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新入生であっても、業績好調なスタートアップ企業や大手企業に勤める社会人であっても、財務的な制約と無縁ではいられません。このため、支出の品目や支出先を把握し、今後の支出計画を立てる必要があります。誰しも請求額を見て驚くような事態は避けたいはずです。ここで出番となるのが Azure Cost Management と Billing です。

マイクロソフトは常に、ユーザーの皆様の課題について理解するよう努めています。Azure Cost Management と Billing を通じて、クラウドでコストが発生している場所の的確な把握、不適切な支出パターンの特定と防止、コストの最適化を促進し、ユーザーの皆様が少ないコストでより多くの成果を達成できるよう支援する方法を模索しています。皆様からお寄せいただいたフィードバックに基づいて、今回は以下のような最新の機能強化、更新を実施しました。

それでは、順に詳しくご説明しましょう。

 

Azure の予約と Azure ハイブリッド特典に関する Power BI の新しいレポート

Azure Cost Management と Billing には、コストや使用状況のデータに関するレポートを作成する方法がいくつか用意されています。まずポータルにアクセスすれば、データをダウンロードすることや、オフラインでの分析用に自動エクスポートをスケジュールすることができ、さらには Cost Management API と直接統合することも可能です。とはいえ、他のビジネス レポートと一緒に詳細なレポートを確認したいというだけの場合もあるでしょう。そこで Power BI の出番です。昨年 10 月に、Azure Cost Management Power BI コネクタに予約購入が追加されたことについて説明しましたが、さらに新しい Azure Cost Management Power BI アプリ (英語) には、予約と Azure ハイブリッド特典に関する詳細なレポートをはじめ、すぐに利用できるさまざまなレポートが用意されています。

[Account overview (アカウントの概要)] では、使用状況と購入に関するすべての情報のほか、クレジット残高もまとめて表示され、毎月の支出を確認できるようになっています。ここから、他のページでサブスクリプション別、リソース グループ別、またはサービス別に分類された使用コストを掘り下げることもできます。あるいは、単に支払い料金を知りたい場合は、[Price sheet (価格シート)] ページを確認します。

既に Azure ハイブリッド特典 (AHB) を利用されている場合や、使用されていないオンプレミス用の Windows ライセンスをお持ちの場合は、[Windows Server AHB Usage (Windows Server AHB 使用量)] ページをチェックしましょう。まず現在どれだけの VM で AHB が有効になっているかをチェックすることで、さらにコストを抑えるのに使える余分なライセンスがないか確認できます。余分なライセンスをお持ちであれば、AHB の対象となる VM をそれぞれのコア/vCPU の数に基づいて特定することもできます。最もコストの高い VM に AHB を適用すれば、最大のコスト節減効果が得られます。

新しい Azure Cost Management Power BI アプリの Azure ハイブリッド特典 (AHB) に関するレポート

Azure の予約をご利用の場合や、利用していれば得られたコスト節減効果に関心をお持ちの場合は、[VM RI coverage (VM RI カバレッジ)] ページをチェックして、新規の予約でコストを節減できる新たなチャンスがないか確認されることをお勧めします。その際、過去の利用状況も確認されると、予約をお勧めする理由がおわかりいただけるでしょう。特定のリージョンや、インスタンス サイズの柔軟性グループなどを選択して掘り下げることができます。過去の購入は [RI purchases (RI の購入)] ページで確認できます。内部でチャージバックを行う必要がある場合は、[RI chargeback (RI チャージバック)] ページでそれらのコストのリージョン別、サブスクリプション別、リソース グループ別の内訳を確認できます。また、[RI savings (RI の節約)] ページも忘れずにチェックしましょう。このページでは、Azure の予約を利用することでこれまでに節約できたコストを確認できます。

新しい Azure Cost Management Power BI アプリの Azure 予約カバレッジ レポート

これは新世代の Power BI レポートの初めてのリリースにすぎません。今すぐ Azure Cost Management Power BI のクイックスタートをお試しいただき、ご希望の機能などありましたらぜひお知らせください。

 

ヘルプやサポートに、より素早くアクセス

何かを新しく覚えることは必ずしも簡単なことではありません。それが自分の主な業務でない場合はなおさらです。とはいえ、財務目標の達成がいかに大切かを考えれば、ヘルプやサポートを得ることがどうしても重要になります。そこで Cost Management では、コンテキスト ヘルプ メニューを新たに導入し、ユーザーに役立つドキュメントやサポート エクスペリエンスを提案できるようにしました。

