半導体やマイクロエレクトロニクスは、人工衛星やレーダーから車両や通信機器にいたるまで、国家安全保障や防衛技術の最先端機能を構築する上で最も重要な部品の一つです。これらの部品がセキュリティを最大限考慮して開発されているかどうかを確認することは、重要であると同時に困難な作業です。従来、マイクロエレクトロニクスの開発に関連するセキュリティ要件が、米国国防総省 (DoD) が最新のイノベーションを活用する上での制約となっていました。
米国国防総省がスポンサーのプロジェクト「Rapid Assured Microelectronics Prototypes (RAMP) with Advanced Commercial Capabilities」では、商業のベスト プラクティスを活用して開発プロセスを加速し、信頼性と安全性の高い最新のマイクロエレクトロニクス設計と製造を国家安全保障や防衛の用途で利用することを目的としています。DoD は最近、このプロジェクトの第 2 フェーズのサポートに Microsoft を選んだことを発表しました。
このプロジェクトは、Microsoft と米国国防総省の 40 年にわたる協力関係の上に成り立っており、商業イノベーションを国家安全保障のコミュニティにもたらすものです。Microsoft は以前、パートナー連合を率いて DoD と協力し、同省のミッションの優先事項を達成するための設計能力を開発するという、このイニシアチブの第 1 フェーズに取り組みました。今回の第 2 フェーズでは、Microsoft とそのパートナーは、これらの成功した設計を基に、高度な製造プロセスへのアクセスを提供する安全で協力的な設計フローを使用して、カスタム統合チップおよび System-on-a-chip (SoC) 設計の開発を開始します。これらの新しい設計によって、DoD システムに適用できるよう、低消費電力、性能の向上、物理的サイズの縮小、信頼性の向上を実現します。
Microsoft は、RAMP プロジェクトのこのフェーズを開発するために、商業および防衛産業基盤 (DIB) のマイクロエレクトロニクス業界のリーダーたちに協力してもらいました。Ansys、Applied Materials Inc.、BAE Systems、Battelle Memorial Institute、Cadence Design Systems、Cliosoft, Inc.、Flex Logix、GlobalFoundries、Intel Federal、Raytheon Intelligence and Space、Siemens EDA、Synopsys Inc.、Tortuga Logic、Zero ASIC Corporation などの企業が参加しています。
RAMP ソリューションは、クラウド、AI、機械学習に対応した自動化、セキュリティ、定量的な保証を備えた、ミッションクリティカルなアプリケーションのための高度なマイクロエレクトロニクス開発プラットフォームを提供します。このソリューションは Azure Government でホストされ、米国のすべてのデータ分類で利用可能なサービスを備えた、政府機関向けの最も広範な商業イノベーションを提供します。
RAMP は、DoD が安全でスケーラブルなマイクロエレクトロニクスのサプライ チェーンを活用できるようにするとともに、その設計と製造が厳格なセキュリティおよびコンプライアンス要件を確実に満たせるようにするための重要な取り組みです。クラウドベースのセキュリティで保護された設計機能を活用することで、RAMP は DoD が利用できるファウンドリの数を増やし、回復性を高め、国内の半導体サプライ チェーンの成長を促進します。また RAMP を成功させることで、同省は技術開発に俊敏に対応し、進化するニーズにすばやく適応し、最新の技術力を導入することができます。Microsoft は今後も DoD や業界のパートナーと協力して、マイクロエレクトロニクス サプライ チェーンのセキュリティを確保するための画期的で変革的なソリューションを提供していきます。