業務に SAP エンタープライズ アプリケーションを使用しているお客様にとって、SAP HANA およびクラウドへの移行は最も大きな懸念事項ではないかと思います。料金、パフォーマンス、コンプライアンス、可用性、スケーラビリティ、運用アジリティ、イノベーションの可能性といったさまざまなことを検討する必要があり、決断は容易ではありません。
現在開催中の SAP Sapphire Now カンファレンスにおいて、マイクロソフトと SAP は、Azure への新しい優れたデプロイ オプションを発表しました。これにより、最も広範なサポートと比類のないパフォーマンスが提供されます。具体的には、任意のハイパースケール パブリック クラウド プロバイダーの大規模な SAP HANA 運用環境ワークロードの処理が可能になります。
Microsoft と SAP は共にエンタープライズ ソフトウェアとクラウドの分野のリーディング企業として業界の最先端を走り続けていますが、今回の発表により両社の協力の幅をさらに広げ、SAP デプロイについてより多くの選択肢をお客様に提供できるようになります。Azure では近日中に、SAP アプリケーションのプラットフォーム機能の対応範囲が大幅に拡大される予定です。変更点は以下のとおりです。
- マルチノードの SAP HANA on Azure については、SAP BW などの SAP HANA Enterprise OLAP アプリケーションで、最大 32 TB のメモリまでスケールアップ可能なデプロイをサポート。
- 単一ノードの SAP HANA on Azure については、S/4HANA などの SAP HANA Enterprise OLTP アプリケーションで、メモリごとに最大 3 TB をサポート。
- SAP HANA One のイメージを Azure Marketplace で提供
- SAP S/4HANA の可用性を Azure GS5 [i] で制御可能に
さらに、本日から下記のシナリオにも新たに対応します。
- Azure GS5 上の OLAP 用 SAP HANA Enterprise (シングル ノード) を運用環境とそれ以外の環境で使用可能に
- Azure GS5 上の OLTP NetWeaver ソリューション用 SAP HANA Enterprise を運用環境以外で使用可能に
SAP HANA on Azure には、大規模な SAP HANA ワークロードの処理が可能な最も強力な SAP 認定パブリック クラウド インフラストラクチャを提供する新しい大規模インスタンスのセットが含まれます。
SAP HANA on Azure (Large Instances) [ii] |
Intel® Xeon® Processor E7-8890 v3 × 2 コア、768 GB の RAM、3 TB のストレージ |
Intel® Xeon® Processor E7-8890 v3 × 4 コア、1.5 TB の RAM、6 TB のストレージ |
Intel® Xeon® Processor E7-8890 v3 × 2 コア、1.5 TB の RAM、6 TB のストレージ |
Intel® Xeon® Processor E7-8890 v3 × 4 コア、3 TB の RAM、12 TB のストレージ |
これらの新しいデプロイ オプションを使用すると、負荷が大きくミッション クリティカルな SAP HANA ワークロードを、スケーラビリティやコンプライアンス性の高い実績あるエンタープライズ プラットフォームで、高い信頼性を確保しながら実行することができます。Coats LLC、Rockwell Automation、Nortek など、早期から導入されているお客様は、Azure で SAP デプロイを実行するこのインフラストラクチャのメリットを既に実感されています。SAP ではまた、Concur® 用 SAP S/4HANA の社内デプロイメントのホスト先として、Azure の評価を積極的に行っています。
このほか、Azure Linux Virtual Machines が SAP Business Suite、NetWeaver、SAP HANA Developer Edition の認定を受けサポートすることが発表されました。これにより、2 層または 3 層の SAP 構成をさまざまなサイズの Azure VM にデプロイし、2,000 ~ 250,000 SAPS の SAP ワークロードに対応することができます。
Azure は SAP ワークロードの実行に対応する最も包括的なプラットフォームで、企業ユーザーの皆様に幅広い選択肢や能力を提供します。今回新たに発表された SAP HANA のサポートに加え、SAP アプリケーションには下記のサポートが提供されています。
- 各種 SAP ソリューションの OS として、Linux と Windows を選択可能
- SAP NetWeaver ワークロードのデータベース管理システムとして、SAP ASE、IBM DB2、Oracle、SQL Server を選択可能
- HA/DR およびエンタープライズ レベルのセキュリティやコンプライアンスのサポートが組み込まれている
- 開発-テスト-運用-サポートのアプリケーション ライフサイクル全体で俊敏なプロビジョニングに対応した環境
- 32 の Azure リージョンで、O365、BI、Machine Learning、Mobile などの高度な Azure サービスを使用して最新アプリを構築するためのリッチなデプロイ環境
- SAP Cloud Appliance ライブラリ を介した Azure Virtual Machines 上の SAP HANA Developer Edition。
Azure Linux VM への SAP システムのデプロイを今すぐ開始するには、ブログ記事「Running SAP Applications on the Microsoft Platform (Microsoft プラットフォームでの SAP アプリケーションの実行)」を参照してください。最新の発表の詳細については、SAP ソリューションに関するページをご覧ください。
[i] 詳細については、Microsoft または SAP のアカウント マネージャーまでお問い合わせください。
[ii] Large Instances のサポートの詳細については、Microsoft または SAP のアカウント マネージャーまでお問い合わせください。