マイクロソフトの新しい OSS コネクタで FHIR に基づいた IoMT を加速

2019年11月18日 に投稿済み

General Manager, Microsoft Healthcare

マイクロソフトは、IoMT デバイスから保護対象医療情報 (PHI) をクラウドでセキュアに取り込み、正規化して、保持する新しいツールで、開発者向けの FHIR® のエコシステムを拡大します。  

医療における相互運用性の障壁をなくす取り組みを続ける中で、このたび、オープン ソース ソフトウェア (OSS) のポートフォリオを拡大し、HL7 FHIR (Fast Healthcare Interoperability Resource) 標準をサポートすることになりました。本日、新しい IoMT FHIR Connector for Azure がリリースされ、GitHub で提供が開始されました。


IoMT FHIR Connector for Azure で FHIR に接続される医療データの図

医療のモノのインターネット (IoMT) は、患者の医療データの収集と転送を行う IoT デバイスのサブセットです。IoMT は、医療の提供方法を変える史上最大のテクノロジ革命の 1 つである一方で、データの管理における大きな課題をもたらしています。

多くの場合、IoMT デバイスのデータは、高頻度かつ大容量であり、秒未満の測定を必要とします。開発者は、デバイス本体に取り付けられるセンサーから、環境データを収集するデバイス、患者報告アウトカムを文書化するアプリケーション、さらにはセンサーから数メートルの範囲内にいるよう患者に指示するだけのデバイスに至るまで、さまざまなデバイスやスキーマを扱う必要があります。

従来の医療提供者やイノベーター、さらには製薬やライフ サイエンスの研究者までもが IoMT デバイスで機械学習や分析機能を活用する新たな医療の時代が到来しています。そして、大半の医療関係者が、コストを削減し、患者が診療所の外でどのように過ごしているかをより詳細に把握し、患者の治療に役立つ新たな洞察を得るために、患者の日常生活を監視するデバイスが標準的なアプローチとして今後用いられるようになるだろうと考えています。現在、新しい IoMT アプリおよびソリューションが開発されていますが、2 つの堅牢な障壁がこれらのソリューションの広範なスケーラビリティを妨げています。1 つは、IoMT デバイスのデータとカルテや薬歴などの医療データとの相互運用性であり、もう 1 つは、クラウドにおけるこれらのデバイスの保護対象医療情報 (PHI) のセキュリティと PHI のプライベートなやりとりです。

オープン ソースの標準である FHIR が相互運用性の解決策としてプロバイダー エコシステムによって採用され始めたのはここ数年のことです。FHIR は、瞬く間に、医療情報のやりとりや管理を電子形式で行う際に推奨される標準となり、現在、FHIR によって極めて効率的にカルテをやりとりすることが可能になっています。マイクロソフトは、エコシステムを拡大し、IoMT デバイスを扱う開発者がデータ出力を FHIR で正規化できるよう支援したいと考えていました。FHIR の堅牢かつ拡張可能なデータ モデルは、医療データのセマンティクスを標準化し、やりとりの標準を定義することで、さまざまなデータ システム間の相互運用性を向上させます。マイクロソフトは、カスタム構成や各デバイスやアプリのインターフェイスとの統合を管理するための新たなコストやエンジニアリング作業を必要せずに、FHIR に基づいてさまざまなデバイスの入力データや医療データ セットを素早く正規化し、わずか数分でそれらを連携させることができる世界を思い描いていました。また、開発者がイノベーションに集中できるように、開発者が信頼できる基盤テクノロジを提供したいと考えていました。そして本日、IoMT FHIR Connector for Azure(英語) のリリースにこぎつけることができました。

今回の OSS のリリースによって、医療データ管理の素晴らしい新たな可能性が切り開かれることになります。このコネクタは、デバイスのデータを扱うアプリケーション開発者や技術担当者がそれらのデータを素早く取り込んで FHIR に変換できるよう支援するシンプルなツールを提供します。開発者は、Azure API for FHIR に接続して、堅牢かつセキュアなパイプラインを構築し、IoMT デバイスのデータをクラウドで管理できます。

IoMT FHIR Connector for Azure では、展開を数分で簡単に行えます。これにより、開発者は、FHIR の最新の R4 バージョンをサポートする FHIR サーバーで IoMT データを管理できるようになります。

  • セキュアかつプライベートな、規制に準拠した、クラウドでの PHI データの保持を実現する、IoMT データの取り込みと指定の FHIR サーバーへの接続の迅速なプロビジョニング
  • データを HL7 FHIR R4 標準に変換する正規化と統合マッピング
  • IoMT データの照会と調整をリアルタイムに行うための Azure Stream Analytics とのシームレスな接続
  • IoMT デバイス管理を容易化、および Azure IoT HubAzure IoT Central(英語) などの Azure IoT サービスを通じた拡張
  • クラウドでの PHI データのセキュアな管理。IoMT FHIR Connector for Azure は、HIPAA、HITRUST、GDPR のコンプライアンスを実現できるように開発されており、保護対象医療情報 (PHI) のさまざまな要件を最大限にサポートします。

マイクロソフトは、拡張性、およびデバイスのデータを収集する一般的な患者向けプラットフォームとの接続性を向上させるために、IoMT FHIR Connector と連携する FHIR HealthKit フレームワーク(英語)も構築しています。患者が Apple Health アプリケーションを使用してさまざまなデバイスのデータを管理している場合、開発者は、IoMT FHIR Connector を使用して、HealthKit API ですべてのデバイスからデータを素早く取り込んで FHIR サーバーにそれらのデータをエクスポートできます。

IoMT FHIR Connector for Azure を体験
このオープン ソース プロジェクトは、マイクロソフトの医療エンジニアリング チームが全面的にサポートしていますが、他のオープン ソースと同様に、コミュニティのフィードバックや貢献に基づいてこのプロジェクトを成長させ、改善していきたいと考えています。来週、世界中の開発者が参加する FHIR DevDays (英語) がアムステルダムで開催されますが、マイクロソフトもこのイベントに参加します。このイベントで新しい IoMT FHIR Connector for Azure(英語) を体験することができます。IoMT FHIR Connector のアーキテクチャや、このプロジェクトに貢献する方法については、マイクロソフトの GitHub ページ(英語)をご覧ください。


FHIR® は HL7 の登録商標であり、HL7 の許可を得て使用しています。