まずは [Quickstart tutorial (クイックスタート チュートリアル)] から始めて、そのエクスペリエンスを自動化することや、お使いのアプリに組み込む準備ができたら、[API reference (API リファレンス)] を確認することをお勧めします。エクスペリエンスのさらなる向上に向けてお気づきの点がありましたら、[Feedback (フィードバック)] からいつでもご意見をお寄せください。また、何らかの問題やご不明な点がありましたら、まずは [Diagnose and solve problems (問題の診断と解決)] をお試しいただき、それでも解決策が見つからない場合には、[New support request (新しいサポート要求)] から問題の内容を送信してください。マイクロソフトでは、いただいたすべてのご意見およびサポート要求を慎重に確認し、お客様のご要望に沿ってエクスペリエンスを簡素化する方法を検討しています。ご希望の機能などありましたら、ぜひお知らせください。

Azure Cost Management の [Help (ヘルプ)] メニュー。[Quickstart tutorial (クイックスタート チュートリアル)]、[API reference (API リファレンス)]、[Feedback (フィードバック)]、[Diagnose and solve problems (問題の診断と解決)]、[New support request (新しいサポート要求)] にアクセスするためのオプションが表示されています

 

アンケートへのご協力のお願い

ご存じのとおり、マイクロソフトはお客様のご期待やニーズをより深く理解するための方法を常に模索しています。今月は、皆様がクラウドの使用状況やコストに関するレポートの作成と分析をどのように行っておられるかについて、簡単なアンケート (英語) でお聞かせください。お答えいただいた内容は、Cost Management と Billing のエクスペリエンスの使いやすさやナビゲーションの向上において参考にさせていただきます。アンケートには 15 項目の質問が含まれており、所要時間は 10 分程度です。

アンケートに答える (英語).

 

Cost Management ラボの新機能

Cost Management ラボでは、Azure Cost Management の新機能をプレビューし、マイクロソフトと直接やりとりしてフィードバックを共有していただくことができます。これにより、マイクロソフトはお客様のサービス利用状況をよりよく理解し、より調整および最適化されたエクスぺリンスを実現することが可能になっています。Cost Management ラボでプレビューできる機能をいくつかご紹介します。

  • コスト分析の [Home (ホーム)] ビューでより素早く開始
    Azure Cost Management は、コストを把握したり、コストを掘り下げたりするプロセスを開始するための 5 つの組み込みビューを備えています。[Home (ホーム)] ビューを使用することで、これらのビューに素早くアクセスし、必要な情報を迅速に入手できます。
  • 新機能: コストの詳細をリソース別に表示
    リソースのコストを掘り下げ、測定項目別に分類できます。単に対象の行を展開して詳細を確認することも、リソースのリンクをクリックして開き、操作することもできます。
  • 新機能: "該当なし" として表示される意味を説明
    "該当なし" を分類することで、コスト分析において特定のプロパティに値が含まれていない理由を説明します。

もちろんこれだけではありません。Azure Cost Management の新機能は、すべて Azure portal で正式に実装される 1 週間前に Cost Management ラボでプレビューできるようになります。ご希望の機能などありましたら、ぜひコメントをお寄せください。何をお望みですか? Cost Management ラボはこちらからお試しいただけます。

 

リソースのコストを掘り下げる

リソースはクラウドにおける基本の構成要素です。クラウドをインフラストラクチャとして、あるいはコンポーネント化されたマイクロサービスとして利用されている場合でも、リソースを使用することでソリューションを組み立て、ビジョンを達成できます。そして、それらのリソースの使用状況によって最終的にユーザーへの課金内容が決まりますが、その内訳は各リソースの個々の "測定" に細分化されます。各サービスで固有の測定が追跡され、時間やサイズなどの一般的な単位が測定の対象となります。使用する単位が増えるほど、コストが高くなります。

現在、コストは組み込みビューでリソース別または測定別に掘り下げて確認できますが、両方を一緒に確認するには、さらにフィルター処理とグループ化によって必要なデータにたどり着かねばならないので、手間がかかります。そこで、この作業を簡素化するために、[Cost by resource (リソースごとのコスト)] ビューで各行を展開して、そのリソースのコストの原因となっている個々の測定を確認できるようになりました。

[Cost by resource (リソースごとのコスト)] ビュー。特定のリソースの測定の内訳が表示されています

このように明確さと透明性が高まることで、各リソースにかかっているコストを最も詳細なレベルで理解できるようになるはずです。実行されるべきでないリソースが表示されている場合は、単純にリソースの名前をクリックして開けば停止または削除できるので、無駄なコストを抑えることができます。

現在 Cost Management ラボ では、新しくなった [Cost by resource (リソースごとのコスト)] ビューをプレビュー期間中ご確認いただけるようになっています。お気づきの点がありましたら、フィードバックをお寄せください。ご希望の機能などにつきましてもご意見をお待ちしております。今後数週間は、場所を問わずご利用いただける予定です。

 

"該当なし" として表示される理由を知る

Azure Cost Management と Billing には、お客様の課金アカウントの使用状況、購入、払戻などのあらゆる情報が含まれています。詳細な使用状況と料金のファイル内ですべての品目を確認することで、課金内容を最も詳細なレベルで照合できますが、それらのレコードごとに含まれるプロパティが異なるため、コスト分析で集計すると空のプロパティのグループが生まれる可能性があります。その場合、現在は "該当なし" として表示されます。

