Azure 上のアプリケーションに問題が発生した場合、解決策を調査するために真っ先に確認するべきなのが Azure Service Health ダッシュボードです。本ブログ記事では、「Azure の状態」ページと Azure Service Health との違いを詳しく解説します。また、サービスに問題が発生した際、いち早く情報を入手し、ワークロードの可用性に関する改善策を講じるために Service Health アラートを利用する方法についても説明します。

「Azure の状態」ページの上手な使い方

Azure の状態ページは大規模なサービス停止の追跡に最適で、Azure ポータルにログインできない場合や、Azure Service Health にアクセスできない場合に特に便利です。Azure ユーザーの多くが、このステータス ページを定期的にチェックしています。このページは Azure Service Health ができる以前から提供されているもので、Azure の全サービスおよび全リージョンの稼働状況がひと目で把握できるよう、わかりやすい表形式で表示されています。

ただし、Azure の状態ページには、Azure のサービスとリージョンの正常性について必要な情報だけが掲載されているわけではありません。このページはパーソナライズされていないため、お客様は利用しているサービスとリージョンがどれなのかを正確に理解して、自身で表内を探す必要があります。また、サービスの停止を伴わない問題の場合、お客様の可用性に影響を及ぼす可能性があっても、このページには表示されません。たとえば、計画メンテナンスの実施や、正常性に関する通知 (サービスの廃止や構成ミス) がこれに該当します。さらに、サービス停止の際や計画メンテナンス期間にお客様が影響を受ける可能性がある場合でも、このページには自動的に通知する機能がありません。

こうした、Azure の状態ページではカバーされないユース ケースのために作成されたのが Azure Service Health です。

Azure Service Health の上手な使い方

Azure の状態ページの上部には、パーソナライズされたダッシュボードに移動するためのボタンがあります。このボタンを押すとページのサービスとリージョンの表示をパーソナライズできると思っている方が多くいらっしゃいますが、それは誤解です。このボタンは、Azure Service Health に移動するための Azure Portal へのリンクです。Service Health は、お客様のリソースの可用性に影響を及ぼす可能性のある Azure のイベントを確認するための最も優れた手段です。

Service Health 内では、お客様が影響を受ける軽微なサービス停止から、計画メンテナンスの実施を始めとする正常性に関する通知まで、さまざまな情報を参照できます。ダッシュボードの情報がパーソナライズされているため、お客様が利用中のサービスやリージョンが反映されます。また、お客様のトラブルシューティングに役立つよう、各イベントによって影響を受ける可能性のあるリソースのリストを提示します。

Service Health で最も便利な機能と言えば、Service Health アラートでしょう。Service Health アラートを使用すると、利用中のサービスやリージョンで問題が発生した場合に、電子メール、SMS、プッシュ通知といった希望するチャネルを通じていち早く通知を受け取ることができます。あるいは Webhook を使用して、ServiceNow や PagerDuty といった社内チケット システム経由で通知を受けることも可能です。Service Health や Azure の状態ページを常にチェックする必要がなくなるため、他の重要な仕事に集中して取り組めるようになります。

Service Health アラートを今すぐ設定しましょう

Azure の状態ページは、引き続き、大規模なサービス停止に関する最新情報をすばやく入手する手段としてお使いいただけます。それと併せて、Service Health へのアクセスを習慣化し、リソースの可用性に影響しそうなものがないか常に把握すると共に、自動アラートなどの充実した機能を活用することを強くお勧めします。

ぜひ Azure Portal にアクセスし、Azure Service Health アラートを今すぐ設定しましょう。詳細なガイダンスについては、Azure Service Health のドキュメントを参照してください。また、Service Health へのご意見がございましたら、こちら (英語) からアイデアをお寄せください