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次の新たなコンピューティングの波が押し寄せつつあります。IoT を活用することによって、企業はビジネスのあらゆる側面をリアルタイムに認識できるようになり、IoT デバイスで実行されるクラウド ワークロードを適切な情報に基づいて操作できるようになりました。これにより、クラウドに「常持接続」しなくても、コンテキストに沿ってリアルタイムに意思決定を下すことが可能になっています。これがイノベーションの新たな波と言われる「インテリジェント エッジ」です。企業だけでなく、世界中の最優先課題にどう対処するかということにも関連するテクノロジです。

無人航空機システム (UAS)、いわゆるドローンは、インテリジェント エッジ デバイスの代表的な装置です。今日では、捜索や救助、自然災害の復旧といった活動から、「精密農業」による世界の食料供給増加の取り組みに至る幅広い課題への対応に活用されています。この AI の力をエッジで活用すれば、ドローンを通じてビジネスの変革や社会の発展に大きく寄与することができます。また、危険地帯で活動する人々を安全かつ効率的に支援することも可能になります。   

こうした先進機能を利用するにあたっては、大きな責任も伴います。たとえば、ドローンは、一般空域での利用や環境を監視するアプリの搭載について規定している法律に従う必要があります。マイクロソフトは、クラウドでもインテリジェント エッジでも、そこにあるデータを保護することが重要だと考えています。

イノベーションのためのプラットフォームを構築する他にも、重要なのは、企業やパートナーへの投資を通じて、ドローンや関連データを責任ある状態で使用できるようにすることです。そこで本日マイクロソフトは、Microsoft Azure で商用 IoT エッジ デバイスとして実行されるドローンをより責任のある状態で使用可能にすることに関連する 2 つの発表をさせていただきます。

AirMap が Microsoft Azure を採用

本日マイクロソフトは、AirMap が同社のドローン トラフィック管理プラットフォームと開発者エコシステム用のクラウド コンピューティング プラットフォームとして、Microsoft Azure を採用 (英語) したことを発表します

ドローンの使用は、輸送、公共事業、農業、公共安全、緊急対応といったさまざまな分野で急速に拡大し、既存のビジネス プロセスの効率化やパフォーマンス向上に役立てられています。ドローンで生成されたデータにインテリジェンスが吹き込まれることで、企業や公共機関が顧客や地域社会にもたらす価値が生まれることになります。しかし、コンプライアンス、プライバシー、データ保護に関連するさまざまな懸念から、ドローン技術の大規模な導入が見送られるケースも少なくありません。

AirMap は、民間航空局、航空ナビゲーション サービス プロバイダー、地方自治体と協力して空域管理システムを構築し、ドローンでの低空域への安全かつ責任あるアクセスを支援しています。

AirMap の空域管理プラットフォームは Microsoft Azure で運用されています。州および地方当局はこのプラットフォームを使用して、ドローン飛行の承認や、飛行方法や時間に関する地域の規制適用を行っています。これらのソリューションでは、コンプライアンスとセキュリティがエンタープライズ ワークフローの中心にあり、そこにドローンが組み込まれています。

AirMap が Microsoft Azure を採用したのは、Azure がミッション クリティカルな空域サービスの運用と世界各地でのドローン飛行の計画に欠かせないクラウド コンピューティング インフラストラクチャ、セキュリティ、信頼性を備えているためです。

今年初めに、スイスの国営郵便事業会社である Swiss Post は、ドローン メーカーの Matternet と、スイスの医療システム大手の Insel Group と提携し、ベルン市の Tiefanau 病院と University Hospital Insel 間で緊急を要する実験サンプルのドローン輸送を始めました。これは、地上輸送に替わる手段であり、交通渋滞による遅れが命にかかわる事態を解消するための動きです。運用はスイスのドローン向け空域管理システムにサポートされ、AirMap と Microsoft Azure がこのシステムの安全性と効率性を支えています。

アプリ開発用 DJI Windows SDK がパブリック プレビューに

マイクロソフトは今年 5 月に開催された開発者向けカンファレンス Build で、民生用ドローンと空撮テクノロジで世界をリードする DJI とのパートナーシップ (英語) を発表しました。この提携を通じて、AI および機械学習の高度な機能を DJI ドローンに提供し、企業が商用ドローン テクノロジとエッジ クラウド コンピューティングを活用できるよう支援しています。