Cost Management ラボでは、それらのコストを細分化して、別々のグループに分類して表示することで、明確さを高め、それぞれの意味を明らかにすることができるようになりました。以下に例をいくつか挙げます。

  • [Other classic resources (他のクラシック リソース)] は、リソース別またはリソース グループ別にグループ化したときに、使用状況データ内にリソース グループが含まれていないクラシック リソースに対して表示されます。
  • Security Center や Azure DevOps (Visual Studio Online) など、リソース グループに展開されていないサービスを利用している場合は、リソース グループ別にグループ化すると [Other subscription resources (他のサブスクリプション リソース)] が表示されます。
  • 特定のタグでグループ化したときに、[Untagged costs (タグなしのコスト)] が表示されたことがある方もおられるでしょう。このグループがさらに細分化され、[Tags not available (タグが利用できない)] と、[Tags not supported (タグがサポートされていない)] に分かれました。これらは、使用状況データ内にタグが含まれていないサービス (「タグの使用方法」を参照) や、タグ付けできないコスト (前述のように、リソース グループに展開されていない購入やリソースなど) であることを示します。
  • 購入が Azure のリソースと関連付けられていないことが理由で、リソース別、リソース グループ別、またはサブスクリプション別にグループ化すると、[Other Azure purchases (他の Azure の購入)] や [Other Marketplace purchases (他の Marketplace の購入)] が表示される場合があります。
  • また、予約別にグループ化した場合も、[Other Marketplace purchases (他の Marketplace の購入)] が表示されることがあります。これは予約に関連付けられていない他の購入であるということです。
  • 予約を利用している場合は、償却コストを表示して、リソース別、リソース グループ別、またはサブスクリプション別にグループ化すると、[Unused reservation (未使用の予約)] が表示されることがあります。これは、どのリソースにも関連付けられていない予約の未使用分を表します。これらのコストは、お客様の課金アカウントまたは課金プロファイルからのみ確認できます。

もちろんこれらはほんの一例で、他のメッセージが表示される場合もあります。単に値がない場合は、たとえば「No department (部門なし)」 というように表示されます。これは、部門別にグループ化されていない Enterprise Agreement (EA) サブスクリプションを表します。

これらの変更が、コストと使用状況データに対するお客様の理解を深める一助となりましたら幸いです。Cost Management ラボでは、この機能をプレビュー期間中ご確認いただけます。ぜひお試しいただき、フィードバックをお寄せください。今後数週間は、場所を問わずご利用いただける予定です。

 

Azure の使用量データに対する今後の変更

多くの組織が詳細な Azure の使用状況と料金に基づいて、使用されている内容を把握したり、どの料金をどのチームに内部的に請求すべきかを判断したり、Azure の予約や Azure ハイブリッド特典を利用してコストを最適化できる機会を検討したりといったことを行っています。使用量データの製品詳細に基づいて分析やセットアップの統合を行っている場合には、以下のサービスのロジックを更新してください。

以下の変更は 3 月 1 日から有効になります。

また、キーベースのエンタープライズ契約 (EA) billing API が新しい Azure Resource Manager API に置き換えられたことにも留意してください。キーベースの API は加入契約の終了まで有効ですが、Microsoft 顧客契約への更新および移行をもって利用できなくなります。次回更新時の Microsoft 顧客契約への移行を容易にするために、最新バージョンの UsageDetails API (英語) への切り替えも計画してください。

 

新しいビデオと学習の機会

映像を見て理解したいという方にお勧めの新しいリソースを 2 本ご紹介します。

Azure Cost Management と Billing の YouTube チャンネル (英語) をフォローしていただくと、新しいビデオの公開時にそのビデオを視聴して最新情報を入手することが可能になります。ご希望の機能などありましたら、ぜひコメントをお寄せください。

 

ドキュメントの更新

数多くのドキュメントが更新されました。ここでは、皆様の参考になると思われるものをいくつかご紹介します。

すべてのドキュメントの更新状況を確認する場合は、GitHub の azure-docs リポジトリで、Cost Management と Billing のドキュメントの変更履歴 (英語) をご覧ください。不足している情報を見つけた場合は、ドキュメント最上部の [Edit] を選択し、クイック プル リクエストを送信していただくようお願いいたします。

今後について

今回ご紹介したのは、先月から大きく更新された機能のほんの一部です。マイクロソフトは常に皆様からのフィードバックに耳を傾け、改善に取り組んでいます。ぜひ今後もフィードバックをお寄せください。

最新情報、ヒントやテクニックを入手するには、Twitter アカウント @AzureCostMgmt のフォローや、YouTube チャンネル (英語) へのご登録をお願いいたします。Cost Management のフィードバック フォーラム (英語) では、アイデアの投稿や他のユーザーの意見への投票をお待ちしています。

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