2018 年 12 月の更新情報をご案内します。Azure SQL Database Managed Instance の Business Critical レベルが一般提供されました。Business Critical は最も高度な IO 要件を持つアプリケーション向けに設計されており、分離された複数の Always On レプリカを使用して、最高の耐障害性を提供します。詳細については、Microsoft からのご案内を参照してください。
2018 年 10 月 1 日に、いよいよ Azure SQL Database Managed Instance の General Purpose サービス レベルが一般提供 (GA) となります。Managed Instance は、SQL Database における新しいリソース タイプです。SQL Server ワークロードの移行を効率化し、SQL Server の最も優れた特長と、フル マネージド データベース サービスのすべてのベネフィットが融合されています。General Purpose サービス レベルは、パフォーマンスと IO 待ち時間に関して標準的な要件が設定されているビジネス アプリケーションの大多数の移行先として最適なクラウド環境となるように設計されています。
"移行の最大の難問は、運用環境の 8 TB のデータでした。そして 8 TB を超えるデータをサポートする SQL PaaS プランは他には存在しませんでした。それを選ばなければ、ソリューションを社内に移して監視する必要がありそうだ、と悟ったのです。
転送が一対一で済むよう、コードを一切変更することなく、巨大なデータベースを Azure クラウドに移行し、すべてのアプリケーションの動作を確保する手段として、当社は SQL Database Managed Instance を使用しました。移行する前の最大の懸念はパフォーマンスでした。当社は多数のユーザーを抱えていますが、驚いたことにパフォーマンスは悪化せず、以前と変わらず良好に動作しています。それだけではありません。最新バージョンのソフトウェアが常に実行されているというセキュリティもあります。
SQL Database Managed Instance のおかげで、基盤となるサーバーやディスク システム、バックアップ、その他ハードウェアについての悩みから解放され、信頼性の高いデータベース構成を手に入れることができました。その価値は計り知れません。私たちのチームが最も気にかける必要があるのはデータベースの利用者であって、データベースの保守担当者ではないのですから。"
— KMD、プロジェクト マネージャー、Charlotte Lindahl 氏
データベースをフル マネージドのサービスに移行する
Azure SQL Database はフル マネージドのデータベース サービスです。つまり、Microsoft がユーザーに代わって SQL Server を運用し、その可用性とパフォーマンスを確保します。Managed Instance のデプロイとサイズ変更は、それぞれの企業に必要な規模で行うことができます。コンピューティングとストレージについては、8 個から 80 個の仮想コアまで、また 32 GB から 8 TB まで豊富なオプションが用意されているため、最初は小規模に展開しておいて、シームレスにスケールアップしていくことで、アプリのパフォーマンスに影響を及ぼすことなく最大のワークロードの需要に対応することができます。
また、Managed Instance には、かつて経験したことのないレベルにまでセキュリティとビジネス継続性を強化できる革新的な機能も備わっています。たとえば、ビルトインの高可用性 (HA)、自動化されたバックアップ、ポイントインタイム リストアを利用して、ビジネス継続性を確保することができます。幅広いセキュリティ ポートフォリオが用意されているため、インテリジェントな保護機能を有効にすることができます。たとえば脅威検出機能はデータベースに対するアラーム システムのような働きをし、悪質なアクティビティのリスクについてプロアクティブに警告を受けることが可能です。想像してみてください。数百から数千もの SQL Server データベースを事実上ハンズフリーで管理できるのです。
コードの書き換えなしで簡単に移行できることや、フル マネージド データベース サービスのさまざまなベネフィットを踏まえると、Managed Instance は、クラウドにおけるアプリケーションの最も経済的な移行先と言えるでしょう。Forrester Consulting の Total Economic ImpactTM (総合的経済効果) 調査によれば、Managed Instance は、3 年の ROI が 212% であり、ハードウェア、ストレージ、ネットワーク コストが不要になることから、年間最大 $800,000 の設備投資費の削減につながります。また、社内のデータベース管理者に関しては最大 40% の、IT チームに関しては 20% の生産性向上が見込まれます1。
"当社の TimeXtender ソリューションを数週間で Azure SQL Database Managed Instance 上の運用環境にデプロイすることができました。すぐに 49% のコスト削減を実現しました。また、機械学習を通じてデータに人工知能を適用できるとのことなので、今後の可能性の点でも非常に期待が持てます。"
— Komatsu Australia、Business Technology & Systems 部門ジェネラル マネージャー、John Steele 氏
Managed Instance を通じて手に入るのは、フル マネージド サービスのベネフィットだけではありません。Managed Instance は、オンプレミスの SQL Server (2005 から現在のバージョンまで) との高い互換性が確保されたインスタンススコープのプログラミング モデルに対応しているため、アプリケーションのアーキテクチャを変更したり、クラウドへの移行後にデータベースを管理したりする必要がまったくないか、その手間が少なくなります。このインスタンス スコープのモデルには、ネイティブ データベースの復元、ユーザーによって開始されるバックアップ、SQL エージェント、データベース メール、Service Broker、共通言語ランタイム (CLR)、変更データ キャプチャ、ログイン、インスタンススコープの SQL 監査、カタログ ビュー、DMV などの機能が含まれます。
