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新型コロナウイルス感染症の世界的大流行がもたらした経済上の課題が、今なお世界中のあらゆる組織に影響を及ぼしています。この困難な時期に、特に重要なトピックとなっているのが「コストの最適化」です。先日、弊社は Microsoft Azure でのコスト最適化に向けたアプローチ方法の概要に関する記事を公開し、お客様の Azure 投資の価値を最大限に引き出すための 3 つの重点領域である「コストの把握と予測」、「ワークロードのコスト最適化」、「コストの管理」について説明しました。

本稿では、2 つ目の重点領域である「Azure ワークロードのコストを最適化する方法」についてさらに掘り下げ、Microsoft Azure Well-Architected Framework、Azure Advisor などのツール、および Azure ハイブリッド特典や Azure の予約などのサービスに関するガイダンスが、Azure での操作を効率化して、コストを節約する上でいかに役立つかについて説明します。

Azure Well-Architected Framework のベスト プラクティスに基づくコスト最適化に向けたワークロードの設計

Azure Well-Architected Framework は、実証済みの業界ベスト プラクティスに基づく、実用的かつ使いやすい充実した技術コンテンツ、評価、リファレンス アーキテクチャを利用して、お客様が自信を持ってクラウド ワークロードの構築と展開を行えるようにすることを目的として設計されたものです。ワークロードを Azure Well-Architected Framework のクラウド設計に関する 5 つの柱 (コスト最適化、信頼性、セキュリティ、パフォーマンス効率、オペレーショナル エクセレンス) に対して評価することで、適切な活動に集中して、確実にワークロードを最適化し、積極的にビジネス ニーズに対応できるようになります。

Azure Well-Architected Framework のコスト最適化セクションでは、お客様の Azure ワークロードの価値を最大限に引き出すためのコストの管理方法について取り上げ、以下の内容をカバーしています。

Azure Well-Architected Framework の出発点として、Azure Well-Architected Review (英語) を受けることをお勧めします。このレビューでは、信頼性、コスト最適化、オペレーショナル エクセレンス、セキュリティ、パフォーマンス効率の柱で定義されているベスト プラクティスに照らし合わせてお客様のワークロードを検討します。レビューは、すべての柱に対して受けることも、いずれかを選択することもできるので、ご希望に合わせてコスト最適化に集中することから始めることができます。

Azure Advisor のベスト プラクティスの推奨事項に基づく Azure リソースの最適化

お客様のワークロードは複数のリソースで構成されているため、最新の Azure のベスト プラクティスに従ってリソースを構成することが、確実にワークロードのコスト最適化を行う上で極めて重要になります。Azure Advisor は、コスト、セキュリティ、パフォーマンス、信頼性、オペレーショナル エクセレンスについて、お客様が既に展開済みの Azure リソースを最適化できるようにすることを目的とした無償サービスです。Advisor は、Azure Well-Architected Framework に沿ったものですが、ワークロード レベルではなくリソース レベルに焦点を絞っています。Advisor の推奨事項は、リソースの利用統計情報と構成に基づき、お客様の Azure 環境に合わせてパーソナライズされます。

Advisor のコストに関する推奨事項には、たとえば、使用率の低いリソースを最適なサイズに変更する、未使用のリソースをシャットダウンする、予約インスタンスを購入して従量課金制よりもコストを節約する、ストレージのライフサイクル管理を使用する、などが含まれます。詳細について、Advisor のコストに関する推奨事項をご覧ください。

Advisor では、リソースの最適化をより素早く簡単に行えるようにするための機能をいくつか提供しています。Quick Fix を利用すると、ワンクリックで推奨事項の一括修正を実行できるため、修正したいリソースを複数選択できます。Quick Fix をクリックすれば、残りの作業は Advisor によって行われます。お客様にとって最も重要な推奨事項 (運用サブスクリプションやリソース グループに関するものなど) だけが表示されるよう、Advisor を構成することもできます。Advisor アラート を利用すると、新しい推奨事項が提供された場合に通知されます。Advisor の推奨事項ダイジェストでは、まだお客様による修正が行われていない推奨事項について再確認できます。

