IoT により予測メンテナンスの力を引き出す

目標となる成果を特定する

改善対象のビジネス プロセスと、最終的に実現したい成果を判断します。

予測する事柄は、それに基づいて措置を講じることのできるものでなければなりません。そうでなければ、予測する意味がありません。たとえば、加熱冷却装置が次の日に故障すると予測しても、それを防ぐためにできることが何もないのであれば意味がありません。

実現したい成果を把握するところから始めましょう。そうすると、答えが必要な予測に関する質問を判断でき、取り組みの成果を評価する助けになります。

予測に関する一般的な質問には次が含まれます。

  • タイミング:機器が故障するまでの時間の長さ。
  • 確率:(x) 日または週間のうちに故障する確率。
  • 原因:考えられる故障の原因。
  • リスク レベルのランク付け:故障リスクが最も高いのはどの機器か。
  • メンテナンスの推奨事項:特定のエラー コードと他の条件を考えると、問題を解決できる可能性が最も高いメンテナンス作業はどれか。

インベントリ データ ソース

関連データのソースと種類として可能性があるものをすべて特定します。どのデータが不可欠でどのデータが任意かは、求めている成果によって異なります。

さまざまなソースからのデータを含めます。重要な情報は、意外な場所から入手できることもあります。

それぞれのデータ ソースからどのようなデータが入手可能かを理解することから始めます。データは構造化されていることもあればされていないこともあり、内部システムから入手できることもあれば、外部から入手できることもあります。

関連データの例には次が含まれます。

  • 運用状況 - 場所、温度、機器のオペレーターなど。
  • 故障の詳細 - タイミング、天気、原因など。
  • 修復履歴

データが部分的であっても、異常検出などの中間的な解決策を活用できます。それには、通常とは異なる傾向やパターンの検出をリアルタイムで監視することが含まれます。この方法なら、異常を検出しつつ、問題に対する信頼性の高い予測モデルを構築するために必要な特定のデータを収集できます。

データの捕捉と結合

すべてのデータを 1 か所に接続して分析の準備をします。

正しい動作とエラーの両方のログを含むデータを引き出すことにより、信頼性の高い予測モデルのための基盤を作ります。

ここまでで、予測分析のための基盤を作る準備ができました。これには次が含まれます。

  • さまざまなソースからのデータを、単一の一貫したシステムに接続する。
    データの保存場所は多岐に及ぶことがあるので、単一の、一貫したシステムに接続するのは重要なステップです。データの移動が必要な場合もありますが、多くの場合、必要なのは、データ ソースを分析用システムに接続することです。大量のデータを扱う場合は、ビッグ データを処理できる分析ツールを使用することが重要です。
  • データを正規化する。
    時間がかかる場合があるとは言え、データの正規化も非常に重要です。特に、一部、修復チームからの事例情報に頼る場合はそう言えます。データの正規化は、分析の正確さや有効性を改善するのにも役立ちます。

モデル化、テスト、繰り返し

機械学習の技術を利用して予測モデルを構築し、想定外のパターンを特定します。モデルをランク付けして、設備故障のタイミングを予測するうえでどのモデルがベストかを判断します。

どの程度の事前通知があればメンテナンス チームが予測に対応できるかを理解して、モデルを対応可能なものにします。

データを分析して、意味のあるパターンを特定することから始めます。これには、データのサブセットを使用して一連のモデルを構築することが関係します。データを分析しモデル化する際には、仮説を立ててテストすることが役に立つ場合があります。そうすると、どの兆候に注目すべきかに関しての方向性や、分析結果の評価対象とする基準値を得ることができます。

次に、モデルをランク付けします。残りのデータを利用して、予測に関する質問に最も優れた答えを出すモデルを判断します。モデルは対応可能でなければ意味がありません。そのため、分析の取り組みは実際のビジネスに根差したものであるべきです。たとえば、修復チームがメンテナンス要求を満たすためには 48 時間前に通知を受け取る必要がある場合、対応可能なモデルは、故障の発生よりも 48 時間以上前にそれを予測します。

予測モデリングは、将来の機器の問題が発生するかもしれない状況を特定するのに役立ちます。この情報をもとにプロセスとシステムを調整して、そのような状況が発生するときに予防措置をトリガーすることができます。言い換えれば、モデルから得られた分析情報を、運用上の変更に変換できるということです。ここにこそ、ビジネス上の大きな価値が認められます。

実際の運用設定でモデルを検証する

ライブのストリーミング データにモデルを適用し、実環境の状況でどのように動作するかを観察します。機械学習を使用してモデルを改善し、本格的な実装に備えます。

実環境でのパイロット中に収集したデータに基づいて、手法を改善しましょう。

接続済みの機器を監視する

IoT による予測メンテナンスのパイロットを実施するには、機器が接続されており、適切なシステムに対して最新の運用データを送信している必要があります。モデルはその実際のデータ フローを分析して問題の兆候を検出し、アラートや予防措置 (交換部品の注文や技術者の手配など) をトリガーします。

パイロット計画

パイロットの範囲を定めることから始めます。それには、機器、関連するシステムと場所、テストするシナリオ、アラートまたは措置 (交換部品の自動注文など) をトリガーする条件、成果の評価、タイミングなどが含まれます。

モデルを適用し、結果を改善する

パイロットを通じて新しいデータを継続的に収集します。このデータは、許容範囲を微調整するのに役立ちますし、新しい故障の兆候も明らかになるかもしれません。最新の運用データや分析からわかることに基づいて、躊躇せずに手法を調整しましょう。

運用に組み込む

メンテナンスのプロセス、システム、リソースを調整して新しい分析情報を活用できるように、モデルを運用可能にします。機械学習と高度な分析から分析情報を得ることにより、継続的に改善します。

プロセスと手順を強化し、学んだことを活用します。

パイロットの目標を達成してモデルを改良したら、広範な実装の準備が整ったことになります。

おそらくこれには、改訂された修復スケジュールや動的な修復スケジュールのような、多くの運用上の変更を展開することや、特定のデータが指定された範囲を超えた場合に緊急の修復を優先順位付けするために、ポリシーを変更することが含まれるでしょう。運用上の変更は広範囲に及ぶことがあるので、段階的なアプローチで徐々に利点を実現することをお勧めします。

予測メンテナンスの手法を展開する際に実現できる運用上の改善は広範囲に及びます。たとえば、次のことを実現できます。

  • 修復担当者がいつ何をするかを最適化します。機能停止を減らして余分な移動をなくすために、修復スケジュールやルートを調整します。
  • 余分な在庫を抱え込まないように、スペア パーツの購入方法を変更します。パーツの注文はちょうどよいときにトリガーされます。
  • サービスとしての予測メンテナンスを提供して年次収益を得たり、顧客との継続的な関係を維持したりします。

これらは、予測メンテナンスによってどのように効率を高め、コストを削減し、ビジネスを成長させることができるかを示すいくつかの例にすぎません。

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