス ツール

ビジネス分析ツールを利用すると、インサイトをダッシュボード、レポート、およびその他の視覚化ツールの形でユーザーに提示することができます。

セキュリティとプライバシーの機能

セキュリティとコンプライアンスの機能 (データ暗号化、ユーザー認証、アクセス監視など) によって、データが確実に保護されます。

2 人の人が話し合っており、右側の人がノート PC を持っています

Azure SQL Data Warehouse はどうなりましたか?

Azure SQL Data Warehouse に関連付けられている機能は Azure Synapse Analytics の機能の 1 つとなり、"専用 SQL プール" と呼ばれるようになりました。現在 Azure SQL Data Warehouse をご利用のお客様は、Azure Synapse Analytics の専用 SQL プール機能を使用して引き続き既存の Azure SQL Data Warehouse ワークロードを実行でき、変更は一切必要ありません。また、お客様の既存のウェアハウス データについて、Azure Synapse Analytics での管理を開始して高度な分析機能 (サーバーレス データ レイク探索や、統合された SQL および Apache Spark™ のエンジンなど) を活用することもできます。

よく寄せられる質問

  • データ ウェアハウスとは、レポート、分析、およびその他の形のビジネス インテリジェンスを目的として構造化データ (データベース テーブル、Excel シート) や半構造化データ (XML ファイル、Web ページ) を保持する一元的なリポジトリです。

  • データ ウェアハウスの使用には、多くの利点があります。たとえば、データ ウェアハウスによって複数のデータ ソースが統合されて "信頼できる唯一の情報源" が作られるため、組織はこれを使用してビジネスとオペレーションに関する意思決定を、より多くの情報に基づいて行うことができます。

  • データ ウェアハウスには構造化と半構造化のデータが格納され、データ マイニング、データ視覚化、およびその他の特定の BI ユース ケースのソースとして使用できます。データ レイクにはさまざまな種類の生データが格納され、データ科学者のさまざまなプロジェクトのソースとして使用できます。

  • データ ウェアハウスは一般的に、複数の層で構成されます。最下位層でデータが収集されて格納され、中間層でデータが分析され、最上位層でデータが表示されてユーザーがこれにアクセスして解析することができます。

  • データ ウェアハウスのインフラストラクチャを設計して構築するときは、自分のデータの性質と、そのデータをどのように変換したいかを考慮することが重要です。一般的な構築物の要素としては、データ ソース、ステージング領域、ウェアハウス本体、データ マート、サンドボックス、およびさまざまな統合ツールがあります。

  • 多数の大手ソフトウェア企業が現在、広範なデータ ウェアハウス製品を販売しています。

  • これらの機能は Azure Synapse Analytics の機能の 1 つとなり、"専用 SQL プール" と呼ばれるようになりました。現在 Azure SQL Data Warehouse をご利用のお客様は引き続きワークロードをここで実行でき、変更は一切必要ありません。

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