Azure Cost Management と Billing の更新 – 2020 年 4 月

2020年4月30日 に投稿済み

Program Manager, Azure Cost Management

新入生であっても、業績好調なスタートアップ企業や大手企業に勤める社会人であっても、財務的な制約と無縁ではいられません。このため、支出の品目や支出先を把握し、今後の支出計画を立てる必要があります。誰しも請求額を見て驚くような事態は避けたいはずです。ここで出番となるのが Azure Cost Management と Billing です。

マイクロソフトは常に、ユーザーの皆様の課題について理解するよう努めています。Azure Cost Management と Billing を通じて、クラウドでコストが発生している場所の的確な把握、不適切な支出パターンの特定と防止、コストの最適化を促進し、ユーザーの皆様が少ないコストでより多くの成果を達成できるよう支援する方法を模索しています。皆様からお寄せいただいたフィードバックに基づいて、今回は以下のような最新の機能強化、更新を実施しました。

それでは、順に詳しくご説明しましょう。

 

Azure Spot Virtual Machines の一般提供開始

私たちは、皆、コストを削減したいと考えています。コスト削減の機会として最も大規模なワークロードに目が行きがちですが、そこで終わりにしないようにしましょう。一般提供が開始された Azure Spot Virtual Machines (スポット VM) で中断可能な仮想マシンのワークロードのコストを最大 90% 削減できる可能性があります。

スポット VM を使用することで、従量課金制よりもはるかに安い料金で未使用のコンピューティング容量を利用できます。バッチ ジョブ、中断可能な補完ワークロード、開発/テスト環境、ステートレス アプリケーション、その他のフォールト トレラント アプリケーションに最適で、アプリケーションをスケールアウトしながら、アプリケーションの実行コストを大幅に削減、または予算内に収めるうえで大いに役立つ可能性があります。

Azure Cost Management でスポット VM の料金を確認、追跡する方法については、こちらの記事で詳細を説明しています。

 

予算を使用した予約と Marketplace での購入の監視

Azure Cost Management の予算機能を使用することで、コスト増大時に全員が気付けるようになるため、組織のアカウンタビリティの計画を立て、これを推進することが可能になります。既にご存じのとおり、お客様は Azure および AWS サービスの利用状況を監視できます。今回からは、コストを追跡し、予約や Marketplace での購入により予算を超過した際に通知を受け取ることも可能です。

購入が含まれることで、予算機能がさらに強力なものとなります。お客様は、より包括的にコストを把握し、財務的制約を超えないように先回りしてコストを管理および最適化できるようになります。さらに、これらのコスト目標をより具体的に設定し、より細かい監視を実現できます。

たとえば、1 か月あたりの Marketplace での購入額を 1,000 ドル以内に抑えたいと考えているとしましょう。まず、毎月の予算を作成します。ここで、[PublisherType] を [ Marketplace] に設定し、[ChargeType] を [Purchase] に設定します。次に、予算の 50%、75%、またはその他の割合をしきい値として指定して通知を設定します。これらのしきい値に達すると電子メールで通知されます。非常にシンプルです。

予約購入についてはどうでしょうか。予約購入はコスト削減に役立つため制限したくないが、組織全体で使用されている場合に通知だけ受け取りたいといったケースも考えられます。毎年の予算を作成します。ここで、[PublisherType] を [ Azure] に設定し、[ChargeType] を [Purchase] に設定します。購入によってしきい値を超えた際に通知されるようになります。そして、その時点で予算額を増やし、新たな予約の購入時に引き続き通知を受け取ることもできます。

一方、利用状況を監視したいだけの場合は、ただ [ChargeType] を [Usage] に設定するだけです。とてもシンプルです。

もちろん、これはごく一部です。Azure Cost Management の予算機能を使用してコストを監視および制御する方法の詳細については、こちらの記事をご覧ください。

 

Azure Resource Graph を使用したコスト削減の自動化

既にご存じのとおり、Azure Advisor を使用することで、品質を犠牲にすることなく、コストを削減および最適化できます。また、既にご存じの Azure Advisor API を使用することで、レコメンデーションを独自のレポートや自動化に組み込むことが可能です。このたび、Azure Resource Graph を介してレコメンデーションを得ることも可能になりました。

Azure Resource Graph は、サブスクリプション全体で Azure リソース探索を可能にします。リソースのプロパティや関係性に基づいた高度なフィルター、グループ化、および並べ替えを利用して、特定のワークロードにターゲットを絞り、さらに踏み込んで、リソースの管理とガバナンスを大規模に自動化することもできます。このたび、Azure Advisor のレコメンデーションの追加により、コスト削減に関するレコメンデーションのクエリも可能になりました。