本日マイクロソフトは、DJI の AirWorks カンファレンスにおいて Windows SDK のパブリック プレビューを発表します。この SDK は、Windows 10 PC 向けの DJI ドローンを制御するアプリケーションを開発するためのものです。Windows 開発者コミュニティのメンバーはこの SDK を使用することで、マルチスペクトル センサーのようなサードパーティ製ペイロードや、カスタム アクチュエータのようなロボティクス コンポーネントなどを統合、管理できるようになります。これにより、企業によるドローン活用の幅は飛躍的に広がります。

この SDK により、次の 3 つの手法を使って Azure AI サービスでドローンの画像と動画をリアルタイムに操作できます。

  1. Azure に直接ドローン画像を送信し、AI ワークロードで処理する
  2. AI ワークロードを搭載した Azure IoT Edge を実行している Windows でドローン画像を処理する
  3. AI ワークロードを搭載した Azure IoT Edge を実行しているドローンで直接ドローン画像を処理する

マイクロソフトでは、クラウドからドローンなどのエッジ デバイスに至るあらゆるデータのセキュリティを重視しています。Azure IoT Edge にはセキュリティ マネージャーと呼ばれる重要なサブシステムが含まれています。これが、安全なシリコン ハードウェアを抽象化することで、IoT Edge デバイスとそのコンポーネントすべてを保護する中心的な役割を果たします。これはセキュリティ強化の重要なポイントであり、IoT デバイス メーカーにとっては、ハードウェア セキュリティ モジュール (HSM) の選択に応じてデバイスを堅牢化することができます。現在、Azure Certified for IoT プログラムでのみ、厳しいセキュリティ要件を満たすサードパーティ製 Azure IoT Edge ハードウェアの認定を行っています。

マイクロソフトにとってたいへん励みになっているのは、業界を問わずクリエイティブなドローン アプリケーションが Azure から生まれていることです。その一部を以下にご紹介します。

  • SlantRange:同社は空中リモート センシングとデータ分析を手掛け、地球科学、防衛、インテリジェンス分野のアプリケーションで 20 年以上にわたり培ってきた経験を活かして、農業業界が必要とする情報を提供しています。農作物の空撮検査に関する基礎技術の特許を持ち、革新的な分析手法を導入することで、貴重な作物データを提供しています。データ収集にかかる時間は数分で、世界中のどこででも利用でき、低消費電力エッジ コンピューティング デバイスを強みとしています。これらのテクノロジが SlantRange の成長を後押し、数シーズン前にネブラスカ州の数軒のトウモロコシ農家や大豆農家から始めたビジネスは、今では 40 か国に広がり、さまざまな作物に対応できるようになりました。世界有数の農産物サプライヤーや農業生産業者とも契約を結んでいます。
  • Clobotics:グローバル AI 企業である同社は、風力タービンのブレードの不具合を自動的に点検、撮影、報告するドローンを開発し、風力エネルギー企業の生産性向上を支援しています。この数か月に点検したタービンは世界中で 1,000 基以上に上ります。コンピューター ビジョン、機械学習、データ分析のソフトウェアに商用ドローンとセンサーを組み合わせた同社のエンドツーエンド ソリューションは、風力業界における点検サービスの自動化を支えています。Clobotics の Wind Turbine Data Platform は、そのコンピューター ビジョンを活用したエッジ コンピューティング サービスと共に、世界初の風力タービン ブレードのライフサイクル管理サービスを実現しています。Clobotics はマイクロソフトのグローバル Azure パートナーとして、Microsoft Azure と IoT プラットフォームを緊密に連携させ、非常に革新的で信頼性の高いサービスをエンタープライズ企業に提供しています。
  • eSmart systems:同社は 20 年以上にわたってグローバルに展開してきたインテリジェンスを活かし、エネルギー業界、サービス プロバイダー、スマート シティ向けにソフトウェア ソリューションを提供しています。Azure IoT Edge のエッジに AI を組み込むことで、送電網の点検業務に革命を起こしています。同社の Connected Drone ソリューションは、20 万枚の画像を 1 時間もかからずに分析する機能を備えています。20 万枚とは、人が行う場合その分野のエキスパートでも 1 年以上はかかる量です。その結果、運用コストの削減、グリッドの状況についての優れたインサイトの獲得を実現し、停電が発生する回数も削減されました。

マイクロソフトは今年初めに、IoT とインテリジェント エッジ分野のイノベーション、戦略的パートナーシップ、その他さまざまな取り組みを継続的に促進するために、50 億ドルの投資 (英語) を行うことを発表しました。AirMap や DJI のような戦略的パートナーとの新たな取り組みを通じて、今後も私たちの限界を広げてまいります。お客様がどのようなソリューションを構築されるのか楽しみにしています。

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