コストに関する推奨事項の修正の詳細情報と利用開始については、Advisor のドキュメントをご覧ください。

既存のオンプレミス ライセンス投資を Azure ハイブリッド特典で利用することによる、Azure の大幅なコスト削減

Azure ハイブリッド特典は、Windows Server および SQL Server のオンプレミス ライセンス (ソフトウェア アシュアランス付きまたはサブスクリプション) を Azure に持ち込むと、標準の従量課金料金に比べて最大 85% のコスト節減ができ1、Azure でのコンピューティング コストのみお支払いいただく、というライセンス特典です。これらのコスト節減特典は、Azure SQLAzure Dedicated Host に適用できます。

Azure から提供されるライセンス モビリティ特典には、Windows Server と SQL Server のライセンスをクラウドに持ち込む、SQL Server ライセンスを IaaS (サービスとしてのインフラストラクチャ) や PaaS (サービスとしてのプラットフォーム) 環境で利用する、追加のライセンス特典を得る (ライセンスの 180 日間の二重使用権 (オンプレミスと Azure の両方) など) が含まれます。高度に仮想化されたワークロードの場合は、SQL Server Enterprise の各コアにつき Azure SQL Database または Azure SQL Managed Instance の vCPU が 4 つ提供されます。

このような独自のメリットに加えて、SQL Server ディザスター リカバリーに対する無償のフェールオーバー サーバー ライセンスや、無償の延長セキュリティ更新プログラムなどの特典も提供されるため、Azure は Windows Server および SQL Server にとってクラス最高のクラウドといえます。

その他の技術情報に関するチュートリアルやリソースについては、Azure ハイブリッド特典のドキュメントをご覧ください。

Azure の予約で前払い予約をして、コストを節減

Azure の予約を購入することで、Azure サービスの割引を受けることができます。Azure の予約は、特定の Azure サービスに対する 1 年間または 3 年間のコミットメントです。お客様の 1 年間または 3 年間のリソースのニーズをお知らせいただくことで、当社は効率化を図ることができます。代わりに、お客様には最大 72% の割引としてコスト節減特典を提供します2。予約をご購入いただくと、即座に割引が適用され、従量課金制では請求されなくなります。このオファーは、大きな容量を使用する、または一定の状態で長期間実行される Azure サービスに最適です。

予約の割引は、以下の種類の対象サブスクリプションとオファーに適用されます。

  • エンタープライズ契約 (オファー番号: MS-AZR-0017P または MS-AZR-0148P)
  • Microsoft 顧客契約のサブスクリプション
  • 従量課金制での各プラン (オファー番号: MS-AZR-0003P または MS-AZR-0023P)
  • クラウド ソリューション プロバイダー (CSP) のサブスクリプション

詳細情報

各種月額支払いオプションで追加コストをかけずに前払いのキャッシュ フローを抑える方法の詳細については、予約のドキュメントをご確認ください。

Azure ハイブリッド特典予約価格、および延長セキュリティ更新プログラムを組み合わせることで、保有コストを最小限に抑えられる場合があります。これらの Azure コスト節減オプションを利用して、ぜひ今すぐ Azure ワークロードのコスト最適化を行ってください。

クラウドのコスト最適化に関するガイダンスの最新情報について、定期的にチェックしてください。Azure のコスト最適化のページで詳細をご確認いただくこともできます。


1 85% のコスト節減効果は、米国東部 2 リージョンの 8 コアの VM (D13 v2) に基づいており、SQL Server Enterprise Edition VM の割引前の料金 (ライセンスを含む料金) と割引後の料金 (SQL Server および Windows Server 向けの Azure ハイブリッド特典を利用した場合の料金) を比較して算出したものです。これには、SQL Server および Windows Server のソフトウェア アシュアランスの料金は含まれておらず、EA 契約や適用されるボリューム ライセンス契約に応じて変動する場合があります。実際のコスト節減効果は、リージョン、インスタンスのサイズ、およびコンピューティング ファミリに応じて変動する場合があります。料金は 2018 年 6 月 5 日時点のものであり、変更される場合があります。


2 72% の節約は、米国政府バージニア リージョンの 1 つの Windows OS 向け M32ts Azure VM で、従量課金制 (毎月 3,660.81 ドル) で 36 か月運用した場合と、3 年間予約インスタンスの場合 (毎月 663.45 ドル) を比較して得られた数値です。2018 年 10 月 30 日現在の Azure 価格体系です (価格は変更になることがあります)。実際に節減可能な額は、場所、インスタンスの種類、または利用状況によって異なる場合があります。

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