Azure portal から Azure Resource Graph で Azure Advisor のコストに関するレコメンデーションのクエリを実行

レコメンデーションのクエリは簡単です。Azure portal で Azure Resource Graph を開いて、advisorresources テーブルを探索するだけです。たとえば、潜在的なコスト削減の機会に関する大まかな情報が必要だとしましょう。

advisorresources
// First, we trim down the list to only cost recommendations
| where type == 'microsoft.advisor/recommendations'
| where properties.category == 'Cost'
//
// Then we group rows...
| summarize
// ...count the resources and add up the total savings
     resources = dcount(tostring(properties.resourceMetadata.resourceId)),
     savings = sum(todouble(properties.extendedProperties.savingsAmount))
     by

// ...for each recommendation type (solution)
     solution = tostring(properties.shortDescription.solution),
     currency = tostring(properties.extendedProperties.savingsCurrency)
//
// And lastly, format and sort the list
| project solution, resources, savings = bin(savings, 0.01), currency
| order by savings desc

さらに一歩踏み込んで、Logic Apps または Azure Functions を使用し、週次電子メールをサブスクリプションおよびリソース グループの所有者に送信することもできます。または、リソース ID を軸にしてこれを行い、承認ワークフローを設定して、自動的に未使用のリソースを削除したり、使用率の低い仮想マシンの規模を縮小したりすることもできます。その可能性は無限大です。

 

FedRAMP High の認定を受けた Azure Cost Management

このたび、Azure Cost Management が、Federal Risk and Authorization Management Program (FedRAMP) High Provisional Authorization to Operate (P-ATO) の認定を受けた Azure Government 向けの 101 のサービスの 1 つとなりました。このサービス数は、クラウド プロバイダーの中でも最多を誇ります。

FedRAMP High の認定対象の拡大についての詳細は、こちらの記事 (英語)をご覧ください。

 

レポーティングに関する目標をお教えください

ご存じのとおり、マイクロソフトはお客様のご期待やニーズをより深く理解するための方法を常に模索しています。コストの管理と最適化の際、お客様はレポーティングに関してどのような課題と目標を持たれているでしょうか。マイクロソフトは、そうした事項のうち最も重要なものを把握したいと考えています。先月、既にアンケートにご回答いただいているお客様につきましては、ご協力いただきありがとうございました。今後数か月にわたって Cost Management と Billing のエクスペリエンスのうち、どのレポーティング機能を優先的に強化するのかについて、こちらのアンケートのご意見を参考に決定を行う予定です。アンケートには 9 項目の質問が含まれており、所要時間は 10 分程度です。Azure Cost Management と Billing を扱う業務を担当されている方とこちらのアンケートをぜひ共有してください。さまざまな方からご意見を頂戴することができれば、それだけより優れたサービスをお客様、お客様のチーム、およびお客様の組織に提供できるようになります。

アンケートに答える (英語)

 

Azure でコストを削減する新しい方法

この 1 か月で、コスト最適化に役立つ機能強化が多数実施されました。ここでは、皆様の参考になると思われるものをいくつかご紹介します。

 

新しいビデオと学習の機会

映像を見て理解したいという方にお勧めの新しい 5 本のビデオと新しい MS Learn のラーニング パスをご紹介します。

Azure Cost Management と Billing の YouTube チャンネル (英語) をフォローしていただくと、新しいビデオの公開時にそのビデオを視聴して最新情報を入手することが可能になります。ご希望のトピックなどがありましたら、ぜひコメントをお寄せください。

ガイダンス的なリソースをご希望の場合は、Azure Cost Management と Billing を使用した Azure のコストの制御および請求の管理 をご覧ください。

 

ドキュメントの更新

ここでは更新されたドキュメントのうち、皆様の参考になると思われるものをいくつかご紹介します。

すべてのドキュメントの更新状況を確認する場合は、GitHub の azure-docs リポジトリで、Cost Management と Billing のドキュメントの変更履歴 (英語) をご覧ください。不足している情報を見つけた場合は、ドキュメント最上部の [Edit] を選択し、クイック プル リクエストを送信していただくようお願いいたします。

 

今後について

今回ご紹介したのは、先月から大きく更新された機能のほんの一部です。過去の Azure Cost Management と Billing の更新も忘れずにご確認ください。マイクロソフトは常に皆様からのフィードバックに耳を傾け、改善に取り組んでいます。ぜひ今後もフィードバックをお寄せください。

最新情報、ヒントやテクニックを入手するには、Twitter アカウント @AzureCostMgmt (英語) のフォローや、YouTube チャンネル (英語) へのご登録をお願いいたします。Cost Management のフィードバック フォーラム (英語) では、アイデアの投稿や他のユーザーの意見への投票をお待ちしています。

現在は皆様にとりまして大変な時期をお過ごしのことと思います。Azure Cost Management チーム一同、皆様のご安全とご健康を心よりお祈り申し上げます。