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Microsoft と AT&T が 5G を利用したビデオ分析のデモを実施

2022年5月17日 に投稿済み

Microsoft Technical Fellow and Chief Technology Officer, Azure for Operators

2021 年 11 月、Microsoft と AT&T は、ジョージア州アトランタのサイトを利用した Azure パブリック MEC (マルチアクセス エッジ コンピューティング) の開始を発表しました。 Azure パブリック MEC ソリューションは、モバイル オペレーターのネットワークのエッジで低遅延のアプリケーションを実現し、5G 接続と統合された Azure コンピューティング サービスを提供します。Azure パブリック MEC は、集中的なコンピューティングと低遅延ネットワークを必要とする AI や機械学習のワークロードを実行できるよう設計されています。これらのリソースへのアクセスは、携帯電話、スマート カメラ、IoT デバイスなどの機器から高品質の 5G 接続を介して行われます。企業や開発者は、Azure パブリック クラウドでのアプリケーション実行に使用しているのと同じツールを使用して、これらの低遅延アプリケーションを構築、実行し、ワークロードを管理することができます。 

Azure パブリック MEC で低遅延の 5G 接続を利用した新しい魅力的なアプリケーションを実現するために、Microsoft は Edge Video Services の傘下でビデオ分析ライブラリを利用できるようにしています。

Edge Video Services

Edge Video Services (EVS) はビデオ分析ソリューションを開発するための Microsoft プラットフォームで、Azure パブリック MEC 上にデプロイすることができます。たとえば、ベルビュー市との連携における Vision Zero プロジェクトでのスマート シティ アプリケーションが挙げられます。これによって、新世代のリアルタイム交通フローを実現し、通勤者の日々の生活を大幅に改善しました。同様に、リアルタイムのビデオ分析により、車椅子の人が安全に道路を横断できるように信号を制御することで、都市の安全性をより高めることができます。Hannover Messe 2016 で実演された関連アプリケーションでは、初期バージョンの EVS を交通信号カメラと自動運転車のカメラに統合して映像を分析し、事故や死亡の減少に貢献しました。 その他にも、交通システムの改善、大気質の監視、街灯、スマート パーキング、群集管理、緊急事態管理などの新しいアプリケーションが間もなく登場します。スマート シティにとどまらず、EVS は、5G ネットワーク ソリューションの自然なコンポーネントとして、Mixed Reality 向けビデオ分析によるエンドツーエンドのエクスペリエンスを現代のスマート企業に提供することができます。さらに、コネクテッド ファクトリでの機械やロボット、小売店やレストランでの顧客の要望やサービス、スポーツ アリーナでの歩行者の移動などの管理の例もあります。

EVS のアーキテクチャ スタック
図 1:EVS のアーキテクチャ スタック。

以下の図 2 に示すように、5G コンピューティング インフラストラクチャは、Azure Percept デバイス、Azure プライベート MECAzure パブリック MEC を含むインテリジェント コンポーネントの階層構造を持っています。EVS は、これらすべてのソリューションと統合され、以下の機能を提供します。 

  • インターエッジ オーケストレーター: 複数のパブリック MEC を含むネットワーク トラフィックを管理します。エッジ階層にアプリケーション コンテナーをデプロイし、高可用性とフォールト トレランスを実現します。  
  • ネットワーク監視と適応: 動的な無線および有線ネットワーク接続を継続的に監視し、それに応じてアプリケーションの要求を適応させます。 
  • 動的なリソース割り当て: ビデオ機械学習コンテナー向けです。これにより、モバイル ネットワークから発生する負荷と、オンプレミスのエッジの場所にデプロイされたワークロードに基づいて調整されます。

アトランタの AT&T と Azure パブリック MEC でのスマート シティのデプロイ

Microsoft は AT&T と共同で、アトランタの AT&T の 5G ネットワークに接続された Azure パブリック MEC で EVS の価値を実証しました。下の図に示すように、環境は Azure IoT Hub で管理されるオンプレミスのエッジ デバイスと、Azure Kubernetes クラスターで構成されています。

Azure パブリック MEC と AT&T デプロイ
図 2:Azure パブリック MEC と AT&T デプロイ。

EVS オーケストレーターは、オンプレミスのエッジと Azure パブリック MEC にわたってさまざまなコンテナーを配置します。この分割実行により、オンプレミスでは軽量なコンピューティング能力しか必要とせず、オンプレミスのエッジから広帯域幅の接続をプロビジョニングする必要もなくなります。 

アトランタのデプロイでは、EVS の分割アーキテクチャと、オンプレミス エッジでの軽量な実行を実証しました。24 時間で 230 MB のデータが 5G リンク経由でオンプレミスのエッジから転送されました。一方、エンコードされたビデオをすべて転送した場合は、9.5 GB のデータが送信されていたことになります。つまり、EVS によってネットワーク使用が 42 倍も削減されたのです。このネットワークの節約は、オンプレミスの CPU のみのエッジで、かつ、精度を落とさずに得られたものです。 また、Azure パブリック MEC へのネットワーク遅延は、最も近い Azure リージョンと比較して中央値で約 6 倍少ない結果となり、アプリケーションの応答速度が向上することも測定で確認されました。 

EVS は、AT&T のネットワーク API と統合されており、5G ネットワークに関する情報をリアルタイムで取得できます。その結果、EVS は、5G リンクの遅延と帯域幅の変動に応じて、エッジ間で転送されるトラフィック量を調整することができます。EVS は、Azure Traffic Manager を使用して、Azure パブリック MEC の最も近い Azure リージョンへの自動フェールオーバーをサポートし、ビデオ アプリケーションに支障がないようにします。Azure リージョンにフェールオーバーする際、EVS はエンコーダーと機械学習モデルのパラメータを変更することで、オンプレミス エッジから送信されるトラフィック量を調整し、アプリケーション精度への影響を最小限に抑えることで、遅延の変化と増加に適応します。また、EVS はエッジで実行されている他のコンテナーを認識し、コンピューティング要件を弾力的にスケールアップまたはダウンすることができます。

Azure パブリック MEC: 今すぐお試しください

ビデオのシナリオについては、ご自身のオンプレミスのエッジ デバイスを使用して Azure パブリック MEC 上の EVS をお試しいただくことをお勧めします。参照アーキテクチャと手順は、GitHub リポジトリで公開されています。リポジトリには、駐車場に入る車のサンプル ビデオも含まれており、EVS による車のカウントのテストに使用することができます。EVS に関するフィードバックは、evs-support@microsoft までメールでお送りください。こちらはフィードバックの送信のみに対応しています。お客様に連絡は差し上げませんのでご了承ください。