Managed Instance の包括的な機能概要については、パブリック プレビューのお知らせおよびこちらのドキュメントのランディング ページをご覧ください。
一般提供で注目すべき新機能
Managed Instance の一般提供に伴い、データベースの移行を通じたインスタンス デプロイの改善、セキュリティ構成、正常性とパフォーマンスの継続的監視など、ユーザー エクスペリエンスの向上につながる注目すべき新機能が数多く追加されています。この重要なマイルストーンに合わせて、99.99% の可用性 SLA、プログラミング機能の拡充、業界最先端のセキュリティとコンプライアンスも導入されています。
まず、提供リージョンを拡大するために西日本、フランス中部、英国西部を追加したほか、すべての提供リージョンで平均プロビジョニング時間を数時間 (最初のインスタンスの場合) にまで短縮しました。
ネットワークの設定を省力化するために ARM テンプレートを作成しました。また、Azure portal で、既存の VNet およびサブネットの互換性を確認するためのオプションが利用できるようになったほか、新しい "SQL Managed Instance に対応" した VNet をワン クリックでプロビジョニングできるようになっています。すぐに開始したければ、[ARM Quickstart Templates](ARM クイック スタート テンプレート) ページにある [Azure に配置する] ボタンをクリックすることで、SQL Server Management Studio (SSMS) がプレインストールされたクライアント仮想マシンと Managed Instance をデプロイすることもできます。
この一般提供リリースでは、Managed Instance のデプロイ先のサブネットにネットワーク セキュリティ グループ (NSG) を設定することにより、"制限的なトラフィック フィルタリングによるネットワーク分離" を行うことができます。加えて、データベースの脆弱性リスクを検出、追跡し、修復を支援する SQL 脆弱性評価サービスもご利用いただけます。どちらの機能も、Azure への移行後に最適なセキュリティを確保し、自社のポリシーに準拠した状態を保つ有効な手段となることでしょう。
一般提供リリースは、データベースの移行の点でも大幅に改良されています。Azure Database Migration Service を使用して、オンプレミスの SQL Server インスタンスから Azure SQL Database Managed Instance に最小限のダウンタイムでデータベースを移行できるので、Azure へのアプリケーションの切り替えを、業務に影響を及ぼすことなくシームレスに行うことができます。
移行後に最大限のパフォーマンスを確保するために、統合クラウド監視ソリューションである Azure SQL Analytics を使用できるようになりました。マネージド インスタンスにおけるクエリ実行の統計、待ち時間、エラーの分析が可能です。さらに、パフォーマンスの低下を自動的に特定してアラートを送信するビルトイン機能である Intelligent Insights を活用すれば、インスタンスとデータベースの管理およびチューニングに要する時間を大幅に短縮できます。
最後の点として、Microsoft は、ユーザーの皆様に長い間愛用されてきた SQL の機能もクラウドに追加してきました。今回、トランザクション レプリケーションが利用可能になりました。これは、オンプレミスでホストされている SQL インスタンスと Managed Instance でホストされている SQL インスタンスとの間 (双方向) や Managed Instance どうしでデータのレプリケーションと同期が必要なさまざまなシナリオでご利用いただけます。トランザクション レプリケーションを使えば、会社のコンプライアンス ポリシーの要件に応じて、ハイブリッド環境で継続的にデータをレプリケートしたり、レポート用にデータのレプリカを同期させたり、データを再びオンプレミスに移動させたりすることができます。
今すぐお試しください
ぜひ Managed Instance General Purpose をお試しいただき、ご感想をお寄せください。すぐに開始する場合は、Microsoft のドキュメント ホーム ページにアクセスし、「5 分間のクイック スタート」をご覧ください。Managed Instance 用の Azure ネットワークを簡単に構成できます。Managed Instance の作成とスケーリングは、ポータル、PowerShell、Azure コマンド ライン、ARM テンプレートから行うことができます。
最適なパフォーマンスが要求されるワークロードの場合は、代わりに Business Critical サービス レベル (現在プレビュー段階。完全な運用サポートを提供) をデプロイしてください。Business Critical では、きわめて高い IO パフォーマンスと高可用性に加え、インメモリ OLTP が利用できたり、読み取り専用レプリカが 1 つ追加で利用できたりする (読み取りスケールアウト) など、追加の機能が用意されています。
詳しいユーザー シナリオと機能の一覧については、Managed Instance のドキュメント ページをご覧ください。
ぜひ SQL Database Managed Instance をお試しいただき、すべての SQL Server データベースを事実上ハンズフリーで管理できる機能を体験してください。
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