Azure で稼働中の仮想マシン (VM) をお持ちであれば、予約インスタンス (RI) の割引料金と仮想マシン料金の前払いを活用されてみてはいかがでしょうか。マイクロソフトの Consumption Recommendation API はお客様の過去 7、30、60 日間の使用状況を確認し、予約インスタンスの最適な構成を提案します。この API は予約インスタンスを所有されていなかった場合のコストと、RI を利用して節約を最適化された場合のコストを計算します。以下の例では、過去 7 日間に基づく提案の計算についてご紹介していますが、過去 30 日間や 60 日間に基づく提案の計算時にも、これと同じ方法が適用されることになります。
計算方法
特定の SKU およびリージョンについて、過去 7 日間の 1 時間ごとの VM 使用量が、以下のグラフの通りであったと仮定しましょう (最低 65 ユニット、最大 127 ユニット)。
75 個の予約インスタンスを購入される場合、79 時間目に対するお支払いは以下のようになります。
- 75 インスタンスの予約インスタンス。この料金は RI ご購入時の前払いとなります。
- 予約インスタンスのカバー対象となるのは、実行中の VM のハードウェア費用です。したがって、こちらの "予約インスタンスに付随しない Windows ソフトウェアのコスト" についてのドキュメントにある通り、ソフトウェアのみの料金 75 時間分が発生します。
- この時間帯の使用量は 80 なので、(Windows とハードウェアの分が) 組み合わさったメーター料金 5 時間分が発生します。EA のお客様の場合、これは交渉済みの価格となり、そうでない場合は、従量課金制価格となります。
以上の 3 点で示されている費用をすべての時間について足し合わせることで、75 個の RI をご購入になった場合の総費用を計算できます。また、EA のお客様の場合は交渉済みの価格を、個別の交渉済み価格を利用されていない場合は従量課金制価格を使用して、現在の費用を計算していただくこともできます。2 つの料金の差によって、75 個の RI を購入された場合の 7 日分の節約額が明らかになります。
マイクロソフトの Consumption Recommendation API はこうした計算を各時点の使用状況に対して実行し、節約額が最大となる推奨数量を返します。この例では、以下のグラフに示されているように、節約額は数量が 68 のときに最大となり、そこから先で減少していきます。そのため API は 68 を返します。
提案機能で想定されているその他の挙動
- Windows VM の現在の使用状況に対して、ハイブリッド利用特典が適用されていない場合、API はハブの利用を想定せず、提案は Windows IP のコアあたりの価格に基づいて行われます。お客様にはハブをご利用になって、さらなる節約を実現していただくこともできます。API の将来のバージョンでは、ハブによる節約に基づいた提案も行われる予定です。
- 7 日間のルックバック期間を使用されていて、VM が最初の 2 日間動作した後にダウンし、4 日目に再び動作していた場合は、RI 割引に基づく提案が受けられないこともあります。
API の詳細
こちらのドキュメント (英語) から、エンタープライズ加入契約に対する Recommendation API の呼び出しの詳細をご確認いただけます。