先月オーランドで開催した Ignite Conference において、Azure Digital Twins のパブリック プレビューについて発表しました。これは、あらゆる物理環境に適用できる、総合的なデジタル モデルと空間認識ソリューションのための新しいプラットフォームです。本日、お客様にとってさらに簡単な IoT を実現する取り組みの次のステップとして、Azure Digital Twins が正式に公開されたことを発表いたします。
本日以降、お客様とパートナーの皆様は Azure アカウントを作成し、Azure Digital Twins の使用を開始できます。Azure Digital Twins ドキュメントと製品ページに用意されているコンテンツを確認されるようお勧めします。また、クイック スタートを試し、Azure Digital Twins でソリューションの作成を今すぐ開始することもできます。
先月のお知らせのブログ記事で言及したように、Azure Digital Twins を使用すると、お客様は最初に物理環境をモデリングすることで、デバイスをそのモデルに接続する前から恩恵が受けられます。センサーやデバイスのマッピングという枠を超えた IoT のアプローチに切り替えると、お客様は新しい空間インテリジェンス機能や、空間とインフラストラクチャの実際の使用方法の分析情報から恩恵を受けられます。これにより、組織はエネルギー効率から社員の満足度と生産性に至る、あらゆるレベルで人々のニーズに応えることができます。さらに、このプラットフォームでは、強力かつコンテキスト対応型の IoT ソリューションをより迅速かつ効率的に作成できます。そのような堅牢で強力なソリューションの開発を効率化するのに適した機能を装備しているからです。具体的には、Azure Digital Twins は以下の主要な機能を装備しています。
空間インテリジェンス グラフ: 人、場所、デバイスの関係をモデル化する、物理環境の仮想表現です。このデジタル ツインにより分析情報が生成され、組織はそれを使用してエネルギー効率、空間利用、占有者のエクスペリエンスなどを改善するソリューションを作成できます。これには BLOB ストレージが含まれます。つまり、グラフ中に表現される空間、人々、デバイスに、メタデータとしてマップ、ドキュメント、マニュアル、写真を添付および格納する機能です。以下の画像は、このグラフがどのような外見であるかや、物理環境を仮想的に表現する複数層で成る階層的なアプローチがどのように実現されているかを示した、単純なビジュアルです。
ツイン オブジェクト モデル: Azure Digital Twins には、ソリューションの作成をより迅速かつ効率的に行えるよう、ソリューションのドメイン特有のニーズにかなう、事前定義されたスキーマとデバイス プロトコルも備わっています。あらゆる屋内空間や屋外空間だけでなく、インフラストラクチャや都市全体にさえ、こうした利点を適用できます。Azure Digital Twins は、工場、スタジアム、配管網であれ、あらゆる種類の環境で作業するお客様に対応します。それが可能なのは、ツイン オブジェクト モデルにより、ソリューションのさまざまなニーズに合わせてグラフを完全にカスタマイズできるからです。
高度なコンピューティング機能: ユーザーは、デバイスとセンサーからのテレメトリに基づいて通知またはイベントを生成する関数を定義できます。この機能を効果的に適用できる方法はたくさんあります。たとえば、会議室で PowerPoint を使用してプレゼンテーションを開始するときに、環境によって自動的に照明を薄暗くし、ブラインドを下げることができます。会議終了後、すべての人が退出したら、照明をオフにして、空調を下げることができます。
マルチ テナントと入れ子になったテナントの機能を使用したデータの分離: データを確実に分離できるようマルチテナントや入れ子になったテナントの機能が組み込まれているため、ユーザーはそれを活用して、複数のテナントとサブテナントによってスケーリングや安全なレプリケートを行うソリューションを作成できます。Microsoft の希望はアプリケーション層で競争することではなく、むしろ Azure Digital Twins プラットフォームの上に他社に構築してもらえるようにすることです。マルチテナントおよび入れ子になったテナントのモデル全体を使用すれば、組織はデータのセキュリティ保護と分離を完全に行って、複数のエンドカスタマーに向けて構築および販売できます。
アクセスの制御と Azure Active Directory (AAD) を使用したセキュリティ: ロールベースのアクセス制御と Azure Active Directory は人やデバイスに関する自動化されたゲートキーパーの役目を果たし、許可するアクションを指定したり、セキュリティ、データ プライバシー、コンプライアンスを確保したりします。
さまざまな Microsoft サービスとの統合: お客様とパートナーの皆様は、Azure の分析、AI、ストレージのサービスや、Azure Maps、Azure ハイ パフォーマンス コンピューティング、Microsoft Mixed Reality、Dynamics 365、Office 365 など広範なサービスと Azure Digital Twins を接続して、独自のソリューションを作成できます。こうしたサービスとの統合により、お客様はエンドツーエンドのクラス最高の IoT ソリューションを作成できます。
Azure Digital Twins には IoT の分野で劇的な変化をもたらす力があります。広範囲にわたる業種や背景のお客様やパートナーの皆様の一部は、次世代の空間インテリジェンス IoT ソリューションの可能性を既に活用しています。パートナーが Azure Digital Twins に備わっている機能をパッケージ化して、物理環境のデジタル ツインを作成した方法の具体例を示すため、完成したソリューションの外観と、そのビジュアル化の方法を下の画像に示します。こうした素晴らしい画像は Azure Digital Twins 上に構築されたソリューションの UI の例となっていますが、これらがもたらす影響はさらに興奮を誘うものです。さらに理解を深めるため、既存の顧客事例の詳細を確認することをお勧めします。
さらに情報を提供するため、以下にビデオを含めました。ここでは、Azure Digital Twins の主要機能や価値提案をより詳細に説明しています。Microsoft はお客様にとってさらに簡単な IoT を実現するためにこれからも意欲的に取り組んでいきます。お客様のデジタル変革の過程で Azure Digital Twins が果たす役割を楽しみにしています。クイック スタートを試し、Azure Digital Twins を使用してソリューションの作成を今すぐ開始してください。改善すべき点についてフィードバックとご提案をお寄せください。ご意見に感謝し、お客様の悩みやニーズにこたえる方法を絶えず探していきます。